ひとり芸日本一決定戦『R-1グランプリ』の決勝直前となる3月6日(土)、もうひとつの大会が開かれました。その名も『R-1ぐらんぷりクラシック 〜集え!歴戦の勇士たち〜』。集ったのは、『R-1グランプリ』のルール変更によって参加資格を失った芸歴11年以上の芸人たちです。事前のネタ審査で決定した芸人35 人による白熱のネタバトルの頂点に立ったのは、本大会で6回の決勝進出実績があるヒューマン中村でした。
2002年から開催してきた『R-1グランプリ』は、第19回となる2021年大会からロゴも一新し、芸歴10年以内に参加規程を変更。そのため、芸歴11年以上の多くの芸人たちが出場資格を失い、SNSやネットニュースでも話題になりました。
そこで今回、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホールで開催されたのが『R-1ぐらんぷりクラシック』です。参加資格は、過去の大会で準決勝以上に進出した芸歴11年以上の芸人たち。会場の観客審査で、もっとも面白かった「MVP(エム・ブイ・ピン)」を決定します。
昨日スベったネタで獲ったぞ!
司会は本大会の第2回チャンピオンでもあるザ・プラン9の浅越ゴエと、カンテレの村西利恵アナウンサー。「ついにこの日が来たぞー!」と気合を入れる浅越の声で、さっそく大会がスタートしました。
5ブロックに分かれてネタを披露した後、観客投票で上位5人に残ったのは、大谷健太、ヒューマン中村、山本俊治、チャド・マレーン、おぐ。この5人のなかから「MVP」に選ばれたのは、ヒューマン中村でした!
「うわ~! ありがとうございます!」と喜びを爆発させるヒューマン中村。優勝トロフィーと賞金50万円の目録を手に「50万……!」と万感の思いで呟くと、改めてこう語りました。
「この日のために、昨日も直前に舞台を入れさせてもらって、調整して。昨日出た舞台で全フリップがスベって……。昨日スベったネタで獲ったぞ! と言いたいです!」
「R-1に一区切りつけてホッとした」
イベント終了後の会見で、ヒューマン中村は改めて声を弾ませます。
「今年から芸歴11年以上は出場資格がなくなって、途方に暮れていたところでこの大会があって、めちゃありがたかったです。これでようやくR-1に一区切りつけて次に進めて、ホッとしました。賞金50万円もめちゃ嬉しいです。本戦の賞金は500万円ですが、くすぶっている18年目が獲る50万円のほうが重いと思います。お笑いのコンテストで優勝したのは初めてなので嬉しいです!」
大会を振り返って、「僕より先輩のレジェンドのピン芸人さんもいっぱいいて、いろんなピンネタを観させてもらって勉強になりました。ピン芸ってこんなに面白いんだぞということを知ってほしい」と力を込めるヒューマン中村。次の目標については、「全国ツアーとか、大きい箱を満席にする芸人になりたいので、単独ライブを大事に大きくしていくことを頑張りたい」と展望を語りました。
“おいでやす”の活躍は痛快!
一方、R-1本大会の‟戦友“のおいでやす小田やこがけんが、昨年のM-1 グランプリ決勝進出を機に大活躍をしていることについては、「小田さんの活躍は見たくないから見ていないです」ときっぱり。「小田さんは『R-1』の11年目以上の代表みたいな顔していますけど、お前ひとりじゃないから!」と釘を刺して笑わせたうえで、改めて素直な心情を語ります。
「おいでやす小田さんは、僕がピン芸人になったころから切磋琢磨してきたので、活躍しているのは嬉しいけど、R-1に関しては‟俺もここにいるぞ”というのがあるんで、今回、(賞が)穫れて嬉しかったです。小田さんとこがけんさんが大活躍されているのは痛快です。M-1でもピン芸人2人がかき回しているのは痛快でした。小田さんはむかしから面白かったので嬉しいです!」
また、いよいよ翌日に迫ったR-1決勝で戦う後輩たちへのアドバイスを求められると、「初めての決勝の人は緊張すると思うけど、自分がいちばんやりやすい劇場だと思ってやってほしい」とエールを送り、こう付け加えました。
「明日のR-1は盛り上がってほしいですね。僕らの屍の上に立っているので、盛り上がってくれないと死に損になります」
『R-1グランプリ2021』決勝は、3月7日(日)19:00から関西テレビ・フジテレビ系で生放送。動画配信サービス「U-NEXT」で生配信される「RGのR-1裏生あるある実況」では、レイザーラモンRGと浅越ゴエに加え、今回の副賞として、MVPのヒューマン中村が出演します。
『R-1ぐらんぷりクラシック 』は、3月13日(土)まで「U-NEXT」と「オンラインチケットよしもと」で見逃し配信中。
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