毎年恒例のNSC(吉本総合芸能学院)の卒業イベント『NSC大ライブ TOKYO2021』が2月24日(水)に開催され、東京26期生のボニータ(赤坂舜平、下岸勇斗)が優勝しました。新型コロナの影響で、開校以来初となるオンライン開催となった今回のイベントは、東京26期生に、札幌1期生、名古屋2期生も加わった、119組(213人)が大集結。白熱のネタバトルを制したボニータは、涙を流して喜びを露わにました。
決勝メンバーに残ったのは…
NSCで学んだ1年間の集大成として、「この日いちばんオモロかった」称号を目指すこのイベント。予選では119組が10ブロックに分かれて2分ネタを披露し、お客様投票と作家票の結果、上位8組が決勝へと進みました。
決勝に残ったのは、兄弟、連雀、猫化粧、つちのこ、スキャット・ビート、ダンディーボイス、ボニータ、スポスポーツの8組。バッファロー吾郎・竹若元博をMCに、それぞれ2分ネタを披露します。
そして吉本社員と作家陣による審査の結果、ダンディーボイス、スポスポーツ、ボニータの3組が最終決戦へとコマを進めました。
最終決戦は漫才で激突
最終決戦には、3組とも漫才で挑みます。決勝3位のダンディーボイスは、その名の通り、ダンディーをテーマとした漫才を熱演。2人は、映画『ブルースブラザーズ』のような黒いスーツに黒ハットの衣装で揃えて、ネタでもトークでも“ダンディー”を貫きました。
予選1位、決勝2位のスポスポーツは、漫才コントで勝負。空港で職員に案内されたのは、まさかの行き先で……という内容で、本人たちが「下品なネタを決勝でやりたかった」と語るネタは、予想を上回る展開で笑いを生み出しました。
予選2位、決勝1位と、こちらも危なげなく勝ち進んだボニータは、鑑定番組を題材にした漫才コントを繰り広げます。冷静ながらインパクトが強い赤坂のボケに、下岸が負けじと激しくツッコみ、魅力満載のネタで会場を沸かせました。
3組による最終決戦は、審査員8人の投票の結果、ボニータ5票、ダンディーボイス2票、スポスポーツ1票で、ボニータが頂点に。結果が出た瞬間、2人はガッツポーズ。下岸が「めちゃくちゃうれしいです」と叫ぶと、赤坂は「よっしゃー!」と喜び、号泣しました。
相方は「運命の相手!」
大会終了後のオンライン取材会で、優勝の喜びについて聞かれると、メガネがトレードマークのボニータ・赤坂は「『いろんなことがあったな』と思ったら、泣いていました」と涙の理由を説明。
そして「僕のほうが100%ネタを作っておりまして……」と続けると、長髪の下岸が「言わんといて!」とすかさずツッコミ。それから、観念したような表情で「相方がずっとネタを作ってくれていたので、僕はそれをただ言うだけのマシーンです。『彼(赤坂)の優勝だな!』という気持ちでした」とボケて、笑わせました。
そんな2人は、もともとNSCとは別の養成所で出会い、コンビを結成。しばらくフリーで活動した後に、改めてNSCに入学したという異色の経歴を持ちます。
養成所時代に“余り者”同士でコンビを組んだそうで、「僕は、(相方は)“小さい関西人”だったら誰でもよかったんですけど……」と赤坂。そう言われて慌てる下岸に、赤坂が改めて「(下岸が)運命の相手だと感じています」と“本音”を口にしました。
バッファロー竹若「最後はウルっときた」
フリーとしてすでに芸歴をスタートさせながら、再びNSCに入った理由について、2人はこう語ります。
「いろんなオーディションを受けて、1年間頑張ったんですけど、まったくどこにも引っ掛からず……。暗いところでライブをしていたので、明るいところでライブしたいという気持ちがあって、NSCを選びました」
NSCに通った感想については、「1年間学ぶことができたので、身になりました」(下岸)、「みんなと切磋琢磨できて、『お笑いをやれているな!』って実感できる場所。それがNSCだと思っています」(赤坂)とそれぞれ力強く語ります。
新型コロナウイルスの影響で、対面での授業が制限された今期のNSC。それでも下岸は、「オンラインということで、会う機会もなかなか取れなかったんですけど、そのなかでも頑張れたのがよかったです」と満足そうな表情でした。
今回のMCであり、NSCの講師でもある竹若は、この1年、そしてNSC大ライブを振り返ってこう語りました。
「この期のみんなは、スタート時点で対面の授業ができなくて、僕もzoomで授業をしていました。相方を探すっていうときも、“こいついいな”っていうのが、なかなか画面だけでは感じられない部分もあったと思います。NSCってみんなから刺激を受けて、自分の力以上のものを仲間からもらうこともあるのですが、そこもなかなか難しい。そういう状況のなか、みんな堂々と舞台に立って、素晴らしい結果を残していたので、僕も(大会の)最後はウルっときました」
ボニータの2人が憧れる芸人は、ダウンタウン。これからの目標について下岸は「司会業、ひな壇に座られている人など、マルチに活躍できたら」と笑顔。一方、赤坂は「昼の帯番組をやり、世間のみなさんに顔を指されて街を歩けない……みたいな。“もう自分の家に入ってきちゃってるよ”っていうくらい有名になりたいです」と意気込みました。
今年も大盛り上がりだった『NSC大ライブ』。新たな才能を育てるべく、NSCは現在、2021年度入学生を募集中です。加えて今年4月には「パフォーミング」「クリエイティブ」「デジタルエンタテインメント」という3ジャンルの養成スクールが開設。高校卒業資格が取得できる「吉本興業高等学院」も同時に開校します。
これら「よしもとアカデミー」の詳細は公式サイトから。