今年、44期目の卒業生を送り出すNSC(吉本総合芸能学院)大阪。今期170組を超える卒業生のなかで、いちばん面白いのは誰か。その頂点を決めるイベント「NSC大ライブ OSAKA 2022」が、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで2月28日(月)に開催されました。決勝には、予選を通過した7組に加え、来場者と有料配信視聴者の投票で選ばれた1組の計8組が進出。フレッシュな芸に盛り上がったイベントの様子をレポートします。
44期は「売れるゾロ目の期」
オープニングでイベントの見届人を務める笑い飯・哲夫が「年々ネタの質が上がってるのでは?」と話すと、MCの滝音・秋定遼太郎も「みんなレベルが高い。ゾロ目の期は売れる」と楽しみにしている様子です。
さらに、審査員としてNSC講師でもあるザ・プラン9のお〜い!久馬とメッセンジャー・あいはらが登場。あいはらは「講師をやっているけれど、知らない名前もある。でもそれはコンビを組んだばかりということだから、逆にすごく楽しみです」と教え子たちに期待を寄せます。
そしていよいよ決勝戦のネタ披露がスタート。ステージに上がるのは、モデル亜ガマ、こめじるし、ぺ、七輪、もものみ、軍艦、ウリ、宛先プレーンの8組。ネタ時間は2分で、15秒を過ぎるとゴングが鳴らされて強制終了になるというルールのもと、順番にネタを披露していきます。どの組も個性的なキャラクターで完成度が高く、会場は大いに盛り上がりました。
すべてのネタが終わると、いよいよ結果発表へ! まずは8位から3位として、モデル亜ガマ、もものみ、こめじるし、ぺ、軍艦、ウリが順に呼ばれ、残るは七輪と宛先プレーンの2組。いったい勝つのはどちらか!? 170組超の頂点を告げるドラムロールのあと、名前がコールされたのは、宛先プレーン! 見届人の哲夫から優勝のパネルが2人に手渡されると、会場は大きな拍手に包まれました。
「しっかり商品になっている」
2人のネタについて、あいはらがNSC講師らしくこう評します。
「コロナ禍もあって、ライブでNSC生のネタを見たのは初めてです。お客さんがいるかいないで、芸人の出す力はまったく違って、それはNSCの生徒も同じです。彼ら(宛先プレーン)がこんなにおもしろいと初めてわかった。新鮮な体験でした」
お〜い!久馬は「このネタを授業で見たときにすごいと思った。発想、着眼点がちょっと悔しい!」と絶賛。哲夫も「久馬さんと同じく、着眼点がすばらしい。それでいて想像の域を超えてこない、しっかり商品となっているネタだと思います」と唸りました。
退社覚悟で会社に直談判
宛先プレーンは、1998年生まれの荒木健太と、1993年生まれで広告代理店の現役営業マンであるたかまんの2人によるコンビ。ネタ見せの授業で荒木を見たたかまんが「発想が抜群におもしろいと思って声をかけた」ことをきっかけにコンビを結成。ネタは荒木が案を出し、2人で考えて作っているとのこと。
「興奮のうちに終わりました。44期は面白いやつが多いので、追いつけ追い越せでやっていた結果です」と感慨深げに語ります。
滝音・さすけに「テレビでもキャラを活かせていけると思う」と言われると、たかまんは「(勤務先の)課長になったものの、その足で『NSCに行かせてほしい』と退職覚悟で会社に直談判したら、『通いながらでもいいから残ってほしい』と言われました」と明かし、「年齢的にもギリギリでラストチャンスだったと思います。仕事とNSCの両立は半端なくしんどかったものの、好きなことだから続けられました。今後については、どういう形で働かせてもらえるか、会社と相談します」と決意を話しました。
「目標は?」と問われた、たかまんは「ボケとツッコミをお互いができるコンビの関係性が理想」として、千鳥、かまいたち、霜降り明星の名を挙げます。一方の荒木は「影響を受けたのは、東京03さんとニューヨークさん。人の少し嫌な部分をつく、こういうことをしたら嫌われるというのを笑いながら学べました」と語りました。
優勝した宛先プレーンには、大阪・よしもと漫才劇場や京都・よしもと祇園花月などの劇場出演、テレビやラジオへの出演などのご褒美があります。同日には「NSC大ライブ TOKYO 2022」も開かれ、NSC東京27期生からは「ミヤコジマ」が優勝。大阪・東京あわせて398組が“新”芸人となる卒業生たちの今後の活躍が期待されます!
来年40周年を迎えるNSC、スタッフの養成所「YCA(よしもとクリエイティブアカデミー)」、パフォーマーを育てる「YPA(よしもとパフォーミングアカデミー)」、よしもとのデジタルスクール「YDA(よしもとデジタルエンタテインメントアカデミー)」、この4校のカリキュラムを高校3年間で学ぶ「吉本興業高等学院」の5校からなる「よしもとアカデミー」では、2022年度生徒を募集中です。
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