“ピン芸日本一”を決める『R-1グランプリ2022』(カンテレ・フジテレビ系)の決勝が3月6日(日)に行われ、お見送り芸人しんいちが優勝しました。賞金500万円&全国ネットの冠特番権を手にしたしんいちは会見で、事務所の先輩で恩人のサンドウィッチマン(伊達みきお、富澤たけし)の名を挙げ、「あなたたちがいなかったら、今はなかった」と感謝の言葉を語りました。
優勝した瞬間に浮かんだ両親の顔
優勝を決めた瞬間、喜びのコメントを求められたしんいちは涙ながらにこう言いました。
「(芸歴)10年以上の先輩方も面白い方いっぱいいますので、ライブに来てほしいです」
この言葉の真意を、しんいちはその後の優勝会見でこう説明します。
「(芸歴制限の10年を超えて)R-1に出られなくなった人への思いがかなり乗っていました。僕よりも面白い方が本当にいると思っているので、それをずっと言いたかったんです。10年以内の大会も素晴らしいんですけど、上の世代もオモロいぞってわかっていただきたかったです」
この日、エントリー総数3199人のなかから決勝の舞台に立ったのは、お見送り芸人しんいち、金の国・渡部おにぎり、kento fukaya、ZAZY、サツマカワRPG、寺田寛明、吉住の7人と復活ステージ1位のYes!アキト。この8人で1stステージを戦った結果、点数の高かったZAZY(464点)とお見送り芸人しんいち(463点 ※吉住、渡部と同点。決選投票で勝ち上がり)がファイナルステージへと進出しました。
「(1stステージでは)ネタ自体は2番手で楽しくできたんですけど、残り6人、口悪く言うと“全員スベれ”と思っちゃっていました(笑)。(3人同点になったときは)吉住も面白かったし、金の国・渡部もめっちゃ人気あるし、(ファイナルステージに)いけたらいいなという感じで、本当にラッキーでした。もう1本やれる嬉しさのほうが大きかったです」
そう語るしんいちは、ファイナルステージでも“毒”のある応援ソングを熱唱し、5人の審査員票のうち3票を獲得。優勝が決定した瞬間、座り込んで大粒の涙を流しました。
「いろんな人への感謝だったり、お父さん、お母さんの顔も浮かびましたし、キツかったっていう気持ちがあります」
これまで親の反対を押し切って芸人活動を続けてきたというだけに、今回の賞金500万円で両親へプレゼントを贈ると語りました。
ビッグアーティストを冠特番に!
しんいちは、ギター片手に歌う“毒のある歌ネタ”が持ち味。「性格いいって思われなくていいや」と開き直って人間観察を始めたことがきっかけで、いまの形に行き着いたそうです。そのスタイルは、事務所の先輩であるサンドウィッチマンらのおかげで完成された、とのこと。「お見送り芸人しんいち」という芸名は伊達から、ギターと歌が武器だとアドバイスをしてくれたのは富澤、ほかにも多くの芸人に金髪のスタイルや衣装について助言を受けたと明かします。
そのサンドウィッチマンへのメッセージを求められると、こう感謝しました。
「『あなたたちがいなかったら今はない、と心から思っています。ありがとうございます』と伝えたいです。おふたりには小遣いをいっぱいもらいました。正月にお年玉をもらいましたし、去年、一昨年と靴も買っていただきました。『後輩におカネを渡せるようになれよ』って言われたので、頑張ってなります」
優勝の副賞の“冠特番”は6月19日(日)に放送。しんいちは、さっそく大きな目標を掲げました。
「歌ネタなので、音楽に関わる番組にしたいです。夢が叶うかわからないですけど、親交のあるスキマスイッチさん、山崎まさよしさんなど、いろいろ連絡をとっている方がいるんですけど……そんなアーティストの方々が安く出てくれないかな(笑)」