お笑いコンビ・麒麟の田村裕が、大阪府吹田市の万博記念公園で3月9日(水)に行われた桜の木の植樹式に参加しました。「お〜いお茶」でおなじみの伊藤園が取り組んでいる植樹活動「私の街の未来の桜プロジェクト」の一環で、地元出身の田村は、子どものころから慣れ親しんだ公園での式典に、喜びもひとしおの様子でした。
「大人になって関わるだけでうれしい」
このプロジェクトは、2019年4月に「お〜いお茶」発売30周年を記念して、「地域密着」をテーマに始まったもので、これまでに44都道府県で1,000本の桜の木が植樹されてきました。吹田市出身の麒麟・田村は、会場となった万博記念公園とのゆかりも深く、やる気満々です。
植樹式には田村のほか、伊藤園の国枝保・執行役員、比留間和明・西近畿地区地区部長らが登壇。田村は、桜の花びらを彷彿とさせる春らしいピンク色のパーカーで参加しました。
「地元の吹田で、子どものころからよく来ていた場所に、いまこうして大人になり、関わるだけでもうれしいです。しかも、こんな記念すべきイベントに参加できて本当にありがたいですね」
全員で金色のスコップを手に持って桜の根本に優しく土をかぶせると、田村はこう言って笑顔を見せます。
また、「ふだんは麒麟としてコンビでやっておりますが、いま相方の川島(明)くんが芸能界において“満開”を迎えております。私も一緒に咲きたかったんですが、『ホームレス中学生』ではじけ過ぎまして……」と、朝の情報番組『ラヴィット!』(TBS系)が好調の相方を引き合いに出して場をなごませると、こう続けました。
「見た目的にも僕はどちらかといえば桜の幹、木の表面側に似ていますので、コンビとしては、幹として支えていけるように頑張っていけたらと思います」
芸人として必要なスキルを公園で育んだ
植樹式を終えた麒麟・田村に話を聞きました。
————植樹式が行われた万博記念公園は、子どものころから遊んでいた場所とのことですが、なにが印象に残っていますか?
今日、植樹した向かいにある「お祭り広場」では、小学生くらいから遊んでいました。当時、フリーマーケットが日本中で流行り始めたころで、毎週末のように開催されていたんちゃうかな。週末になったら同級生とここに来て、洋服を買っていましたね。フリマで買ったジャケットは高校時代もずっと着ていました。僕にとって、大阪のカジュアルファッションの発信地は、アメリカ村と万博記念公園のフリマでした。
————毎週のように遊びに来ていたんですね。
そうですね。それに、やっぱり関西って“値切り文化”が根付いているじゃないですか。なので、同級生と洋服をどれだけ値切れたか、金額を競い合うようなやりとりもしていました。小学生・中学生というと、まだ子どもじゃないですか。そんな時代に大人相手に値切っていました(笑)。
————物怖じしない子どもだったんですね。
万博記念公園のフリーマーケットで買い物をするということが、芸人として必要なスキルを身につけてくれたんだと思います。たぶん、この広場でフリマを出していたお兄さんたちとのやりとりの中で培うことができたスキルです。
————どんなスキルですか?
交渉力と、諦めへん気持ちです。これは芸能界を続けていく上で絶対に必要なスキルなので、万博記念公園のフリマがあったから僕のいまの芸能生活があると言っても過言ではありません。だから、相方にも感謝してほしいと思っているんです。麒麟が仕事で移動するとき、新幹線のグリーン車を使わせてもらっているんですが、それは僕が交渉しました。
————そうだったんですか!?
はい、川島はそういう言いにくいことは、いっさい言わないです。だから、僕がフリマで培った交渉力でグリーン車を勝ち取りました。なので、万博記念公園のフリマには川島にも感謝してもらいたいです。『ラヴィット!』での活躍を祈っていますが、僕と吹田のこと、そして万博記念公園のことも川島の心に植樹したいですね(笑)。