チケットは即完売! 学生お笑い賞レースの最高峰『NOROSHI 2022』を見てみたらホントに激アツだった!

こんにちは。芸人ライターの降りしきる雨の中で瀬尾です。今回は3月16日(水)に東京・ルミネtheよしもとで行われた、全国でいちばん面白い大学サークルを決める大会、「全国お笑いサークル団体戦presented by 大学芸会『NOROSHI2022』決勝」をレポートします。
昨今のお笑い界は、2020年のNHK新人お笑い大賞で優勝した令和ロマンをはじめ、賞レースやメディアでも大学お笑い出身の芸人の活躍が目覚ましくなっております。この決勝戦のチケットも即完売するほどの注目度。そんな学生お笑い界のナンバー1を決める熱い大会の模様を、ぜひご覧ください!

出典: FANY マガジン
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プロ顔負けのネタの数々!

「NOROSHI」は、今年で開催8年目の日本唯一の団体戦形式の大会です。漫才、コント、ピン芸の3組で1チームとなり、審査員票とお客様票の合計得点が最も高いチームが、日本一面白いサークルとなります。

この日の決勝の舞台に立ったのは、全168チームから勝ち上がったチーム月旅行(明治大学お笑いサークル木曜会Z)、チーム青鞜(東京大学落語研究会)、凱旋(日本大学経商法落語研究会)、チーム台北(日本大学文理学部落語研究会)、チームザリガニ&とうもろこし(法政大学お笑いサークルHOS)、チームケベック(早稲田大学お笑い工房LUDO)、ひょろ爺(青山学院大学ナショグルお笑い愛好会)、青組(創価大学落語研究会)の8チーム。

大会の火ぶたは、明治大学お笑いサークル木曜会Z・チーム月旅行のお笑いコンビ「フーセンガム」の漫才によって切られました。新婚を題材とした漫才で、ボケの井上君の飄々とした喋り口に引っ張られるように、観客は2人の漫才にみるみるうちに引き込まれていきます。トップバッターにも関わらず会場を大いに沸かせて、プロ顔負けの堂々たる漫才を披露しました。

出典: FANY マガジン
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続いて登場したのは、東京大学落語研究会・チーム青鞜。メンバー全員が女性という、今大会の紅一点のチームです。どんなネタになるかと思えば、いわゆる「女性らしい」という言葉とはかけ離れたような凄まじい勢いのネタに思わず面を食らってしまいました。特にピン芸、コントの両方に出場していた觸澤さんのパワフルな表現には、目を見張るものがありました。

出典: FANY マガジン
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さらに、学生とは思えないほど個性的な芸人たちが次々と舞台に登場します。

青山学院大学ナショグルお笑い愛好会・ひょろ爺のピン芸人「永田音楽大学」はオペラを基調としたコントを披露しましたが、なんと、お笑いを始めてまだ3カ月だというのです。芸名のとおり、音楽大学に通う1年生で、この決勝戦が3回目の舞台ということで、これからが非常に楽しみな存在でした。

出典: FANY マガジン
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早稲田大学お笑い工房LUDO・チームケベックの漫才コンビ「青御膳」は男女のコンビで、ボケの石島さんの独特のキャラクターが会場の心をガッチリと掴んでいました。自由に動き回る石島さんを優しく包み込むように寄り添うツッコミの岡竹くんもまた印象的でした。

出典: FANY マガジン
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創価大学落語研究会・青組のピン芸人「坊野」は、エネルギッシュにギャグを次々と披露していきます。途中でネタを飛ばしてしまったと言いますが、それすらもバネにして大爆笑を巻き起こしていました。

出典: FANY マガジン
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なかでもとりわけ会場を沸かせていたのは、法政大学お笑いサークルHOS・チームザリガニ&とうもろこしの「海老車」のコントでした。高層ビルを舞台に繰り広げられるコントは、巧みな設定、見せ方の工夫、個々の表現力、どれをとってもピカイチだったと思います。

出典: FANY マガジン
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出場者全員が、お笑いが大好きなのだろうと思うと同時に、観客もみんな、お笑いが大好きなのだと感じました。3時間近くの長丁場のライブでしたが、最後まで熱が冷めないまま、8チーム全24ネタを見届けていました。最高の演者、最高の観客がそろった最高の大会だったと感じました。

地下で磨かれた「純粋なお笑い」

そして、いよいよナンバー1の決定です。厳正な審査の結果、見事に優勝を果たしたのは、チームザリガニ&とうもろこし! 審査員からも「ぜひプロの世界に飛び込んでほしい」「観客投票も審査員票も満場一致だった」という言葉が飛び出すほどの圧巻の優勝でした。

優勝の要因を聞かれると、「場数を踏んできた」ことを挙げます。ときには、いわゆる地下ライブと呼ばれる舞台にも立ち続けてきたことが優勝に繋がったのだと語っていました。卒業後の進路については、プロとしてやっていきたい気持ちはあるものの、なんと、メンバーの半数が留年してしまうということで、トークでもしっかりとオチをつけていました。

出典: FANY マガジン
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ということで、学生お笑いの大会というものを初めて見させていただきましたが、久しぶりに“純粋なお笑い”に触れたようなひと時だったように思います。芸歴を重ねるにつれて忘れかけてしまう、純粋にお笑いが好きなのだという気持ち、純粋に表現がしたいという初期衝動――「お笑い」という歪だけれど美しくもある青春の形が、そこにはありました。


大会の模様は3月23日(水)18:00までオンラインで見逃し視聴できます(チケット販売は同日正午まで)。

FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。