ヒューマン中村考案の話題の創作漢字が書籍化! 「図書室からヴィレヴァンまで置ける本」

ピン芸人のヒューマン中村が、Twitterで投稿し続けた創作漢字が1冊の本になりました! 発売は3月31日(木)、そしてタイトルは『おもしろ漢字辞典、こんな漢じでどうですか?』(KADOKAWA)。収録されている創作漢字は選りすぐりの150字で、そのうち30字は書籍化のために新たに考えた力作です。初の著書発売を前に、制作秘話や書籍への思いを語ってもらいました。

出典: FANY マガジン
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書籍化のきっかけは『かまいたちの机上の空論城』(関西テレビ)の人気企画「1日100ツイートしたら誰でもバズることができる!……ハズ」に、ヒューマン中村が創作漢字ネタのツイートで挑戦したこと。このツイートに多くの「いいね」が集まって編集者の目にとまり、今回の書籍化に繋がりました。

R-1ルール改定が契機に

――まずは、漢字ネタを思いついた経緯を教えてください。

実は5〜6年前、「R-1グランプリ」にチャレンジしていたころに漢字ネタを舞台でやったことがあったんです。でも、その時はあまりウケず、1〜2回ほど試してやめちゃいました。
“感心”のほうが勝つというか、笑いより「なるほど〜」という感じになるんです(笑)。でもネタ帳には残していて、去年、『かまいたちの机上の空論城』の企画で100ツイートする時に、「何かないかな?」と昔のネタ帳を漁っていたら当時の漢字ネタが見つかり、「これは使えそう」とツイートしたらバズった、という流れです。

――Twitterのフォロワーもかなり増えたのでは?

まず、去年6月末ころに始まったロケで、リアルタイムに100ツイートをアップしている時にフォロワーが2000人くらい増えて、『かまいたちの机上の空論城』がオンエアされてからさらに3000人増えました。ロケが終わった後も、「続けていたら、もしかして何かになるかも?」と新ネタを考えてはツイートをアップし続けていたら、結果的にフォロワーはトータルで1万人以上増えました。
とにかく反応がいいので、「なにかカタチになるまで、とりあえず年内は毎日アップしよう」と続けていたところ、9月ごろにKADOKAWAさんから書籍化の話が舞い込みました。

出典: FANY マガジン
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――早くも「カタチになった」んですね! そもそも番組の企画自体も、「R-1」で芸歴制限のルールが新たに設けられたことでこぼれてしまったピン芸人を救済する内容でした。

そうです。忘れもしない2020年11月25日の(芸歴制限が発表された)R-1開催発表会見……。衝撃のXデーです。すると、2021年に入ってすぐに『かまいたちの机上の空論城』で「R-1」に出られなくなった悲しいピン芸人たちを集める企画があり、ネタ対決をして僕が優勝しまして、もう1回、番組に出演できる権利をいただけたんです。そのロケもいい感じに盛り上がって、もう1回、呼んでもらえた時の企画が「100ツイート企画」です。
だから、実は「R-1」に出られなくなったことがきっかけで、こうしてカタチになったと思うと、本の「あとがき」にも書きましたが、人生ってわからんな、とすごく思います。

――「R-1」に出られなくなったことも、これまでのネタの蓄積も、いろいろな要素が繋がって本になったんですね。

どれかひとつが欠けていても本は出せなかったでしょうし、番組のロケが終わった時点でツイートをやめていてもこうなっていなかったでしょうね。「続けてみよう」と思えたのがよかったです。

――そんなストーリーがあったとは……。そんななか、生み出した創作漢字はいくつありますか?

本に収録されているのは150字ですが、毎日考えていたので全部で400字くらいあります。ボツになった漢字もたくさんあります。ひとつの漢字から「これをどうしたらおもしろくなるかな」と考えるのは楽しくて、夢中になって作れたのでまったくしんどくなかったです。でも、本にする時はちょっとしんどかったです(笑)。

出典: FANY マガジン
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制作は「ゲシュタルト崩壊」との戦い

――書籍化ならではの苦労もあったのでは?

はい、本に掲載されている手書きの漢字は、ぜんぶ書き直しているんです。一生、カタチになって残るもんやから、ひと文字ひと文字、何度も同じ漢字を書き直しました。A4用紙に何個も書いて、その中から出来がいいものをデザイナーさんに送るんですが、それが10枚くらいになると、もう本当に出来がいいのか、わけがわからなくなるんです。「ゲシュタルト崩壊」(集中しすぎて全体のバランスがわからなくなること)との戦いでした。

――修行のようです。それぞれの漢字に添えられているひと言も楽しいですね。

書かれている文章もすべて僕が考えて書きました。いざページに反映させると、なんか思っていたイメージと違って「やっぱり書き直します」というのも何度もありましたし、完成するまで何十校も出していただき、めちゃくちゃ手間がかかりましたが、楽しく充実した日々でした。

――創作漢字はどういう時に思いつくんですか?

急にひらめく、というわけではなくて、スマホで「常用漢字一覧」というサイトを眺めながら「何かできないかな」と考えます。
「走」という漢字だと、「マラソンを“走”でどう表現したらいいかな」と考えることもあるし、「“国”の囗(くにがまえ)を広げたらどうなるやろ」みたいに分解してみたり、考え方はひとつじゃないですね。漢字があれば無限に考えることができるし、ひとつの漢字で何パターンも作ることができます。

出典: FANY マガジン
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子どもが漢字に親しめるきっかけになれば

――もともと学生時代は漢字や国語は好きだったんですか?

いや、僕は理系で、数学や物理が得意でした。国語はいちばん苦手で、テストの点数も悪かったです。漢字も苦手で、いまでもナレーションの仕事で原稿を読む時に、「この旨(むね)、お願いします」と読むところを「この“うま”、お願いします」と読んで、めちゃくちゃ恥ずかしい思いをしたこともあります(笑)。

でも、いまでは漢字がめっちゃ好きになりましたし、なにより漢字のおかげでこうやって本まで出せるなんて、本当に“漢字さまさま”です。

――この本の中で、いちばんお気に入りの漢字はどれですか?

ぜんぶの漢字に思い入れはあるんですが、「突風にあおられた傘」ですかね。これは実際によく起きることを、うまいこと表現できたので好きです。

――まわりの芸人仲間の反応はどうでしたか?

今年2月にAmazonの予約受付開始と同時に情報解禁して、「本が出ます」と告知ツイートをアップしたら、後輩たちや先輩方、芸人仲間たちが、めっちゃリツイートしてくれたんです。情報解禁後に劇場に行くと「おめでとうございます!」と喜んでくれて、「こんなに祝福してくれるのか!」とすごくうれしかった。なかでもインディーズライブ時代から一緒にやってきた(おいでやす)小田さん、Dr.ハインリッヒは、僕が昔から「本を出したい」と言っていたのを覚えてくれていて、「夢が叶いましたね」と言ってくれました。僕の夢を覚えてくれていたことがうれしかったですね。

出典: FANY マガジン
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――皆さんの真心が心にしみますね。では、改めてこの本の魅力を教えてください。

日本語を使っている方なら、誰でも楽しめるように作りました。お子さんがいらっしゃる方も、一緒に読んで楽しんでいただける内容です。

漢字の勉強って、最初に書き取りをやらされて、なんか難しいものと思いがちですよね。でも、この本でちょっとでも漢字に親しみを持ってもらえたらなあと思います。お子さんへのプレゼントにもいいんじゃないですかね。この本が完成した時に、僕の中で勝手にキャッチコピーを付けまして、「図書室からヴィレッジヴァンガードまで置ける本」という(笑)。そういう、幅広い層に読んでいただける本になったと思います。

出典: FANY マガジン
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書籍概要

『おもしろ漢字辞典 こんな漢じでどうですか?』(KADOKAWA)
著者:ヒューマン中村
定価:1,320円(本体1,200円+税)
発売日:3月31日
ページ数:128ページ

詳細はこちらから。
Amazonはこちらから。

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