関西における若手芸人の登竜門として多くのスターを生み出してきた「NHK上方漫才コンテスト」。52回目を迎えた今年の大会が5月20日(金)にNHK大阪ホールで開催され、天才ピアニスト(竹内知咲・ますみ)が優勝しました! 女性コンビの優勝は、じつに36年ぶり。賞レースを初めて制した2人は、喜びを爆発させました。
3年ぶりの生放送は爆笑の連続
大会は、今年5月現在で結成10年以下のコンビ・グループが対象で、予選に参加した106組から勝ち抜いた8組が本戦に出場しました。
3年ぶりの生放送となった今回のMCは、昨年に引き続いて千原兄弟(千原せいじ、千原ジュニア)。審査員は大林素子、トミーズ・雅、内藤剛志、ハイヒール・リンゴ、ヒャダイン、ブラックマヨネーズ・吉田敬、ますだおかだ・増田英彦の7人です。
本選は、まず4組ずつがA・Bの2ブロックに分かれて対決し、審査員の投票で各ブロック1組だけが勝ち抜け。最後は勝ち残った2組による直接対決で優勝が決まります。
Aブロックは、隣人(中村遊直、橋本市民球場)、滝音(さすけ、秋定遼太郎)、オーサカクレオパトラ(りえちゃん、克信)、ファンファーレと熱狂(奥慎太郎、こうちゃん)の4組。隣人、滝音がコント、オーサカクレオパトラ、ファンファーレと熱狂が漫才を披露するなか。ツカミから爆笑をゲットし、ヒャダインがワードセンスを絶賛した滝音が勝ち残りました。
Bブロックはもも(せめる。、まもる。)、天才ピアニスト(竹内知咲、ますみ)、カベポスター(永見大吾、浜田順平)、ハイツ友の会(清水香奈芽、西野)の4組です。すべての組が漫才を披露するなか、天才ピアニスト、ももがともに3票を獲得して決選投票に。勝ち残ったのは、ブラマヨ・吉田が成長ぶりを絶賛した天才ピアニストでした。
優勝は満場一致で決定!
最終決戦のネタ披露はAブロックの滝音から。バンドメンバーとファンのやりとりからスタートしたネタは、1本目と同じくツカミで会場に爆笑を起こし、そこからたたみかけるような掛け合いを見せました。トミーズ・雅は「天才やね、よくあそこまでいろんな言葉を出してくるね」と評価します。
一方の天才ピアニストはコントで勝負。女性同士の争いをとりあげたネタで、こちらも冒頭から会場は爆笑。次々に展開していくネタで会場を惹きつけました。
結果は、天才ピアニストが満票を獲得して優勝! 2人はトロフィーを手に「めちゃくちゃうれしいです!」と笑顔を見せます。ますみは「漫才とコントどっちもできたのもうれしい。(モノマネをする)上沼(恵美子)さんがNHKに出演した回数を超えたい!」と喜びを爆発させました。
上沼恵美子に大感謝!?
大会終了後、天才ピアニストの2人が改めて喜びを語りました。
「賞レースで1位を獲ったのは初めてなのでとてもうれしい」と笑顔を見せた竹内は、「(漫才とコントを)1本ずつできたのがうれしい。まだ見てほしいネタがたくさんあるので、がんばりたい」と意気込みます。
ますみも、「漫才とコントの両方できたのが本当に幸せ、2本目は、大道具を作ってもらって、(最終決戦に残れずに)使われへんかったらどうしようかと思ってた」とホッとした表情。そして、「漫才もコントもおもしろい滝音さんに完全勝利できたのが気持ちよかったですね、最高です!」と笑顔で語りました。
今回の優勝をもたらした“原動力”について、竹内は、昨年1月から舞台の数を増やして、単独ライブをやってきたのが大きかった――と振り返ります。また、コンビの“やる気”に火がついたポイントとして挙げたのは、一昨年の「THE W」。それまで賞レースの決勝出場がイメージできていなかった2人が、ここでリザーブメンバーになれたことで「もう決勝がすぐそこにある」という意識になれたことが大きかったそうです。
ますみも、芸歴2年目に上沼恵美子のモノマネでブレイクしたものの、「モノマネでずっといけると思ってなかった」と冷静に考え、積極的にライブをやって地道にネタを磨いてきたと振り返ります。改めて、「感謝しかない。恩、恩、恩。上沼恵美子さまさまですよ。フルーツ持って挨拶に行きたいですね」と笑わせました。
ますみの芸人としての成長について竹内は、「いろんな舞台を踏むなかで、大きい会場でもビビらないこと、そして表現力が大きく伸びたところだと思う」と評価します。一方のますみは、竹内について「組んだ当初からすごくて」と語り、「それがまわりに認められていっただけで、急激に変わったわけじゃない。竹内さんの根気強さが認められたということだと思う」と称えました。
女性芸人の優勝は、2017年のゆりやんレトリィバァ以来5年ぶり。女性コンビとしては、1986年の非常階段以来の36年ぶりと伝えられると、2人は「うわ〜、めちゃくちゃうれしいですね!」と驚きの表情を見せました。
今後の目標について竹内は、「KOC(キングオブコント)とM-1の優勝ですね」ときっぱり。
ますみも、「この2つをいいところまで必ずいかせていただいて……」と若干控えめながら、「大会に出て、上位を取って、爪痕を残して、単独ライブのチケット即完、その感じで全国ツアー回っておいしいものを食べたい!」と意気込みました。