「ネタは1人が書く」「ギャラ交渉は相方に任せる」「番組MCはツッコミが担う」などなど、お笑いコンビも夫婦同様、仕事の内容やジャンルによってパワーバランスが変わるに違いない――というわけで、コンビがそれぞれ、どういった場面でどのように役割分担をしているのか徹底調査する企画『ザ・コンビ比率』。第2回に登場するのはNON STYLE。ボケ・石田明、ツッコミ・井上裕介という2人の、ちょっと意外な分担が判明しました。
「オレの比率はゼロです」
【①ネタはどちらが作っている?】
石田100:井上0
石田 ネタは僕が書きますけど、一応、あらかじめ井上にメールでアンケートは取ります。たとえば、「理想の新婚生活はどんなんですか?」とか。以前はラジオやいろんな現場でしゃべる機会があったので、自然と井上の情報が入ってきてたけど、いまは一緒に仕事することが少なくなったので、改めて聞いておいたほうが漫才のときに(井上の)言葉になりやすいのかなって。
井上 アンケートというときっちりしてる感じやけど、「これどう思う?」っていう連絡が来て、「オレはこんなんが好きやで」と伝えています。とはいえ、特に何かをしてるというわけじゃないから、オレの比率はゼロです。
【②単独ライブのもろもろの決めごと(コンセプト、舞台セット、ポスターデザイン、グッズなど)はどちらが決めている?】
石田100:井上0
井上 こういうのって好みが出るから、それならネタを作る石田の好みを色濃く出すほうがええやろうと思って任せてます。僕的にはタイトルもセットもなし、というのが好み。以前、フットボールアワー(岩尾望、後藤輝基)さんがそういう単独ライブをしてて、「何もないの、カッコええな〜」と思ったんですよね。
石田 以前は音楽や映像、コーナーの内容も井上が決めてたんですよ。僕としては、いまの負担がデカいから、そうしてもらえたらありがたいんですけどね。
井上 僕の好みが変わったのと、ライブにかかる予算的なこともよくわからんから、詳しい石田に任せたほうがいいかなと思って。
石田 たしかに、セットとか何もなくても成立するサイズの小屋もあるよな。でも、いまや僕らが単独ライブを開催する小屋の規模はけっこう大きいですからね。何もなしでは難しいというだけで、規模が小さければ、僕も演出とか何もいらないと思いますけどね。
新幹線グリーン車の秘密
【③ギャラなどの待遇の交渉ごとは?】
石田0:井上100
井上 オレが言ったのがきっかけで新幹線の座席がグリーン車に変わったんやったら、オレになりますね。M-1優勝して半年くらいたったころかな。新幹線の車内で高校生に囲まれたことがあったんですよ。それでほかのお客さんに迷惑をかけてしまったから、「グリーン車にしてくれ」と言いました。
ほかにも、仲のいい社員を「ちょっと相談したいことがあるんです」ってゴハンに誘って、そのときに「ギャラ上げてもらえませんか?」と持ちかけたり。
石田 そういえば、前にいろんな劇場の支配人から連絡が来たで。「(井上が)めちゃくちゃギャラ交渉してくるねんけど」って(笑)。
井上 もちろん、ちゃんと理由を説明して「上げてください」って言いますよ。もしそれで上がってるなら、交渉ごとに関してはやっぱりオレが100かもしれないですね。
【④出演するテレビ番組でのアイデア出しや仕切りは?】
石田50:井上50
井上 基本的には仕事を受けてやらせていただく立場なので。番組によりますが、漫才番組だと石田がやってくれるだろうし、それ以外の番組ではオレが言うこともあるし。
石田 僕は井上に「どのネタがいいと思う?」っていうのは聞きますよ。井上は客ウケ目線でちゃんと見てるから、視聴者に近い判断ができるんです。
井上 トークバラエティとかロケ番組は、その場その場でやってるよな。
石田 なかにはロケ前に事前打ち合わせをされる芸人さんもいますけど、うちらはそういうことはしない。
井上 一応、僕が事前にディレクターからロケの流れだけは聞いてます。そのうえで「この場面でフリを入れておいたほうがいいかな」とか、「ここで盛り上がりを作ろうかな」というのはある程度、頭に入れてますね。でないと仕切れないので。
石田 僕はロケの内容を何も知らないままやってますね。
飲み会は井上がマメに出席
【⑤MCの仕事が来たときはどちらが?】
石田0:井上100
※指定されていない場合
石田 落語や演劇の番組だと、僕がある程度、知識があるから僕がMC側に回るんですけれども、僕がやるのはそれくらいですかね。
僕、基本的にはMCは向いてないと思うんです。MCって、話の途中でもスパッと切る冷酷さを持ち合わせてないとダメだと思うんですが、それができない。話はできるだけ聞きたいし、まとめ方がわからん。なので、なるべく井上にやってもらいたいなと思ってます。
井上 「自由にやってください」と言われたらオレがやりますけれど、これも番組によりけりかなぁ。
石田 僕、『おかべろ』(フジテレビ系)でMCをやってますけど、おそらく僕の性格上、楽屋とかでガツガツしてないことや、適度な距離を保てる、というのが(ナインティナインの)岡村(隆史)さんに刺さっただけやと思ってます(笑)。
【⑥番宣コメントなどの告知は?】
石田0:井上100
石田 だいたい言う文言は決まってて、カンペを読むのは井上です。カンペに「石田」と書いてても、井上に読んでもらってます。
井上 決まりごととか、説明事項は基本的にぜんぶオレが担当してますね。こういうシーンではツッコミのほうが仕切るコンビは多いんじゃないですかね。とくにダウンタウンさんに憧れてるコンビはだいたいそうなっていると思います。
石田 でも僕らより下の世代はみんな、(セリフを)割って読んでるよな。
【⑦先輩、後輩芸人との付き合いの比率は?】
若手のころ 石田1:井上99
現在 石田50:井上50
井上 若いころはオレのほうが多かったですよ。打ち上げや先輩方との飲み会で、コンビのどっちかが行かなあかんってときは、オレが顔を出すようにしてました。
石田 若いころは先輩たちと飲むのがしんどかったです。「わざわざ自信をなくしに行きたくない」という理由で。おもしろい先輩方を前に、自分のおもしろくなさを痛感するんで……。
僕の「1」というのは、先輩の(ブラックマヨネーズの)吉田(敬)さんとは唯一、飲みに行ってたからです。
井上 とくに東京に出てきた直後は毎日のように行ったなぁ。知り合いが誰一人いない会でも、とりあえず顔を出してました。
石田 当時、井上がマメに行ってくれてたのはすごく助かりました。このキャリアになるとそういうのもなくなって、ふつうに先輩方と飲みに行くようになりました。
いまはむしろ、ピリッとする先輩方にじっくり飲みに連れて行ってもらえる機会が増えてます。最近だと、「キム兄(木村祐一)と2人でワインを酌み交わす会」「東野幸治さんに漫才を語らされる会」とか。そういう時間を作ってもらえるようになったのはうれしいです。
井上 オレは、最近は芸人より裏方さんと飲むことのほうが増えましたね。若いディレクターとか。「この先、偉くなったら使ってくれよ」じゃないけども(笑)。
“女子高生人気担当”が流行についていけず…
――ここまでコンビバランスについていろいろ聞きましたが、まだ明かされていないお互いの役割などありますか?
井上 立ち位置を考えたらしゃあないところがあるんですけど、全国ネット番組で“痛い”とか体張る系の企画は、たぶんオレがやってる気がしますね。石田がやってくれたらいいのにな〜と思うけど……。
石田 僕、ぜんぜんやりたいんですけどね。ほんまにやりたいですよ。でも全国ネット番組では井上がボケと思われてるんですよね。
井上 キャラクターのイメージもあるんでしょうね。
石田 じつは僕、痛いのが好きなんですよ。基本的には「痛くなりたい」と思ってます。「痛み」を求めてます。なので(井上と)代わってあげたいくらいです。だけど、いかんせん僕が求められていない。それに、痛みを感じたら恍惚とした表情をしてしまう可能性もあります(笑)。
井上 食べるロケでも石田のほうがたくさん食いますしね。大食いロケも石田のほうがずっと食いますよ。反対にオレはあまり食わない。
石田 食べることが大好きなんですよ。
————石田さんが大食漢とは意外です。では反対に、石田さんが思う井上さんの知られざる役割は?
石田 井上はブログも早かったし、Twitter、Facebook、InstagramにClubhouseという、いわゆる流行のSNSを取り入れるのが早くて、始めるのも早い。そこはずっと引っ張ってくれてますね。ところが、TikTokあたりから急にブレーキがかかってしまって……。「あ、ちゃんとオジサンになってるんやな」と思いました(笑)。
井上 40歳を過ぎてから、急にめんどくさくなりましたね〜(笑)。
石田 僕からすると、「いやいや、お前はSNS担当やろ?」と。いまの若い子たちがやってるSNSはぜんぶやっておいてもらわんと。『今日好き(今日、好きになりました)』(ABEMA)の見届け人もやってるし、僕はNON STYLEの女子高生人気担当は井上やと思ってるから。
井上 うーん、そうやな。がんばります!
全国ツアー概要
NON STYLE LIVE 2022~所縁~
出演:NON STYLE
公演スケジュール
【宮崎公演】
日程:2022年11月5日(土)開場13:00 開演14:00
会場:都城市総合文化ホール Pコード:514-487/Lコード:85451
主催:吉本興業/都城市文化振興財団・MAST共同事業体
【東京公演】
日程:2022年11月18日(金)開場18:00 開演19:00
会場:東京国際フォーラム ホールC Pコード:514-499/Lコード:33772
【広島公演】
日程:2022年11月19日(土)開場18:00 開演19:00
会場:広島国際会議場フェニックスホール
主催:中国放送
【青森公演】
日程:2022年11月22日(火)開場18:00 開演19:00
会場:リンクモア平安閣市民ホール Pコード:514-514/Lコード:22406
【京都公演】
日程:2022年11月26日(土)開場16:00 開演17:00
会場:ロームシアター京都サウスホール Pコード:514-506/Lコード:54269
【大阪公演】
日程:2022年12月4日(日)開場16:00 開演17:00
会場:梅田芸術劇場 メインホール Pコード:514-507/Lコード:54293
チケット販売スケジュール
◆チケットぴあ・ローソンチケット先行
8/27(土)11:00~8/29(月)11:00
当落発表 8/30(火)18:00
◆一般発売:9/3(土)10:00~
チケット取り扱い:FANYチケット(コードなし)、チケットぴあ(Pコード)、ローチケ(Lコード)
・宮﨑公演のみ
都城市総合文化ホール
【窓口販売】10:00~19:00(水曜を除く)
【電話予約】専用番号0986-23-7190(水曜を除く10:00~19:00)
【インターネット予約】ホールホームページにアクセス(24時間受付)
◆チケット料金
チケット全席指定 前売4,500円 当日5,000円 /お子さま優先エリア 4,500円
※5歳以上は有料。4歳以下はひざ上のみ無料、但し、お席が必要な場合は有料。
※[お子さま優先エリア]は主に未就学児のお子さまと保護者の方がご利用しやすいようにロビー出入りがしやすいエリアを設定しております。
4歳以下のお子さまでお膝上をご利用の場合は無料。お席が必要な場合は有料となります。
5歳以上のお客様もご利用可能ですがご理解の上、お買い求めいただけます様よろしくお願いいたします。
※宮﨑公演は託児サービスがございますため「お子さま優先エリア」はございません。
主催:吉本興業 企画・制作:吉本興業