どーも! 芸人ライターのブロードキャスト!!・吉村憲二です! せんきゅっそ!
メトロンズの第2回公演『ミスタースポットライト』が、10月6日(水)から10日(日)まで東京・赤坂RED/THEATERで開催されます。メトロンズとは、しずる、ライス、サルゴリラの芸人3組に、作家・演出家の中村元樹を加えた7人組ユニット。実力派コント師たちによる“本気の芝居”とは、いったいどんなものなのか――本番に向けて自信を見せる彼らに直撃しました!
「全6人」のうち1人は泣ける!?
2019年8月に結成し、新型コロナの影響で延期になっていた第1回公演『副担任会議』を今年4月に開催して大好評だったメトロンズ。いま目の前に、しずる(池田一真、村上純)、ライス(田所仁、関町知弘)、サルゴリラ(児玉智洋、赤羽健壱)の6人がいます。
芸人である僕から見ても最強メンバー。キングオブコントのチャンピオンがいて、常連組がいて、何でもないのがいて……。その3組が90分1シチュエーションの演劇公演をする。もう面白いことは確定です。
でも、そんな僕の印象を飛び越えた、もっともっと大きいものを見ている6人がそこにいました。公演の内容はまだ秘密ということですが、まずは、できる範囲で今回がどんな話なのか聞いてみると――。
赤羽「前回を見た人は、ぜったい違った印象を持ってくれる」
村上「シチュエーションから何から全体の雰囲気がまったく違う。トーンとか」
児玉「同じようなのを求めないで下さい」
あれ、児玉だけちょっと怒ってます? とりあえず、わかったことは前回の『副担任会議』とはまったく別物ということ。そして今回の脚本も担当している池田は、「今回のお話は初めての人ももちろん楽しめるし、うん……(前回を)見た方も楽しめるから……次はちゃんと見てほしい」と言います。
なんとなく、前回があまりちゃんとできなかったかのような言いまわしですが、横のスタッフさんが「いまYouTubeで前回の作品が視聴できますので、それを観て今回もちゃんと観てほしいということです」とフォロー。ああ、そういうことですか。(『副担任会議』の動画はこちらから)
で、結局、どんなお話なのか――。
池田「いや、むずいな! うーん……ある業種の方に観てほしいかな……いや違うか」
ものすごく言葉を選びながら話す池田に、村上が「いまのご時世をちょっと象徴している気がします。それぞれ受け取り方も違うっていうか」と補足。
ところが、池田は「そう思って書いてないんですよ。あるシーンで村上が『ここ泣きそうになるんだよな』って言うんですけど、みんなわかんないって……」。おや、意見がバラバラ?
田所「そんなシーンじゃない。(“泣ける”というのは)ひとっつもわからない。僕はカッコいいと思う」
結局、村上以外の全員が田所の意見に賛同。「いまのところ、カッコいい5の泣ける1なんです」と言います。それでも村上は「6人に1人は泣けるっていう。5人は面白くてカッコいい。人によって違う、喜怒哀楽ぜんぶ入ってる。全6人に1人は泣く」と力説しています。
なにを言ってるんだろう? 「全6人」ってなんだよ。「全米」みたいに言ってるけど。ちなみに「全6人ってV6だったら誰?」というメンバーのイジリに対する、村上の答えは「いのっち」でした。
実際に舞台を観れば「あのシーンだ!」とわかるそうなので、めちゃくちゃ気になるそのシーンを探しながら観ると、さらに面白いのでは!?
新ジャンル「劇道」ってなんだ!?
インタビューで、しきりに6人が強調していたのが「やるからには新しい、コントとかじゃなく、演劇でもなく、メトロンズでしかできないことをやる」ということ。
芸人仲間にファンも多い6人ですが、池田は自信を持って「コンビではできないことをやっている。ふだん見られない姿もメトロンズで見れる」と熱く語ります。
ということは、お笑いじゃないってこと……? そう聞くと、村上は「いや、お笑いです。でも、相席スタート・山添(寛)がメトロンズの『MILLION $ TICKET』(プレ公演作品で、YouTubeで視聴可能)をめちゃくちゃ褒めてくれて。これは『劇道(ゲキミチ)』です、と」。赤羽も「コントでもお芝居でもない新しいジャンル『劇道』です」と言います。
このメンバーなんだから面白いものに決まってる――そんなレベルを超えた“新しいこと”、それが「劇道」だと言うメトロンズに、感動とともにワクワクが止まらなくて、早く新作の『ミスタースポットライト』が観たくなりました。
「1枚の絵」が持つ破壊力
そもそもこの新作を彼らはどう作り上げてきたのか?
脚本の池田に聞くと、「作ってきた台本とぜんぜん変わってきちゃってて、全員で作ってる」と話してくれました。児玉が続けて説明します。
「みんなでまずプリントで設定を持ち寄ったんですが、そしたら関ちゃんだけある写真を持ってきて……それが通っちゃったんです。絵力が凄かった!」
1枚で設定が決まるほどの絵の写真? どんな写真だ? めちゃくちゃ気になる。池田は畳みかけるように言います。
「僕はプリントした設定を52枚提出して、1枚の写真に負けた」
そこにいる芸人は全員爆笑。その“負け顔”が最高に面白い。芸人として最高ではないか。関町がボソッと付け加えます。
「ネットから落としただけです」
面白過ぎる。しかし、芸人の世界ではよくあることで、たくさん考えて大量に書いたものよりも、降りてきたひらめきで1枚ドン!のほうが、よかったりするときがあります。まさに、それが生まれた瞬間のようです。メンバーが口々に「チョイスのセンスが良かった」「広がった、こんな感じで舞台やりたい」と言っていたそんな設定、見てみたいと思いませんか?
「その意味が、会場に来てパっと見たときにわかると思う。写真1枚から始まったって」
こう池田が言う意味を、その目で確かめに行って下さい。
見たことない世界を味わいたい方々へ
誰しも見たことない世界を味わいたいですよね? こんなスゴいものに出会った、こんな感覚初めてだ、ヤバ過ぎる!って。
今回、6人の話からわかったことは、公演の内容はまだ詳しく言えないけれど、前回の作品とコンセプトはガラッと変わっていて6人に1人くらいは泣ける(?)ような設定になっています――ということでした。
だけどインタビューが終わって、僕が感じたこと。それは、いつもの6人を知っているだけに、“気合いの入り方が違う”という言葉すら安っぽく感じちゃうほどの、なにか新しいものを生み出そうとしている姿でした。もうそこには、芸人ではないただの男6人が届ける、未知の新しいエンターテインメントがあるんだろうなと確信しました。絶対に見たい。
どこにもないお笑いなんだけど、それは目的の一部であるそんな新しいものを皆さん、観に行ってみてはいかがでしょうか?
最後にお客さまに向けて、リーダーの児玉から一言。「満席!」。
近い未来にそうなる舞台です。みんなで満席だ!
公演概要
メトロンズ第2回公演『ミスタースポットライト』
出演:赤羽健壱、池田一真、児玉智洋、関町知弘、田所仁、村上純
脚本:池田一真
演出:中村元樹
公演日程:
10月6日(水) 開演18:00(配信あり)
10月7日(木) 開演18:00
10月8日(金) 開演18:00
10月9日(土) 開演12:00/開演16:00
10月10日(日) 開演12:00/開演16:00(配信あり)
チケット:前売り・当日 5,000円 配信・初日 1,000円(GoTo割引 800円)、千穐楽 2,500円(GoTo割引 2,000円)
※オンライン見逃し視聴は10月17日(土)16:00まで(チケット販売は同日14:00まで)
場所:赤坂RED /THEATER
企画・制作・主催:吉本興業株式会社