いまをときめく芸人たち……周囲から一目置かれる存在になった彼らにも、かつて「こんなふうになりたい!」という憧れの存在があったはず。そんな売れっ子たちに、芸人を志したきっかけや憧れた芸人、そして芸人になるまでの道のりなどを語ってもらうインタビューシリーズ『あなたは誰に憧れ芸人に?』。今回は、大阪人に親しみのある正統派のしゃべくりながら、シュールな見た目とその独特の笑いで子どもや若い女性のハートを鷲づかみ。そんな怪しさが全国区で熱く注目されている金属バット(小林圭輔、友保隼平)の登場です!
憧れの芸人は「特にないっすね」
――そもそも誰に憧れて芸人になろうと思ったんですか?
友保 わし、特にないっすね。
小林 新喜劇の安尾(信乃助)さんなんすけど。
友保 ほんま、好きやからな。全然タイプちゃうけど。
小林 本人は信じてくれないんすけど。ウソつけって、よう言われて。子どものころから憧れてますね。
――お笑い芸人を志すきっかけになったテレビ番組とかは?
小林 うーん、新喜劇ですね。安尾さんを新喜劇以外で見たことがないです。
友保 お前、あんなドタバタせえへんやん。全然ちゃうやん、芸風。まあ憧れは自由やもんな。
小林 お笑いを知ったきっかけは新喜劇ですね。
友保 ぼくは、映画『ホット・ショット』のチャーリー・シーンですね。チャーリー・シーン、面白いですよ、カッコいいですよ。犬のチワワのネタがたまんないっすよ。
あと、『生きもの地球紀行』(NHK)も影響受けましたね。ゆっくり喋るというのを学びましたね。もともとゆっくりやったんですけど、もひとつパワーアップしてゆっくり喋るようになりましたね。大自然を意識しています。
高校時代から金属ネタで漫才を
――おふたりは高校の同級生だそうですが、当時からお笑いの話はしていたんですか?
友保 そうなんですよー。
小林 高校のころは学問の話しかしてませんね。
友保 学問については主に鉄、素材、メッキだ、銀だ、なんだーですね。工業高校だったんで。高校のころから金属ネタで漫才をやってました。金属漫才してました。
小林 金属漫才師です。
友保 コンビ名も「工業ズ」と「金属ズ」でずっと迷っててんな。
小林 うん。
――そこからNSC(吉本総合芸能学院)大阪校29期に入学した動機や、お笑いの世界に飛び込んだ理由を教えてください。
友保 高校のころから漫才のネタをして学費を稼いでました。バイト感覚ではなく、生きるために漫才をしていましたね。
小林 学費の返済があったんで。
友保 でもダマされたな、まさかNSCがおカネかかるとはな、バビッたな。
小林 うん。
――どんな経緯で、いまの芸風にたどりついたんですか?
友保 ぼく奥歯に銀歯があるんで、あまり口を開くと銀歯が見えて恥ずかしいんで、こんな感じで、テンション上げずに気をつけて喋ってますね。
小林 ぼくは自然にやっていますよ。音楽に近いっすかね。
友保 めっちゃダサいやん。
小林 ネタが降ってくるというか。
友保 きっしょ!
小林 朝起きてモーニング食べてるときとかに、ネタが降ってくる。それに合わせている感じですかね。ぼくが作っているというより、自然が作っている。降ってくる。星が作ってくれているんですね。
友保 確かに、星が作ってる感はあるな。オレも思うわ、それ。オレら、キキララやな。
――芸人としての満足度はどのくらいですか?
友保 単位はケルビンでいいですか? 熱の光のパワーで。それなら6,000,000,000,000万(6兆万)ケルビンです。
小林 ぼくは0(ゼロ)スターですわ。
友保 なに? 0スターって?
小林 まだ星が認めてくれてないってことですね。
友保 星0個?
小林 まだまだ満足してないですねー。
キング・カズとスマートボールで踊りたい
――憧れの芸人と共演などで会う機会はありましたか?
友保 会えてないっすねー。
小林 会えてないですねー。
友保 ブルース・ウィリスに会いたいですね。好きなんですよ。
小林 それは会いたいなー。
友保 それとシュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)も。
小林 会いたいなー。キング・カズ(元サッカー日本代表の三浦知良)にも会いたいですね。
――もし、憧れの芸人と食事や飲みに行けたら、どんな店でどんな話がしたいですか?
友保 シュワちゃんと荒野のガソリンスタンドに行きたいっすねー。ハーレーにガソリン入れてるところ見たいですね。上着脱ぎはって、絶対カッコええよな。言葉わからんからじっと見て、イエー、オッケー、ナイス、グーッド、サンキューって相槌を打ってますね。
小林 キング・カズの、サッカー以外の球技が見たいですね。ボーリングとか新世界のスマートボールとか。話すことより、スマートボール決めるたびに一緒に踊りたいですね。
――芸人になってから共演したり、近くで見て、憧れたり影響を受けた人はいますか?
友保 先輩に、なにわプラッチックの三輪(善行)さんという東京松竹(松竹芸能)の人がいるんですけど、めちゃ酒飲むんですよ。めちゃくちゃ酒飲んで、途中で寝るんですよ。で、ぱっと途中で起きてすぐビール飲む。あれ、ちょっと勉強になりましたね。お酒の飲み方にではなく、「あきらめない」ことに。ふつう寝たら終わりやねんけど、全然飲みはるもんな。
小林 コミュニケーションズさんっていう先輩がおって、その片方がキング・カズさんのモノマネをしているキングカズヤさんていうんですけど、ひとつ見たネタで、キングカズヤさんのマフラーが長いんですよ。誰かにマフラーを踏まれているネタなんですけど、あれに影響を受けましたね。
友保 それなら髪の毛伸ばせよ、ほんま。
――芸人として活躍するようになったいま、憧れの芸人にどの程度、近づけていると思いますか?
友保 うーん、難しいもんでね、全然シュワちゃんになれてないですねー。グラサンもかけてないしね。チャーリー・シーンに近づいていること……。ああ、ぼく、めちゃくちゃエッチするんで、その辺は近づいてますね(笑)。めちゃくちゃオンナ抱いてます、はい。
小林 安尾さんには近づけないですね。あの人、吹っ飛ばされて、舞台袖まで転がって、端っこから出てくるボケがあるんですけど、あれがオモロすぎて。あんだけ転げられたら近づけないです。
友保 どういうこと?
小林 物理的に。
友保 え?
小林 え?
書籍概要
大阪芸人生活
出演者:カベポスター/金属バット/コウテイ/Dr.ハインリッヒ/マユリカ (50音順)
発売日:8月9日(火)より全国書店にて順次発売
定価:1,400円(税抜)
ISBN:978-4-8463-1468-2
仕様:A5判カバー装160ページ(オールカラー)
発売:株式会社鹿砦社
ライブ概要
金属バットの真夏のスマイルフェスティバル
日時: 8月11日(木)開場18:15 開演19:00 終演20:30
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
料金:入場:3,000円(前売・当日共に)配信:2,000円
出演者: 金属バット、さんさんず、ぶるぼん、シーチキン佐野、POØPY藤原、ネスコ、ハギノリザードマン(サンミュージック) 、風穴あけるズ(松竹芸能)
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