兵庫県養父(やぶ)市と吉本興業がタッグを組み、開発を進めていた地域創生型のメタバース事業『バーチャルやぶ』のオープニングセレモニーが、6月27日(月)にオンラインで開催されました。仮想空間上の“養父市”で開かれたセレモニーには、同市の広瀬栄市長らがアバターで登場。その様子をとろサーモン・村田秀亮、野性爆弾(くっきー!、ロッシー)、銀シャリ・鰻和弘が、スタジオから実況配信しました。
人口2万2000人、兵庫県北部に位置する養父市。同市の観光名所などが仮想空間上に広がる「バーチャルやぶ」では、かつて日本一の錫(すず)鉱山として栄えた明延鉱山の坑道跡を見学したり、吉本興業所属のタレントとコラボした採掘ゲームを楽しんだりできるほか、この鉱山で運行されていた「一円電車」に乗って名所をめぐったり、あるいは、市役所を訪れてデジタル住民票を交付してもらうこともできます。
バーチャルで「100万人都市」目指したい
この日のオープニングセレモニーは、仮想空間上の「バーチャルやぶ」で開催。出演者はすべてアバターで登場しました。司会を務めるガリガリガリクソンも、かわいらしい制服を着た女の子のアバターで登場しているため、ガリクソン感はゼロ。その女の子の姿で、「最近、ぜんぜん姿を見ないとか言われてますけど、現実とかオワコンですから!」とひとり気を吐き、笑わせます。
アバターで登場した広瀬市長は、こうした市の新しい試みについて意気込みを語りました。
「メタバースには無限の可能性があると思います。世界中どこからでも来ていただけるので、いろんな国の方々に来てもらって、養父市の自然や観光名所を楽しみ、市民とも交流してもらいたい。そして、ゆくゆくは現実世界でも体験しに来ていただければ。バーチャルでは100万人都市を目指しています」
セレモニーには、仮想空間上に一円電車や養父市市役所ワールドを制作したクリエイターの「あおみ」さんや、明延鉱山を制作した「VR蕎麦屋タナベ」さんらもアバターで登場し、全員でバーチャル鏡開き! すると、鏡開きの樽の中から大量の「鹿」が飛び出る演出が⁉。これを見て、市長が「養父市は鹿が多いんですよ」とポツリとつぶやく、そんな遊び心にあふれたオープニングセレモニーとなりました。
くっきー!「バーチャルやぶで生きていけそう」
スタジオでは、最初は「メタバースって何? おいしいスイーツなん?」などと言っていたくっきー!も、セレモニーが終わるころには「もっと町を見てみたいなぁ」と興味津々の様子。それならばと、実際にVRゴーグルを付けて「一円電車」を体験することになりました。
日本の滝100選にも選定されている「天滝」や養父市市役所、キレイな青空などを体験して、空に向かってピースするくっきー!。慣れないVR操作に若干、酔いそうになりながらも、存分に「バーチャルやぶ」を楽しみます。
「異空間やった。操作に慣れたらもっと面白そう。この世界が気に入ったら、ずっといたくなりそうやなぁ」
VR体験を終えて、改めて「リアルさがすごいなって思いました。どこ見てもリアル。あれで匂いとか風が当たる感じなんかがあったら、もう生きるのは、あそこでええなと思いました」と、すっかり気に入った様子のくっきー!。今後、「バーチャルやぶ」でやってみたいことを聞かれると、こんなアイデアを語ります。
「きっとスナックがあると思うので、市長とデュエットしたいですね。『エキセントリック少年ボウイのテーマ』とか『オジャパメン』(ともに『ダウンタウンのごっつええ感じ』から生まれたヒット曲)とか(笑)」
一気に身近に感じられるようになったメタバースに、芸人たちの夢も広がります。とろサーモン・村田がやってみたいことは「乗り物に乗って走ってみたいですね、バイクとか車とか」とのこと。さらにロッシーから、「キャンプとかもできるんちゃう?『村田のキャンプ場』とか作ってくれたら行くよ!」と提案されると、「キャンプいいですね。VRキャンプやってみたい!」と目を輝かせていました。
くっきー!も「リアルじゃできないような理想の家とか作ってみたいですね。ベッカム宮殿みたいな超絶デカい家」と夢を膨らませると、銀シャリ・鰻は「メタバース内って寿命とかないですもんね? 子どもをいっぱい産んで、鰻村を作りたい」と意外な“野望”を披露。みんなから一斉に「子ども育てんの大変やで!?」とツッコまれます。
最終的に鰻が「レジェンド芸人がアバターで復活するとか、そんなんできたら夢のある世界ですよね。やすきよ師匠とか」と口にすると、ほかの芸人たちも「それはすごいなぁ」「見られなかった人も、漫才見られるなぁ」と心から賛同していました。
『バーチャルやぶ』の詳細は養父市公式サイトから。
オープニングセレモニーのYouTube配信はこちらから。