麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』。今回は、次回放送の「表紙-1グランプリ 視聴者大会」を、放送に先駆けて紹介していきます。
一人から大勢になった『銀魂』1巻・77巻
川島 前回に引き続き、山内くんがお休みなので、和牛・水田くんに来ていただきました。今回のテーマはこちら、「第2回 マンガ表紙−1グランプリ 視聴者大会」!
水田 表紙-1グランプリ?
川島 マンガの表紙だけに注目して、我々が大好きなオススメマンガをたくさん紹介する「マンガ表紙-1グランプリ」という企画を一度やったんです。ご覧になったことあります?
水田 あるんですけど、なぜ表紙に注目したんでしたっけ?
川島 この番組、とにかく予算がないんです。さらに、これは僕は知らなかったんですけど、番組内でマンガのコマを見せると、(権利元への許諾で)お金が発生するらしい。ただ、表紙だけは無料で使える。そこで川島がトンチを使ったわけですよ(笑)。「じゃあこの表紙がすごいという企画をやりましょう!」というのを川島と山内でプレゼンして、実現したのが「表紙-1グランプリ」なんです。前回のオンエア後、すごい反響があって、視聴者からもたくさん応募が来たんですよ。応募総数なんと337通。
水田 …………うーん(苦笑)。
川島 何が「うーん」やねん(笑)。ド深夜の番組にしては来た方や! タイトルだけじゃなく、プレゼンまで送ってくれるわけですから。で、その応募なんですけど、ほとんど作品がかぶってないんですって。今回はそんなたくさん応募いただいた中から、スタッフが厳選した視聴者のみなさんのおすすめ表紙を紹介します。さて、応募数が最も多かった第1位がこちら、『銀魂』で4票。
水田 1位が4票!?
川島 同率首位が『宝石の国』4票。300通以上応募が来て、1位が4票って、めっちゃ票が割れたということですよね。これだけかぶってない中で4票かぶるというのは、逆にすごいですよ。で、第1位の『銀魂』ですが、1巻と77巻、セットでの応募になっています。
水田 1巻と77巻、表紙の構図が似てますね。
川島 推薦コメントを読みますね。「1巻では銀さん1人なのに、最終巻の77巻ではたくさんの登場人物が集まっていて、守るもの、背負うものがいっぱいあるのに、銀さんはそれが邪魔だとは一切思っていない笑顔。みんなは笑顔なのに、マダオだけ真顔なところもさすが」。
水田 僕、まだ読んでなかったんですけど、このコメント読んで読みたくなりました。このデザインのこと、1巻の時点でどこまで考えてたんですかね?
川島 確かに、1巻の時点で目線が別のものを見ているような感じもするし。1巻表紙の伏線回収を77巻でやったということなのかな。さて次の作品、僕は知らなかったんですけども、同率1位を獲得したのが『宝石の国』の11巻、その特装版です。推薦コメントはこちら。「特殊印刷のホログラム加工を施した、まさに宝石のようなキラキラと輝くアートな世界観に期待が高まるから」。これは現物を見ないとわかりませんね。(現物を見て)ちょっとラメ感がありますね。
水田 表紙のデザインがマンガっぽくなくて、小説みたいですよね。これ、あらすじも変わった話なんですよ。「粉々になっても再生する不死の体を持つ宝石28人と、彼らを装飾品にしようとする『月人』との戦いを描いたアクションバトルファンタジー」、だいぶ特殊な設定ですよね。特殊な設定で『このマンガがすごい!』で10位に入るのもすごいですけど(2014年のオトコ編で第10位)。
川島 このキラキラした宝石感、これは大変な作業だと思います。これは電子書籍ではちょっと味わえない良さですね。同じ1位の『銀魂』はかなり知名度がある作品ですけど、それと同じく4票入るということは、『宝石の国』は相当な作品だということなんでしょうね。
漫F画太郎にしかできないボケ『罪と罰』
川島 ここからはランキングではなく、テーマ別にいろんな面白い表紙を紹介していきます。最初のテーマは「思わずジャケ買いインパクト表紙」。
水田 表紙のインパクトで買うことって、普段はなかなかないですよね。
川島 前回は山内くんが『ガンニバル』をインパクト表紙として紹介してくれました。今回もインパクトある表紙を紹介したいと思います。まずはこちら、『罪と罰』。推薦コメントは「マンガ史上類を見ない、表紙イラストを作者以外のマンガ家に描かせると言う渾身のボケ」。えっ、このマンガ、『珍遊記』の漫☆画太郎先生が描いてるの?(今作は「漫F画太郎」名義)
水田 「ロシアの文豪ドストエフスキーの『罪と罰』を題材としながら、独自の世界観と価値観を再構築した、文学とマンガの新たな融合を目指す究極の挑戦作」だそうです。
川島 で、これが1巻なんや。
水田 ちなみにこの1巻の表紙を描いたのは、イラストレーターのEnomotoさんだそうです。3巻は『グラップラー刃牙』シリーズで大人気の板垣恵介先生。
川島 板垣先生も描いてるんだ! すごいなあ。それでいて中身は画太郎先生という。これは先生にしかできないボケですよね。他の人は真似も出来ないし、まず頼めないと思うんです。で、最後の4巻がこれ。
川島 ふざけてるなー(笑)。でもこれは買っちゃうなあ。で、買って中身読んだら、「うわ最悪、カバー入れ替えられてるやん!」って思う(笑)。
タイトルよりも巨大なセリフ『惡の華』
川島 続いてのインパクト表紙はこちら、『惡の華』1巻。
水田 あらすじは「ボードレールを愛する文学少年・春日高男はある日、クラスのマドンナ・佐伯奈々子の体操着を盗んだところを問題児の仲村佐和に目撃された。バラされたくない春日に彼女が求めた契約とは? 背徳的な純愛ストーリー」という内容です。僕は全巻持ってます。
川島 推薦コメントはこちら。「押見修造先生の作品は全部素敵で大好きですが、この表紙は最高です。表紙にフキダシが付いているのも面白いですが、セリフがまた最高です」。その表紙がこちら。
水田 「クソムシが」。
川島 で、このフキダシは2巻と3巻でも続くんですね。2巻が「変態なんかじゃ…ない」、3巻が「私じゃ…ダメ?」
水田 4巻からは全然違うテイストの表紙になるんですよね。
川島 今までもセリフを書いた表紙はあったと思うけど、こんなにでかく出してくるのは、ありそうでなかったですよね。表紙でいきなり印象的なセリフを出してくるというのは、番組的にいうとアバン(オープニング前に挿入される部分)みたいな感じがします。
『宇宙兄弟』39巻から新たな番組企画が誕生?
川島 続いてのインパクト表紙はこちらです、『宇宙兄弟』39巻。推薦コメントは「読んだ後に帯を取ると、めちゃくちゃテンションが上がる」。
水田 えー、電子書籍しか知らなかった!
川島 さあ、これは一体どういうことなのか? この番組の人気コーナー・4コママンガ王で審査員を務めておられる佐渡島さんが、『宇宙兄弟』小山先生のエージェントされているということで、スタッフが聞いてみました。それがこちら。
「読者目線の遊び心、雑誌連載では味わえない単行本ならではの楽しみを作りたいと小山さんは常に考えていて、アイディアを思いついたら担当編集者に相談しています。39巻の中で『宇宙飛行士は打ち上げ場で靴を脱ぐ』というゲン担ぎが描かれています。39巻を読み終えた人が表紙を見直したとき、靴を履いていない方がよいのでは……と思うはず。そこで何かの拍子に帯を外したら、表紙の裸足バージョンが現れる。そういう仕掛けで驚いてくれる読者がいたらいいな、と思ったからです」
川島 オシャレ! 裸足になる理由が39巻の中に描かれているんですね。帯を使っているのが面白いなー。帯か……帯……「オビ-1グランプリ」ってよくないですか? 帯って、僕らも頼まれますけど、文字数の制限もあるし、何を書くのが正解がわからないし、けっこう考えるじゃないですか。
水田 難しいですよね。あんまり自分勝手にボケてもあかんし、でも個性は出したいし。僕、帯頼まれて最初の3案くらいボツになったことありますよ。ふざけすぎてもダメらしいです。
川島 そうそう。で、俺らの若さで「とにかく読め!」とかもダメやん(笑)。だから俺が書くと、ちょっと長くなっちゃうんですけど。でも「オビ-1」っていいんじゃないかな。
水田 「このマンガに帯を書くなら」というコーナーもできそう。
川島 めっちゃいいの言ってくれた!
水田 大喜利ならぬ「オビ喜利」。
川島 この番組、そんなんすぐやんねん! 予算がないから。「オビ喜利」、メモってメモって!
水田 そのときは水田もキャスティングしてください!
川島 勝手にやれるのがいいよね。『宇宙兄弟』や『ドラゴンボール』の1巻に書くなら……とか。お金もかからないし、権利も取らないでいい。あくまでも個人の見解ですから。ありがとうございます。
水田 可能であれば、マンガの作者さんに「オビ喜利」で1位取った作品を持っていって、「これ採用されますか?」と聞いたりとか。もしくは増刷かかったときの帯をこれにするとか。
川島 もう今日の回、「オビ喜利 エピソード0」やん(笑)。今日の「表紙−1グランプリ」はいかがでしたか?
水田 もちろん「表紙−1グランプリ」も良かったんですけど、新たな企画が生まれたということで、これは確実にまた呼ばれるなと(笑)。オビ喜利、リモートでもできるので、いろんな人にも参加してもらえると思うんですけどね。
川島 広げるじゃない(笑)? そうか、リモートでもいいし、送ってもらってもいいのか。みんなが知ってるマンガ、たとえば『あしたのジョー』の帯をやってみるとかね。
水田 マンガ家の方に、他のマンガの帯を考えてもらうとか。
川島 広げるじゃない、止まらないじゃない(笑)!? 「表紙−1グランプリ」についても第3弾をやっていこうと思いますので、ぜひ「この表紙がすごい」というものを送ってください。詳しい応募方法は、番組公式ツイッターをチェックしてみてください。
「表紙-1グランプリ 視聴者大会」の模様は、次回放送の「川島・山内のマンガ沼」にて!
(構成:前田隆弘)
マンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』は、読売テレビ:7月17日(土)深2:08〜2:38、日本テレビ:7月22日(木)深2:04~2:34の放送(※一部地域を除く)です。
おたのしみに!
番組概要
川島・山内のマンガ沼
次回放送
読売テレビ:7月17日(土)深2:08~2:38
日本テレビ:7月22日(木)深2:04~2:34
「川島・水田のおすすめマンガ」を放送。
(TVerでも配信中!)