今年で10回目となる「RUN FORWARD KANPEIみちのくマラソン2022」は、間寛平と住みます芸人らで8月24日に岩手県を出発、25日に宮城県をまわり、26日の最終日には福島県福島市の県庁前でゴールを迎えました。
10回目となる今回は、岩手、宮城、福島の町なかをランニングし、地元の人に笑顔を届けながらも、途中、車で移動し、市役所や、震災遺構の小学校などの復興施設を3日間で数多く訪問する主旨で開催されました。
岩手、宮城、福島。三日間で笑顔を届けた寛平
8月24日に、宮古市新川町のうみどり公園を出発した寛平は、「少しずつ街が良くなりうれしい」と語り、被災した旧市役所跡地に整備した同公園をスタート。この日は、5つの市と町の中心部を走り、宮古市役所、大槌町役場、釜石鵜住居復興スタジアム、大船渡市役所、陸前高田市役所を訪れました。
2日目となる、25日は宮城県内をランニング。宮城県の出発地点となった気仙沼市では、内湾地区から復興祈念公園、そして市役所までのおよそ3キロを走りました。港を見下ろす復興祈念公園では哀悼の意を込めて、海に向かって静かに手を合わせる姿も。
石巻市の震災遺構の大川小学校、門脇小学校、みやぎ東日本大震災伝承館などを訪れ、名取市のかわまちテラスでこの日はゴール。「港町の魚を焼くにおい、それに釣られてビールを飲もうという雰囲気は今は無くなって寂しいけど、どんどん町がキレイになってきたね」と感慨深く語りながらも、最後は、名取市と自前のギャグ「かい~の~」を合わせ「名取がい~の~」と市民ら約40人を巻き込んで披露し、笑顔で締めくくりました。
最終日となる、26日は福島県内を訪れ、浪江町の請戸小や、いわき市のいわき震災伝承みらい館、県環境創造センター交流棟コミュタン福島(三春町)などもなどを巡った後、県庁前で内堀雅雄知事や県職員が見守る中、ゴールテープを切りました。2012年、最初の寛平マラソンの時に福島県知事からいただいたタスキを10年使い続けた寛平。内堀知事から、「毎年、初心を忘れずに10回も走り続けてくれている思いが伝わった。」と花束を受け取りました。
まだまだこれから。“前進前心”で応援を続けます
「被災地の皆さんを、少しでも元気になってもらいたかった。居ても立っても居られなかった」という想いから、2012年に間寛平本人の希望で立ち上がった「RUN FORWARD KANPEIみちのくマラソン」。
毎年、避難所や仮設住宅で生活する方に笑顔になっていただきたいという、寛平の強い想いで続けてきましたが、仮設住宅が無くなったという状況もあり、今年で10回目となる節目で区切りをつける形となります。
2012年当時、「大変なことが起きてから1年半、忘れてはいけないことやと思いますんで、それを伝えるのと、頑張っている人を笑顔にするために行ってきます」と出発前にコメントをし、岩手県、宮城県、福島県を縦走し、440キロを9日間かけて、たったひとりで完走しました。それから毎年、みちのくマラソンは、参加する芸人たちも増え、3県を襷リレーすることで、今年の10回目まで続きました。
3日間を終えた間寛平に最後、インタビューを行い、10回続けてた「みちのくマラソン」への総括とこれからの想いを聞きました。
――「RUN FORWARD KANPEIみちのくマラソン2022」を10年間続けた感想を教えてください。
寛平:仮説住宅、避難所を巡りながら、皆さんに笑顔になってもらいたいという想いで始めました。とても大変な思いをされているのに、沿道から笑顔で手を振ってくれる姿に、思わず泣きながら走ったこともありましたね。毎年、訪問を続けることで復興が少しずつではあるが確実に進んでいることを実感ながら走ることができました。東北の皆さん、しいては日本人の力のすごさを感じましたし、知事も大変頑張っていらっしゃるんだろうなと感じました。
――10年間で変化を感じられた点があれば教えてください。
寛平:いろいろな出会いもあり、仮設住宅もたくさん訪問させてもらいました。そこで知り合ったおじいちゃん、おばあちゃんたちは、仮設住宅を出た後も元気でいて欲しいなぁと思います。津波により、大変な被害を受けた土地も、今はきれいに整備されました。ただ、きれいにはなっているけど、更地のままでそこに何もないという場所が多く、まだ寂しさが残っている。まだまだこれからだなとも思いますが、皆さまには引き続き頑張っていただきたいです。
――これからも東北を応援し続ける寛平さんから、東北の皆さんにメッセージをお願いします。
寛平:阪神大震災も、復興に20年はかかったと思います。東北もまだまだ時間が必要で、あと10~20年は頑張っていかなければならないと思います。未来の子供たちのために頑張っていかなればなりません。
今年の夏の高校野球では、東北勢の活躍にとても勇気をもらいました。
これからも、前向きな心で、「前進前心」の精神で東北の皆さんと一緒に前に進んで行けるよう、いろんな形で応援を続けたいと思います。