「壁に無数の引っかき傷が…」吉本東京本社の独居房!? 「わびさび室」のナゾに迫る!

だんだんと秋めいてきました。皆さまご機嫌いかがでしょうか? 芸人ライターのビスケッティ・岩橋淳です。

先日放送されました人気バラエティ番組「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)で、陣内智則さんが「吉本興業東京本社に、わびさび室という独居房のようなナゾの部屋がある」と語って話題になりました。信じられないかと思いますがこの部屋、本当にあるのです。今回は、そんなナゾに包まれた「わびさび室」と吉本東京本社を大特集します!

出典: FANY マガジン

謝罪会見の前に…

まずは、番組での陣内さんの証言をおさらいしておきましょう。「全て見せます!ウチの事務所大公開SP!」と題された9月9日(木)放送の回で、芸人たちが所属する芸能事務所のウラ話などを告白する流れのなかで、陣内さんがこう切り出しました。

「吉本の本社にいろんな部屋がありますけど、“わびさび室”って知ってます? これねえ、僕、1回、謝罪会見するときの前日に、その“わびさび室”に入れられたんすよ」

テロップには、「社内にひっそり佇む…怪しい『わびさび室』」の文字が。

「前日に入れられて、で、会見の数時間前も入れられたんですよ。“わびさび室”っていう暗~いとこで」

写真を見せながら説明する陣内さん。スタジオからは「うわぁ!」「怖っ!」などと恐怖の悲鳴が上がります。

陣内さんによると、畳敷きの独居房のような部屋で、壁に無数の引っかき傷がある、とのこと。いまでは打ち合わせ部屋としても使われているようですが、「なんの部屋かわかんない」と言います。ホントに、なんのための部屋なんでしょうか――。

出典: FANY マガジン

吉本東京本社は元小学校

吉本東京本社は新宿の歌舞伎町にあります。隣には花園神社、向かいには新宿ゴールデン街、という賑やかな場所です。

なんとこの本社、もとは小学校。1995年に統廃合で廃校になった旧四谷第五小学校の跡地で、しばらく新宿区の分庁舎として使われた後、2008年に吉本興業が移転したのだといいます。3階建ての元校舎は、1934年(昭和9年)に建てられた昭和モダン建築。それをそのままリフォームして使っているので、いまも会議室には黒板があるなど、当時の面影が色濃く残っています。

こちらが受付ロビーです。セキリュティは万全で、昼夜問わず警備員の方が本社を守ってくださっています。手続きが完了してパスを発行していただき、いざ入館!

出典: FANY マガジン

コンビニ、食堂、撮影スタジオ…なんでもある社内

本社の中に入ると、まず目に飛び込んでくるのが大きな中庭です。ここでは、よく芸人たちがYouTube動画の撮影やポスター撮影などで使ったりもしています。ここにあるベンチも、多くの芸人の取材や写真撮影で使われています。

出典: FANY マガジン
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そして本社内にはファミリーマートがあります。打ち合わせや会議などで小腹が空いたときにとても便利です。

出典: FANY マガジン

さらに社員食堂も。こちら、ワンコイン(500円)でボリューム満点、味も抜群で社内のスタッフや芸人にもファンが多い食堂です。

出典: FANY マガジン

廊下の奥には、撮影スタジオブースがあります。かなり本格的なPA(音響)ブースもあるので、テレビ番組の撮影で使われることがあります。

出典: FANY マガジン

そのほか、「タベレルガーデン」と呼ばれる自家栽培の農園や、銀行のATMもあります。本当に、なんでもある吉本東京本社。住もうと思ったら住めてしまうレベルの充実ぶりです。

出典: FANY マガジン

「わびさび室」にいよいよ潜入!

いよいよナゾに包まれた「わびさび室」に潜入いたします。

社員パスがないと入れない関係者専用の入り口から階段を登っていきます。ここもポスターなどで使われることが多い場所です。そう考えると、本社内はたくさんのフォトスポットがありますね。こんな感じの写真をよく目にします。

出典: FANY マガジン

そして2階から3階の階段踊り場に登場するのがこちら、「わびさび室」です。

出典: FANY マガジン

畳敷きの和室でテーブルと座布団が置いてあり、室内は電気を付けないと真っ暗。まさに「独居房」といった佇まいです。

出典: FANY マガジン

じつはこの部屋、芸人のYouTube動画などの撮影場所としてよく登場しているお部屋なのです。

という意味で、ふだんから知らずに目にする機会も多い場所なんですが、この部屋には不可解な点が沢山あります。まずは、この壁にある無数の引っかいたような傷です。

出典: FANY マガジン

どうやったら、このような傷がつくのでしょうか。おそらく、多くの芸人たちがネタ合わせなどでこの部屋を使い、煮詰まった末に苦しみながらもがいてつけたのではないかと僕は予想します。

そして、こちらの窓です。壁でふさがれているのに窓がある。まったく機能しておらず、開けても隙間風すら入ってきません。

出典: FANY マガジン

やはり、どう考えても異様な空間です。そこで、吉本の総務担当者にこの「わびさび室」のことを聞きました。その回答が、こちら。

「建物内にリラックスできるスペースを作りたいということで、ここの踊り場のデッドスペースに畳を敷きました。当初は間接照明や、達磨大師の掛け軸などが飾られていて、その雰囲気を見て、本社改築の設計を手掛けた建築家の方が『わびさびがあるね~』と言った一言でわびさび室という名前になりました」

そんな理由があったとは! おそらく全芸人が知らなかったと思います。ちなみに現在も、社員スタッフが同席していれば、いつでも使用できるとのこと。ついでに、芸人からイジられていることについてどう思うか聞いてみたところ、「ネタになっても特に問題ありません」とのことでした。

このわびさび室、じつは僕も、いままでに打ち合わせなどで何度も利用したことがあるのですが、不思議なもので妙に落ち着くのです。秘密基地みたいな雰囲気があって、僕はとても好きな部屋です。同じ感覚の人もいるのではないでしょうか?

出典: FANY マガジン

ということで、わびさび室、いかがでしたでしょうか。陣内さんが言っていたことは間違いではありませんでした。

吉本東京本社にはほかにも、「誰も入ったことがない地下の倉庫」や「開かずの金庫」など、芸人が知らない不思議な場所がたくさん存在しています。いつかまた、そのナゾを解明できればと思っています。

以上、ビスケッティ・岩橋でした。