10月15日(土)、16日(日)の日程で京都市内各所で始まった「京都国際映画祭2022」。15日、ヒューリックホール京都では、バッドボーイズ・佐田正樹の保護司体験をドキュメンタリーにした『バッドボーイズ佐田正樹“保護司になる”』の上映&トークショーが行われました。
少年時代には保護司のお世話になったことがあるという佐田。「1カ月保護司」として保護司活動の依頼を法務省から直々に受けたときには、片手間でできることではないと一旦断りました。しかし、保護司さんへ恩返ししたい気持ち、そして今後の勉強のつもりで依頼を承諾。作品内では、2022年夏に保護司として“奮闘”した佐田の姿が描かれました。
活動の見えにくい保護司の実情が映像に
上映後の舞台には佐田、そして東京・荒川区保護司会会長の鈴木文男さん、そしてオズワルド(畠中悠、伊藤俊介)が登場しました。MCの浅越ゴエ(ザ・プラン9)から「知らない世界でしたね」と声をかけられた佐田は、まず会場に詰めかけた観客に感謝を伝えます。続いて鈴木さんは最初に話を聞いたときにはびっくりしたと明かし「ほかの保護司の面接を見るということはほとんどない、佐田さんのおかげで見ることができた」と佐田に感謝。そして作品を見た感想として「素晴らしい映画を作っていただいてありがとうございます」と話すと、保護司自らがPRできないことに触れ、「これを通じて知ってほしい、やってみたいという方がいたらぜひ手を挙げてほしい」と訴えました。
今自分ができることをやりたい
オズワルドの畠中はボランティアであることを初めて知ったと驚きの表情。伊藤は作品について「すごくいいドキュメンタリーだった」と持ち上げたあと、「佐田さんの歩き方があまりにもヤンキーだった」と笑わせます。佐田は改めて保護司について「片手間ではできない」と話し、「現実を見たからこそ自分の力量ではまだだと思った」と正直な気持ちを吐露。その上で、「今は保護司をやるより、PRすることが自分にできること」と力を込め、自分のセカンドライフ、いろんなことをやりながら生きていく中でのひとつとしてはやってみたいとコメント。そして、保護司が足りない状況と聞いている、ボランティアなのでやってみたいという方、ちょっとでも誰かの力になりたいという人がいればぜひと訴えました。
佐田が「保護司と接していた当時はうそばかりついていた」と話すと、鈴木さんは「あなたのことを私が信じなければ誰が信じる、という思い」であると明かします。伊藤が「そうとう寛大じゃないと(無理)」と驚くと、「寄り添うよ、信じるよ、という気持ちで」と鈴木さん。そんな話を聞いたゴエは「佐田くんになってほしい。佐田くんならではのアプローチをしてほしい」と佐田へ保護司になることを勧めていました。
最後に佐田は「自分がもし失敗したとき誰かに寄り添ってもらえないと嫌じゃないかなと考えてもらって、人は一人では生きていけないので、なんとか皆さんで寄り添う社会になって、犯罪防止になっていけばいいなと思っている」と力説しました。
佐田が保護司!? そんなバカな!
トークショー終了後、佐田とオズワルドの囲み取材が行われました。佐田は改めて「保護司さんは学校の先生みたいに、指導して更生させていくと思っていたけど、そうじゃなくて寄り添う、友達みたいに付き合っていく、無償の愛で包んであげるんだと聞いたときにすばらしいと思った」とコメント。体験を終えての反省点は?という質問には、「反省というよりも……」と言葉を切り、「できないな、と」とポツリ。そして「相当な覚悟じゃないと、簡単じゃないぞって感じた」と正直な心境を語りました。
伊藤は佐田が保護司をすると聞いたときの印象として「そんなバカな、です」と笑わせます。そして「佐田さんは昔のやんちゃのレベルが違うので、あらゆる人の気持ちがわかるからこそオファーされるのもわかります」とも。畠中は元々ヤンキーだった人が先生になるというドラマが好きだったと明かし、「それと似ている感じがする。将来的に保護司として活動したらドラマがあるなと思った」と話しました。
10代の自分に今伝えたいことは、という質問に佐田は「保護司はボランティアなんだよ。僕は君の味方だよってところから入るかも、敵じゃないよって教えてあげる」と回答。そして、セカンドライフで保護司を考えてもいいという思いについては、66歳までは保護司を始められるので、それまでに決断しようと思っていますと答えました。
今回の作品はYouTubeの吉本興業チャンネルと法務省(MOJ)チャンネルで視聴できます。
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