野村太一郎が「狂言ワークショップ」で吉本新喜劇&すゑひろがりずと爆笑コラボ

10月15日(土)・16日(日)の2日間にわたり、京都市内各所で開催されている「京都国際映画祭2022」。15日(土)、THE GATE HOTEL京都高瀬川のRetreat Room(自疆室)では、「狂言師・野村太一郎による狂言ワークショップ」が行われました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

狂言方和泉流能楽師の野村太一郎が、日本の伝統芸能である狂言の魅力を、すゑひろがりず(南條庄助、三島達矢)、吉本新喜劇の高井俊彦、清水啓之といった現代のお笑い芸人たちとともにレクチャーするこのイベント。時には参加者も一緒になって、実際に声を出したり手を動かしたりしながら、狂言の知識や楽しみ方を学びました。

「笑い」の演技でボケまくり!?

南條が叩く鼓の音に乗って、すゑひろがりず、高井、清水が舞台に登場。さっそく参加者に向かって「狂言を見たことある人! 」と挙手を募ると、初心者と経験者の比率は半々といったところで、なぜか三島も「見たことない」と回答。すゑひろがりずは太一郎とYouTubeで共演したほか、昨年の10周年ツアーでは東京・観世能楽堂で狂言の演目『口真似』を披露したこともあるだけに、高井から「なんで見てないねん! 」とツッコミが入ります。そんな高井は「くっさめ(狂言におけるくしゃみ)とかは知ってるけど……」、清水も「どんな感じかも想像できない」と、揃って緊張の面持ちです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

そんなオープニングトークの後、いよいよ太一郎が舞台へ。「今日は、どれぐらい新喜劇や漫才と狂言に親和性があるのか見せていただきたい」と挨拶します。冒頭、初心者には難しい伝統芸能の違いなどをわかりやすく説明した上で、さっそく喜怒哀楽の表現からレクチャーしていきます。

まずは「笑い」。最初は「うー」と笑いをこらえ、その次にこらえきれず「わっはっはっ」と高らかに笑います。すゑひろがりずは、本来は一つである「うー」と「わっはっはっ」を2人で分担するなどボケまくり。一方の新喜劇チームは、清水が甲高い引き笑いになったりと、なかなか息を合わせられず悪戦苦闘。最後は参加者も一緒になって声を合わせ、全員で演じます。ほかにも「泣き」や「怒り」など、さまざまな表現を紹介しました。

新喜劇に狂言師が乱入すると…? 

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

次は“応用編”として、新喜劇、すゑひろがりずが狂言とコラボレーション。新喜劇チームは、定番シーンのうどん屋でのやりとりに、太一郎が加わったらどうなるか? という斬新な企画に挑戦します。まずは通常バージョンとして、高井が店主役、清水が客役で、うどんが出てくるのが速すぎるというボケから、清水がずっこけるまでの流れを実演。太一郎は、狂言の型を使ってこれを見事に演じ切りましたが、豪快なコケっぷりにボケ役のはずの高井が「何してんねん! 」とツッコんでしまうハプニングも発生!? 想像以上の化学反応を見せた2人に、清水とすゑひろがりずは「めちゃくちゃおもしろい! 」と手を叩いて大喜びしていました。また、太一郎が新喜劇のチンピラ役を演じる際には、「狂言には詐欺師のような“すっぱ”という役があるので、それにちなんだ出て行き方をします」と解説が。要所要所に飛び出す、こうした“狂言豆知識”にも、参加者は興味津々です。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

すゑひろがりずは、『盆山』という演目を演じることに。裕福な友人の家に盆栽を盗みに入った男の話で、見つかってしまった男が友人にからかわれ、さまざまな動物の鳴き声やしぐさをマネする羽目になるくだりを演じます。太一郎は、犬は「びょうびょう」、サルは「きゃーきゃー」など狂言での鳴き声を伝授。2人はサルをマネて、「きゃーきゃー」と鳴きながら互いを掻き合ったりと、ノリノリの大熱演で沸かせました。

最後は写真撮影タイムも設けられ、大盛り上がりのうちにイベントは終了。太一郎は参加者に、「狂言は見るのも楽しいですし、習うのも楽しい。京都では公演も多いので、実際に見てみたいなと思ったらぜひ足を運んで。これを機会に狂言に触れていただけたら」と改めてメッセージを送っていました。

関連記事

関連ライブ配信

関連ライブ