10月16日(日)、ヒューリックホール京都にて『活弁でGO!おいこが、すゑひろがりず揃い踏み&「I AM JAM」完成記念SP』が開催されました。
『活弁でGO! 』とは、プロデューサーの立川直樹氏と活動写真弁士・片岡一郎によって生まれた京都国際映画祭発祥の名物イベントで、今年もスペシャルな内容を用意。活動写真弁士と芸人がタッグを組んでの活弁上映、会場で、即興で行う活弁チャレンジなど、サイレント&クラシック映画の新たな楽しみ方を提案します。今や東京などでも20回以上開催されており、この日もたくさんのファンが詰めかけ、満席となりました。
新作活弁映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』とコラボ!
今年はタイトルそのまま、昨年の京都国際映画祭で鋭意制作進行中だと紹介していた新作活弁映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪! 』がついに完成し、11月25日から「京都みなみ会館」を皮切りに全国で順次上映がスタートするということで、そのお披露目も兼ねた内容に。
出演は、こがけん、おいでやす小田、すゑひろがりず、活動写真弁士の片岡一郎と大森くみこ、俳優で監督の辻凪子、ピアノ演奏の天宮遥。片岡弁士は「初めは(2018年に)大江能楽堂で始まった『活弁でGO! 』が、今や満席に…! 」と感無量の表情を浮かべていました。主演も務めた辻監督は「去年はまだできていなかった『I AM JAM』ですが、やっと完成しました」と笑顔で報告しました。
すゑひろがりずが即興でつくり上げた「女一休さん」とは!?
『I AM JAM ピザの惑星危機一髪! 』は、夢は世界一のコメディエンヌでありながら、毎日アルバイトに明け暮れる女の子が、嵐に巻き込まれて“ピザの惑星”にたどり着いてしまう……という奇想天外な内容。
撮影はすべて京都で行われ、辻監督いわく「SFファンタジーを京都で撮りたかった」とのこと。さらに撮影秘話も明かし、お客さんを盛り上げます。
今回は、このイベントおなじみの「京都ニュース」ではなく、新作活弁映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪! 』のワンシーンに即興でセリフを合わせる「活弁チャレンジ」を実施。まずは、すゑひろがりずが摩訶不思議のワンシーンの活弁に挑戦しました。「活弁でGO! に命を捧げてますから」と意気込むすゑひろがりずは、ストーリーに登場する女の子を「女一休さん」に見立てて南條と三島で息ピッタリの台詞回し。
見事な出来栄えに、辻監督も「これで正解です! と言いたいくらいめっちゃおもしろかったです」とご満悦。その後、実際の活弁を辻監督と大森弁氏が当てて見せると、こがけんたちも「あらすじがけっこう似ていましたね! 」と驚いていました。
一方、こがけんと小田のコンビも別のシーンで活弁にチャレンジ。活弁の前に、もはや恒例となったこがけん&ピアノ演奏の天宮氏による「歌」も披露。天宮氏が即興で弾くバラードにこがけんが甘い歌声を乗せ、お客さんの気持ちを盛り上げます。
そして活弁もこがけんが自慢の歌声でセリフを当てて、小田がツッコむという即興を。辻監督は「こうして皆さんに活弁をやってもらうと、映画にまた違う新しい物語が生まれるのを感じて、無声映画を撮ってよかったなと思いました」と笑顔で語ります。
本格的な時代劇を活弁で!
笑いだけではなく、片岡氏、大森氏の2人の活弁士による本格的な活弁も。演目は『血煙り荒神山(ちけむりこうじんやま)』。時代劇スター・大河内伝次郎が出演する本格的な時代劇で、こがは「すごい迫力……! 」と驚きの表情。小田も「活弁は、二度と同じ内容を聞けないのがいいところですね」と改めて活弁の魅力に誘い込まれたようでした。
続いては、片岡弁士ひとりによる『ノックアウト』を。1914年に公開された短編サイレント映画で、チャールズ・チャップリンがカメオ出演したことでも話題になった映画だそう。コミカルなテンポで、片岡弁士ならではのアドリブも織り交ぜ、お客さんをみるみる映画の世界に引きずり込んでいました。南條は「あんなに早くてテンポ感もあって、すごい! 」とこれまた感心。笑いあり、驚きありの、活弁バラエティーショーとなりました。