4万6000人以上の子どもに給食届ける『WFPチャリティーエッセイコンテスト2022』表彰式 特別審査員の竹下景子、おいでやすこが、ふなっしーが登壇

10月14日(金)、『WFPチャリティーエッセイコンテスト2022』表彰式が東京都内のホテルで開催されました。特別審査員として、おいでやすこがが出席し、2人が選考を担当した審査員特別賞の中学・高校生部門を表彰しました。

このイベントは、途上国の飢餓問題を考えるきっかけと、国連WFPの活動の認知向上を目的にスタートし、今年で12回目。小学4年生から大人まで、幅広い世代から「わけあおう! わたしの幸せごはん」をテーマに、エッセイ作品を募集したところ、過去最高の2万3090通の作品が寄せられました。

出典: FANY マガジン
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コンテストの特長は、応募1作品につき給食2日分にあたる60円が、寄付協力企業によって国連WFPの学校給食支援に寄付される仕組み。今年は総額約138万円が寄付され、4万6000人以上の子どもたちに給食が届けられることになりました。

国連WFPはSDGs(持続可能な開発目標)の2番「飢餓をゼロに」が他の目標達成の基盤になるとの考えのもと、パートナーシップを通じてその実現を目指しています。2020年にはノーベル平和賞を受賞しています。

部門賞に素敵なエッセイが続々

受賞式ではまず、3つの部門賞の前に、団体で一番多く応募した団体に贈られる「WFP学校給食賞」を発表。1654通の応募があった兵庫県の須磨学園高等学校・中学校が4年連続受賞しました。

最初の部門賞は「18歳以上部門賞」で、『世界に一つの愛情弁当』を送った東京都の後藤里奈さんが受賞。この作品は、後藤さんが中学1年生の担任をしていた時、人とコミュニケーションがとることが苦手な男子生徒がお弁当を落とし、がっかりしていたところ、他の生徒が次々とおかずを分けてあげ、たちまち思いやりのつまった「豪華」なお弁当が出来上がったといい、その時、食べかけの菓子パンしかなかった後藤さんがそれ以来、手作り弁当を心がけるようになったというエピソードが綴られています。受賞コメントを求められた後藤さんは「今回の『わけあおう! わたしの幸せごはん』というテーマにぴったりのエピソードがあり、大切な思い出をぜひ書き留めておきたいと思いました。途上国の学校給食の寄付になるということで、これからも『食』を大切にしながら、飢餓問題についても自分にできることをしていけたら」と話しました。

「中学生・高校生部門賞」は、山口県の鎮西敬愛学園敬愛中学校1年の安田悠真さんの『幸せのスパイス』が受賞。母親が遠い病院に入院して1カ月。毎日ウェブカメラで話をしながら夕食を取ることになり、ある時、同じ食事メニューを用意して妹さんがデザートのブドウを画面越しに分け合って喜んだとのこと。会えなくてもおいしい時間を分かち合うことで、家族を支えているのは、こうした「笑顔のスパイス」だと実感したという内容です。安田さんは「大切な人と食べるご飯は心の支えになっています。このことに気づかせてくれたのがこのコンテストでした。これからも、おいしいごはんの力を信じて、毎日を大切に過ごしていきたいと思います」と喜びを語りました。

「小学生部門賞」を受賞したのは、神奈川県のカリタス小学校5年の風間史帆さんの『半分この味』。夏バテで食欲のない姉が元気になるように、と家庭科で習ったおむすびを作ってあげたところ、出来立てのおにぎりも「ありがとう」と言って半分こする姉。量は半分でもうれしい気持ちは足し算に。分けあうことで温かくなる気持ちを生き生きと綴りました。風間さんは「半分この素敵さを伝えたいと思いながら書きました。私の作文がお腹をすかせている誰かのためになることができたと思うと、とてもうれしいです」と話しました。

審査員特別賞は自ら選考

出典: FANY マガジン
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グランプリ発表の前に、特別審査員による審査員特別賞の発表も行われました。特別審査員は、国連 WFP協会・親善大使で俳優の竹下景子さん、おいでやすこが、ふなっしーの3組。 竹下さんが担当した「18歳以上部門」は埼玉県の小松崎有美さんの『心を「すくった」うどん』が選出されました。地元で子ども食堂を始めた小松崎さんは、ある女の子がアツアツの月見うどんに水をぶちまけた姿を見て、フーフーと冷まし方を教えます。貧困や母子家庭など問題は山積みですが、食事と愛情で子どもたちを笑顔にしたいと願っているとのことです。

こがけんが選考理由を説明、おいでやす小田は絶叫

出典: FANY マガジン
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おいでやすこがが選考した「中学・高校生部門」は神奈川県の高校3年、小林真緒さんの『じいじの守ったお寿司』。海外から一時帰国したとき、祖父が持参するお寿司を一緒に食べる約束をしましたが、一向にやって来ず、不安になって外に出ると祖父がお寿司を大切に抱えて道に座りこんでいました。救急車を呼んで大事には至らなかったものの、誰かのために食事を届ける気持ちを思い、胸がジンとしたという経験を綴りました。

こがけんは、海外にいる小林さんの代理で出席したお父さんの話題に触れた後、「感動したのは、じいじがお寿司を共有したいと思って一人でスーパーに買いに行ったこと、じいじが帰ってこないから何かあったんじゃないかと探しに行ったこと、そしてじいじが動けなくなって大事にお寿司を抱えていたことが、まさに思いやりの連鎖。自分も板前をやっていましたので、自分の作ったものを楽しんでほしい、自分が思いついた料理を共有したい、という思いは『わけあおう』に通じる部分があると思い、この作品を選びました。本当に最高な作品だと思っています」と選考理由を説明しました。

最後においでやす小田が「小林真緒さん、おめでとうーー! 」といつもの大声を張り上げ、会場を笑わせました。

出典: FANY マガジン
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ふなっしーは「小学生部門」を担当し、東京都の小学5年、佐々木尊子さんの『分かち合っていただいた愛情島ごはん』を選考。僻地医療に従事する両親と奄美大島を訪ねた時、大型台風が直撃し、島には食料、薬、ガソリンなど生活物資が届かない中、島の人々は家族のために貴重な食材で地元の料理を作ってくれました。おいしさと感謝と感動で胸が熱くなったという忘れられない思い出をつづりました。

WFP賞は心温まる「ももちゃんのお煎餅」

最後は、全作品の最優秀賞にあたる「WFP賞」の発表。受賞したのは、北海道の鈴木洋子さんの『ももちゃんのお煎餅』。この作品は、当時3歳の娘のももちゃんが、幼稚園でもらったおやつのお煎餅を、お母さんとお姉ちゃんのために半分残して持ち帰り、3人一緒に食べたという、心温まる思い出をつづった内容。

出典: FANY マガジン
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湯川れい子審査委員長は「3匹のリスがお煎餅をかじっているようなシーンが目に浮かんできました。何とも温かくて、まさにこれこそ分け合う、ということでしょう。分け合うももちゃんも喜んで幸せ、いただいたお姉ちゃんも飛び上がって喜び、お母さんはそれを見てどんなにうれしかっただろう、どんなにおいしいお煎餅だっただろうと。素晴らしいエッセーでした」と選考理由を明かしました。

出典: FANY マガジン
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最後に、このエッセイを竹下さんが朗読。心温まるエッセイの内容に、会場からは拍手が送られました。

おいでやすこがが選んだ小林さんのエッセイほか、受賞作品はWFPの特設サイトで閲覧することができます。

WFPチャリティーエッセイコンテスト2022公式ページはこちら

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