『キングオブコント2022』王者のビスケットブラザーズ(原田泰雅、きん)が、10月26日(水)、NSC(吉本総合芸能学院)東京校で開かれた特別授業に登場。ネタに対する向き合い方や、笑いの技術面などを生徒たちに熱く語りました。
この日は、ビスケットブラザーズの話を聞くためにNSCの生徒だけでなく、クリエイター・プロデューサー・構成作家などエンタメスタッフを育成するYCA(よしもとクリエイティブアカデミー)、歌唱・パフォーマンス・演技、幅広くエンタテインメントを学ぶYPA(よしもとパフォーミングアカデミー)、エンタメ×デジタルの幅広い知識と実践スキルを身に付けるYDA(よしもとデジタルエンタテインメントアカデミー)、そして、これら4校のカリキュラムを高校年代から学べる吉本興業高等学院の生徒のほか、今後、NSCに入学したいと考えている若者たちも集まりました。
同期を和ませたコロチキ・ナダル
自身もNSC東京7期生である怪獣・たけうちの進行で授業がスタート。高校卒業してすぐに大阪のNSCの門を叩いたビスブラの2人は、最近の生徒には大卒や社会人経験者が多いと話します。
ビスブラと同じNSC大阪33期にはコロコロチキチキペッパーズ(ナダル、西野創人)がいて、社会人経験者のナダルが同期の潤滑油的な役割を果たしたとのこと。原田が、当時を振り返ります。
「僕ら(NSC時代は)めっちゃトガってたと思うんですけど、マイルドにしてもらったというか……。1発目の授業終わり、ナダルが『ピリピリするの怖いから、みんなでごはん食べに行こ!』って言いだして」
NSCの授業は、ネタ見せ以外にも発声やダンスなど多岐にわたります。ビスブラの2人は、ネタ見せの授業以外は欠席気味だったそうですが、いまになって「受けておけばよかった」と後悔しているとのこと。きんは「いま、めっちゃトガっていても10年後、柔らかくなっちゃう人も多い。(授業はすべて)行ったほうがいいと思います」と語りかけました。
コントからマネージャーのことまで質問殺到!
生徒からの質問タイムでは、「コントのキャラクターを自然に見せるには?」と問われた原田が、悩みつつも「コント内以外の台詞でも、そのキャラのまま永久に喋れるかどうかじゃないですかね」と回答。キャラになりきることが大事で、「自分にどれだけ“酔うか”だと思います」と話します。一方で「ただ、いまはあんまり考えないほうがいいと思いますね。好きなことをやったらいいと思います」ともアドバイスしました。
コンビのネタ合わせについて聞かれた2人は、「毎日、相方と会っておいたほうがいい」と即答。ネタ合わせをするだけでなく、世間話の日があってもいいと言います。また、コンビの関係について、“仲良く”とまではいかずとも、ピリピリする必要はないと語りました。
このほか、ミュージカルを学ぶ生徒から発声について、タレントマネージメントを目指す生徒からは「芸人にとってどんなマネージャーがいいのか」と問われるなど、多くの質問が飛び出しました。
最近のNSC生は「花男系」!?
ビスブラの2人は、現役NSC生たちの爽やかで真面目な様子に驚いたようで、授業終了後に笑いを交えつつ、それぞれこう語りました。
「僕らのときは、イメージですけど、犯罪者まがいのヤツらが多かった。『北斗の拳』の絶対すぐ死ぬヤツみたいな。(髪型が)パーマ、モヒカン、ドレッドとか、そんなんばっかりやったんですよ。いまは『花より男子』というか……。僕らのときは『北拳(ほくけん)系』で、いまは『花団系』。みんな、(笑いに)真摯に向き合っていましたね」(原田)
「Youtubeなど(表現の場)がたくさんあるなかでNSCに入っているので、お笑いに対して前のめりの人が多いのかなと思いました」(きん)
原田は今回、「NSC時代の自分が言われてもわからないようなアドバイスはしない」という意識で教壇に立ったとか。当時の感覚を思い出しながら話したそうで、きんも「お客さんの前に立たないとわからないことも多いですからね」と話しました。
一方、キングオブコント(10月8日開催)で優勝してからの同期芸人たちの反応も明かしました。原田は先日、同期の霜降り明星(粗品、せいや)に会った際、「感動したわ」「(喜んで)叫んでしまった」と言われたとのこと。「粗品に『チャンピオンか~。すごいよ!』って言われたんですけど、(粗品は)M-1とR-1のチャンピオンですからね」と冷静にツッコんでいました。
2015年のキングオブコント王者・コロチキの2人も喜んでくれたそう。原田は、西野から「ほんまやったら、同期がキングオブコントを獲って、めっちゃ悔しいはずなのに、面白すぎたから最高やった」と言われて感激したと振り返ります。
「キングオブコントをコンビ結成から最速で獲っているのに、“悔しい”という感覚がいまだにあるのが、アイツらがずっと面白い理由やなと思いましたね」
原田がしみじみとこう語ると、きんも「ナダルは、僕らのネタを30回観てくれたらしい」と嬉しそうに話しました。
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