沖縄の市町村長がなんばの中心で歌合戦! 「こんな格好だけど遊んでいるわけじゃないんです!」

沖縄の市町村長によるのど自慢大会「ハイサイ!うた自慢まち自慢 2022沖縄大会」が、11月6日(日)に大阪・なんば千日前のYES THEATERで開催されました。この大会は、沖縄県内のテレビ番組(RBC琉球放送)で行われた「市町村対抗 のど自慢大会!」で、41市町村長の中から勝ち抜いた首長5人が自慢の歌を披露し、それぞれの自治体の特産品などをアピールできるという企画です。出場権を獲得したのは、名護市、中城村、与那原町、西原町、宜野座村の市町村長5人でした。

出典: FANY マガジン
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イベントの司会を務めるのは西川きよし。さらに沖縄出身のガレッジセール・ゴリ、宮川たま子の2人が脇を固めます。伴奏は、西川きよしがかつて司会を努めた伝説の人気番組「素人名人会」(MBS毎日放送)で伴奏していたバンド「ごもくめし」の生演奏! さらに審査員には、演歌歌手の神野美伽、歌手としても活躍するオール巨人、建築・都市・地域再生プロデューサーの清水義次氏、カリスマバイヤーの内田勝規氏という、決勝にふさわしいデラックスな面々です。

ぜひ全国で市町村長カラオケ大会を!

オープニングでは、大阪教育大学「琉球鼓舞いちゃりばちょーでーエイサー隊」によるエイサーがにぎやかに繰り広げられ、会場は沖縄ムード一色に! 

出典: FANY マガジン
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そもそもなぜこのイベントが開催されることになったかというと、きっかけはコロナ以前のことでした。吉本興業ホールディングスの大﨑洋会長と、沖縄県大宜味村の前村長、宮城功光さんらが会った際、「いつか大阪でのど自慢大会をしましょう」ということで盛り上がったのが始まりでした。宮城さんに限らず、沖縄の人は“余興”が大好き。なかでも歌を歌うことは、村長だろうが、町長だろうが、みんな一家言あるという県民性です。

ただ、そんな約束もその後のコロナ禍でなかなか実現しなかったところ、ついにこの日がやってきたというわけです。

司会の西川きよしが、企画の発案者である大﨑会長と宮城さんをステージに呼び込むと、宮城さんは、「こうして、カラオケの沖縄大会が大阪で開催できるのはとてもうれしいです。全国で、市町村長カラオケ大会をぜひ実現できたらいいと思います」と笑顔で語りました。

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「素人名人会」といえば、合格を知らせる“鐘の音”が恒例ですが、その鐘を鳴らすの役目を、なんと大﨑会長がじきじきに務めることに! 「吉本に入って45年、まさかこんな白いタキシードを着て鐘を鳴らす日が来るとは……!」とやや緊張の面持ちで鐘の横にスタンバイしました。

ギンギラ衣装に「いちゃがりがり」も

トップバッターを務めたのは西原町の崎原盛秀町長です。選んだ曲は、近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」! 西原町の観光キャラクター・さわりんを引き連れて、まさしくギンギラギンの衣装で堂々と歌い切りました。盛り上げ上手な崎原町長にゴリは「なんか温かい気持ちになりますね〜」とニコニコです。そして西原町の特産品として沖縄そば、サメのジャーキー、紅芋タルトをPRしました。

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続く与那原町の照屋勉町長は、ホップトーンズの「ヘイ! 二才達(ニーセーター)」を熱唱しました。オリオンビールのCMでも使われていた、沖縄の人々には親しみのある曲で、与那原町のマスコットキャラクター・つなひきかちゃんと一緒にしっとりと歌い上げました。大﨑会長は「歌に聞き惚れて、鐘を鳴らすのを忘れていた」、オール巨人は「リズム感があるし声もいい」と絶賛。照屋町長は、沖縄県の3大大綱曳のひとつ「与那原大綱曳」や、特産品の瓦を使った「瓦コースター」をアピールしました。

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3番手は、宜野座村の當眞淳村長による「阪神タイガースの歌・六甲おろし」です! 宜野座村といえば阪神タイガースのキャンプ地ということに加え、関西の人気球団だけに大盛り上がり間違いなしのセレクトです。名産品は、「いちゃがりがり」という日本一硬いお菓子をピックアップ。宮川たま子が「小学校から食べているほど大好物」というそのお菓子を、大﨑会長が試食する一幕も!

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4番手は、名護市の渡具知武豊市長。沢田研二「勝手にしやがれ」をシブく歌い上げました。ハットを飛ばすパフォーマンスもばっちり決まり、オール巨人は「声がよく出ていました」、神野も「リズム感が素晴らしい」と褒め称えます。名護市の特産品として、「ナントゥもち」を。ベースは黒糖と生姜ですが、近ごろ若い人たちにも親しまれるようにカボチャやよもぎベースのナントゥもちも展開しているのだそうです。

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個性爆発の歌合戦、栄冠に輝いたのは!?

ラスト5番手は、中城村の浜田京介村長でした。曲は、イクマあきらの「ダイナミック琉球」です。雄大な歌詞はもちろん、浜田村長の見事な歌いっぷりで会場は沖縄ムード一色になり、カチャーシーを踊るお客さんの姿も! 島野菜が豊富に採れるという中城村からは、特産品である島にんじんを西川きよしやゴリにプレゼントしていました。

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そして決勝大会の途中、この企画のきっかけとなった大宜味村の宮城前村長も特別歌唱!「月の法善寺横丁」で決勝大会を盛り上げます。それぞれ個性を発揮した魅力的なパフォーマンスに、大﨑会長は5人すべての市町村長に合格の鐘を鳴らすほどの大盤振る舞いでした。

そして厳正なる審査の結果、沖縄の41市町村長の頂点に立ったのは――中城村の浜田村長でした! 賞品のゴールドマイクを贈られた浜田村長は「毎日、練習に付き合ってくれた“ママ”に御礼が言いたいです」と笑顔で語りました。

神野は、「沖縄の風をしっかりと運んでくださったと私たちは感じました」と優勝の理由を説明。オール巨人は、「接戦で、ほかの方々全員が2位! 同点でした。びっくりしましたわ」と、それぞれ個性があふれ出た市町村長たちのパフォーマンスを絶賛しました。

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イベントでは、ほかにも「うた自慢」らしい楽しい企画が盛りだくさん。市町村長たちが歌っている姿を見て、歌いたくなった観客がステージで歌う「飛び入り参加コーナー」も大盛り上がりでした。会場に参加者を募ると多数の手が上がり、「みんな、心臓強いね!」とゴリもびっくり! 歌もダンスも抜群に上手な女の子、「海の声」を歌った女の子の舞台度胸には、会場は温かい拍手が。

この日の模様は、12月にBSよしもとで放送される予定です。

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まさか大阪で生バンドで歌を歌うなんて…

大会後に行われた囲み会見では、西川きよし、ガレッジセール・ゴリ、宮川たま子、優勝した中城村の浜田村長をはじめ、名護市の渡具知市長、与那原町の照屋町長、西原町の崎原町長、宜野座村長の當眞村長、そして大宜味村の宮城前村長が出席しました。

この大会のきっかけとなった宮城前村長は、満足そうにこう語ります。

「第1回目のカラオケ大会を大阪で開催できたことをとてもうれしく感じています。とくに吉本興業さんの110周年記念のとしに開催できたこともまた、ひとつのお祝いではないかなと思います」

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さらに、「こうしたイベントで、町の物産が多くの皆さんにPRできると思っているので、また皆さんへご協力の呼びかけをしていきたいと考えています」と次回に向けて意気込みました。

優勝した中城村の浜田村長は、「『うた自慢』はもちろんですが、本当に楽しくやらせていただきました。沖縄と大阪は縁が深いこともあり、今後も宮城さん、大﨑会長に感謝して、また何か仕組んでいただけたら我々も楽しんで協力させていただきたいです」と嬉しそう。

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西原町の崎原町長は、「生演奏で、というのがこれまでなかったので、こんな機会を与えてくださったことを嬉しく思います。またこのような形で沖縄でも続けていけたらと思いますし、その間、もう少しノドを鍛えておきます」とやる気を見せていました。

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与那原町の照屋町長もこう語ります。

「(コロナ禍で)延び延びになっていて、三度目の正直でやっと開催できました。我々は(大阪市)大正区とのつながりが非常に深いんです。今回も急遽、私が大阪に来るということで、県人会の皆さんに歓迎会を開いていただきました。今日も大正区で沖縄県人会の運動会があり、午前中に参加してきました。与那原は『与那原大綱曳』が3年ぶりに開催できたこともありますが、まさに人と人が繋がっていく世の中になればいいなと思います。やはり笑いはとても大切だなと思います」

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また、宜野座村長の當眞村長は「まさか私が大阪で、生バンドで歌を歌うなんて思ってもみませんでしたが、このような機会をいただいて感謝しています。閉塞感のある期間が続いていますが、こういうことをきっかけに世の中も、沖縄自体も盛り上がればいいなと思います」と期待を寄せました。

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名護市の渡具知市長も「我々、沖縄の首長がこの場所で、生伴奏で歌えるなんて夢のようでした。大阪は沖縄と縁が深く、我々も枚方市と姉妹都市を結んでいたり、大正区の皆さんと意見交換をしていますが、沖縄市町村の特産品をこの大阪の中心地で紹介できるのはとても大きなことです。こうしたつながりも今後も続けていけたら」と語りました。

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「やっと開催できました」

5人の市町村長の話を受けて、ゴリはこう言って笑わせます。

「一瞬、この見た目だと市町村長が公務を外して遊んでいるように見えるかもしれないですが、しっかりとアピールをするために、わざと皆さんに喜んでもらえるような目立つ格好をしているだけで(笑)。そこだけよろしくお願いします」

また、「皆さん、公務が忙しい方々なのでなかなかこういう企画は実現しにくいと思うんですが、賛同してくれて、実現してくれた市町村長の皆さんに感謝します」と語りました。

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宮川も「私が初めて会った芸人さんは、私がNSC(吉本総合芸能学院)時代に出演した『素人名人会』のきよし師匠で、そのときの舞台でも『小さなことからコツコツとやるんやで』と言っていただいたのが、約20年後にこうして同じ舞台に立てました。その言葉のおかげで憧れのゴリさんとも(沖縄国際)映画祭でいろんな市町村を回って、いまこうして仲良く一緒に舞台に立てていることがとてもうれしいです」と笑顔で語りました。

司会を努めた西川は「延び延びになっていましたが、やっと開催できました」と感慨深げ。「10年前になりますが、よしもとの47都道府県住みます芸人の隊長をボクがやらせていただいております。今回、沖縄の皆さんとご縁をいただけて、本当にうれしい時間でした」としみじみ語りました。