「叫び」を巧みに操るおいでやす小田【劇場作家は観た!vol.1
おいでやす小田
ベストネタライブ「オーバースロー」】

劇場作家は観た!

全国12ヶ所14劇場あるよしもとの劇場では日々様々な公演が開催されています。
それらの劇場公演を支える劇場作家からみた良いライブとは!?
独自の目線で捉えたライブレポートを紹介します。

全国12ヶ所14劇場あるよしもとの劇場では日々様々な公演が開催されています。
それらの劇場...

おいでやす小田といえば『絶叫』。キレる時はもちろん、普通のリアクション
でも叫び、普通のことを言う時も叫ぶ。番組MCも叫ばせようと、叫びやすいフリをしてくれるので、笑いは増幅!すっかり『叫ぶ人』となった。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

そんな彼の単独ライブにし、ベストネタライブ。一体どんな内容になるのだろうか。叫ぶ人はどんなコントを披露するのか…。観劇した後、ビックリしたので先に結論を言わせてもらう。披露したコント12本、全部『絶叫ネタ』だった。
普通だったら、絶叫ばかりだと飽きたりするので、叫ばないネタや、あえて喋らないネタなど、バランスを考えて構成したりするものだが、そんな事は無視!
全部絶叫!しかもバカウケ!潔いなあと思ったのが見終わった時の率直な感想だ。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

まずライブのオープニング。ネタから始まるのが通常の単独ライブだが、この日は違った。まず小田本人が素の状態で登場。そこから観客の拍手喝采!
鳴り止まない拍手を笑顔で受け止める小田。小田の反応を面白がって拍手をやめない観客。1分ほど続いた状態で小田がたまらず『成し遂げたんか!』の大絶叫&大爆笑。その流れでオープニングトーク。『3年ぶりの単独ライブなので、やりたいネタをとにかく詰め込んだ』という小田のコメント通り、その後、怒涛のコント12本!それがしかも冒頭で言った絶叫コントのみ!
構成上、飽きるのでは…という懸念は、全くの老婆心だった。
絶叫だけで飽きなかった理由。それは『絶叫』の種類だ。
『怒り』で叫ぶネタもあれば『リアクション』で叫んだり『感想』や『心の声』『アクセントの授業』で叫ぶ。叫ぶシチュエーションの種類をコントごとに変えて披露。秀逸だったのは『ファミレス』。オーダーをとりに来たウエイター(小田)。呼び出しボタンを押したからテーブルまで来たのに、そこからなかなか決めない客に対し、小田は心の声で辛辣に叫ぶ。しかし、実際の小田は涼しい顔。
その表情と心の声の叫びのギャップが笑いを産み、堪えきれず態度に出てしまう様で、笑いは増幅される。これほどまでに『叫び』と言う素材を自分のモノにしていた小田の鮮やかさに僕はビックリした。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

オープニングで小田が客に向かって叫んだ『成し遂げたんか!』。ボケとして叫んだその言葉がライブを見終わった後に、頭をよぎった。そして思った。
『いや、小田は成し遂げたのかも知れない。叫び芸というジャンルの確立を』
まさに『叫芸』と命名しても構わないと思った。そんなライブだった。

公演概要

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

おいでやす小田 ベストネタライブ「オーバースロー」
チケット販売:11月11日(金)12:00まで
視聴:11月11日(金)19:30まで
出演者:おいでやす小田

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