MCのライト東野(東野幸治)、レフト藤井(藤井隆)の2人による伝説的お笑い番組『あらびき団』(TBS系)。これまでも数多くのクセあり芸人たちを発掘してきたこの番組が、10月14日(木)に3年ぶりに復活しました。そのなかで、スペシャルゲストの滝沢カレンが大ハマリして見事、賞を獲得したのが、大阪・よしもと漫才劇場メンバーのダブルアート(タグ、真べぇ)。今回は、若手芸人たちのアンケートをもとに、兄貴分的存在でもある2人にあれやこれや聞きました!
手応えゼロからのドハマリ!?
――今回のあらびき団出演は、どんなきっかけで?
真べぇ 『歌ネタ王決定戦』(MBS)でやったネタだったんですけど、それを見てくれたあらびき団のスタッフさんがおもしろがってくれて。
タグ (あらびき団は)僕らがNSC(吉本総合芸能学院)に入る前とかに見てた番組なので、出られるっていうのはすごくうれしかったです。
――収録で手応えはあったんですか?
タグ いや、全然。スタッフさんも真剣で、撮影が終わるまで笑ってくれないんです。
真べぇ 声入ったら変な感じになるんで。ただ、1人のカメラマンが肩震わせて笑ってて(笑)。
――結果は、滝沢カレン賞に輝きました
タグ 担当のディレクターさんから、めちゃくちゃハネましたよ、って連絡があったんですけど、あとはオンエア見てくださいってことしか言われてなくて。まさか、滝沢カレンさんにハマるって思ってないですから(笑)。
真べぇ 僕は楽屋でツートライブのたかのりから、あらびき団で滝沢カレンさんがダブルアートのネタ見て腰抜かしたらしいなって聞いて、どういうこと!?って(笑)。
タグ だから、まだ実感がないんです。でも、カレンさんが僕らの作ったネタにそんだけ共感してくれたんやったら、いつか一緒にあのネタやりたいなって。
真べぇ 見取り図さんとYouTubeでコラボしたりしてますしね。僕らも、ぜひYouTubeでコラボさせてください! タグが考案した奇抜なゲームコーナーがあるんで、一緒に出てもらって(笑)。
タグ これをきっかけに僕たちのネタをいろいろ見てくれたらうれしいですね。
小学校からの幼馴染でコンビ結成
――2人は、いつからの仲なんですか?
タグ 僕ら小学校からの幼馴染なんです。それで、あるとき僕が、芸人やろうと思ってると打ち明けたら、真べぇがオレもいっしょに行くわって。
真べぇ そんで2人で行くことになったんですけど、タグだけNSC落ちたんです。
タグ むちゃくちゃでしょ。バイトしながら、この状況なんやねんて。それが半年くらい続きました。
真べぇ それで僕が(NSCの)先生に言ったら、「落としてないと思うから、途中からでもいいんやったらおいで」って。それで途中から来ることになって……。
――不合格じゃなかったんですか?
真べぇ なんか、郵便事故やって。
タグ そういうことになってるんですけど、ホンマに僕のところには合格通知が届いてないんで。オレが行ってない間、NSCにはどういう感じで通ってたん?(笑)
真べぇ みんな、コンビ組んでネタ見せやるんだけど、NSCのときってみんなトガッてるから笑わない。でも僕は、全部のネタで笑ってました。
タグ (笑)
真べぇ 前のほうに座って爆笑して、あの明るいデブは何者やって。で、コンビ組もうやって言われても、オレ、相方おんねんって答えてましたから。
タグ でも、その相方はぜんぜん来えへんし。
真べぇ ほんで相方が来るってなったとき、ついに来る!みたいな感じで。
タグ まだバンドやってるときやったから、革ジャン羽織って金髪リーゼントで。
真べぇ とんでもないヤツが来た、みたいな。
後輩たちのホンネは!?
――おふたりは若手の兄貴分的存在ということで、事前に仲のいいメンバーにアンケートに答えてもらいました。
【ビスケットブラザーズ(きん、原田泰雅)】
――きんさんは、真べぇさんが大阪若手の兄貴的存在である、と。
真べぇ ありがたいですね、こんなん言うてくれて。
――原田さんは、タグさんについて「妖精さん」だと答えています。
タグ 妖精さん……不思議な人ってことかなぁ。「ネタの相談をしていただけるのですが、相談しているときも嬉しそうで可愛いです」って、ちょっとナメてるよな(笑)。
真べぇ (ビスケットブラザーズとは)イベントも2つ、レギュラーで一緒にやってるし、ゴハンとかもいっしょに行く。
タグ 真べぇは、原田のことが多いかな。僕は、きんをかわいがってて、家にもよう行くし。すごくかわいいですね、きんちゃん。もう目に入れても痛くない。
――アンケートによると、タグさんはきんさんのことを「宝物」と呼んでいると?
タグ そうですね。おい、宝物とかいう呼び方してますね。
――調子のいいときにはダイヤモンドとか宝石の名前で呼ぶとか。
真べぇ 調子の良さで変わるんかい!
タグ なんか、やっぱりずっとかわいいやつですね。
【ゆりやんレトリィバァ】
――ゆりやんさんは、2人は「いつも味方、大好き」だと。
タグ ゆりやん、ホンマにめちゃくちゃ真べぇのこと好きやからなぁ。
真べぇ ことあるごとに、僕に連絡くれる。
タグ 漫才劇場に来たら、真っ先に真べぇのこと探してるんちゃうかな。
真べぇ おもしろい、おもしろいって、まわりにも言うてくれて。
タグ 真べぇのことと(見取り図の)盛山(晋太郎)さんのことを、すごい愛してるみたいですね。
真べぇ それこそ、ゆりやんのおすすめ芸人とかで東京の番組に呼んでくれたりとか。
――ゆりやんさんは、タグさんを「天才」だと書いています。Twitterでも、タグさんのことを「生まれ変わったら、なりたい人1位」だと。
タグ ゆりやんに天才って言われたらうれしいなあ。ゆりやんはどんだけ忙しくても、絶対に漫才劇場に来てネタ作って、すごいなぁって。R-1で優勝したときも、それをずっと見てたんで。こんだけ忙しいのにホンマに優勝しに行くんやって。
真べぇ ゆりやんも、1年目のときからの付き合いですね。
――2人とも、目をかけているんですね。
タグ 仲いいですね。
真べぇ なんかあるごとにラインくれたり、僕もしますし。
タグ むかしからずっと一緒っすね。後輩ですけど、けっこうリスペクトしてますね。ゆりやんはどこに行ってもゆりやんやし、どこに行っても変わらないので。
真べぇ ハートの強さとかね。
タグ (アンケートを見ながら)ここでも、ゆりやんはゆりやんやな。2人は大好き、一生友達でいてほしい、大好き、大尊敬、ダイソン系って。
真べぇ いまラップにハマってるんで。
【ニッポンの社長(辻、ケツ)】
――辻さんによると、「タグさんはロックな人、飲みに誘われても音楽の話しかしない。最後、必ずリンダリンダの歌詞の話をしてお会計をする」と。
タグ 辻も、ブルーハーツが好きなんですよ。好きな音楽が似てて、つい音楽の話になって、最終的にリンダリンダの歌詞スゴイよなって話に落ち着いて、そのあと気持ちよく会計する。そんで熱い気持ちになって、さあ頑張ろうってなるっていう。
――ケツさんは、真べぇさんのことを「いろんなジャンルの知識が豊富。真べぇさんに話したことは、絶対に次の日には広まっている」と書いています。
真べぇ ゴシップもかなり持ってるって書いてますもんね。だからケツのゴシップで言うと、一緒に住んでた時期があるんですが、ケツが部屋で彼女といたとき、めちゃくちゃ語ったあとにギターの音が聞こえてきて、歌ったあとにすごく静かになった。たぶんキスしてたんだと思います。口説き落としてんのに、まだ口説いてました。
【コウテイ(下田真生、九条ジョー)】
――九条さんは、タグさんを「天真爛漫でずっと子どものままのような人」と書いています。
タグ あいつもそうやろ。
――そして、いまや大阪で夜な夜な大道具を作っているのはタグさんしかいない、と。
タグ あいつの相方もそうやろ。九条が自分で作られへんから、下田に作らせてんねん。
――下田さんは、タグさんは真面目で一生懸命な馬鹿ですと答えています。
タグ あいつもそうやろ!
――ちなみに、真べぇさんは笑顔デブです、と。
真べぇ 笑顔デブってなんやねん! あいつ僕のこと、めっちゃイジってくるんですよ。
九条は、中学時代に僕たちが「ABCお笑いグランプリ」で下ネタをやってんのを見て、こんなに好きなことをテレビでやっていいんやって思ってお笑いに来たんです、って言うてくれて。
タグ むかしから、たまにそれ言うてくれてたんですけど、めっちゃウソもつくんで、どっちかわからへんから。でも、この前もイベントで言うてたんで、ホンマなんやなって。
真べぇ それこそ東京のテレビとかで、おすすめはダブルアートさんですって僕らの名前を出してくれたり。
タグ コウテイも勢いあるから、負けへんようにがんばらなダメですね。
真べぇ 下田はすごいなっていう、僕もリスペクトしかないですね。九条と組んでるっていうこともそうやし、平場での爆発力とか。表現力の高さも、めちゃくちゃリスペクトしかない。
タグ あと、お尻のデカさ。
真べぇ 人を乗せられるくらい大きい。
タグ お尻がすごいし、歩き方がティラノサウルスみたい。
真べぇ こいつも真面目ですからね、実は。
タグ でも、楽屋裏でも全開でアホはアホですね、ずーっと。
真べぇ だから、むっちゃ刺激になります。ああそうや、こうじゃないとアカンっていう、むかしは俺らもそうやったわって思い出させてくれる。
【ロングコートダディ(堂前透、兎)】
――堂前さんは、「スタンガンをぶっ刺さなければいけないときはぶっ刺してほしい」と書いています。イベントで、そんな場面があったそうですね。
タグ ホンマにそれはすごい後悔したんですよ。
真べぇ 覚えてんねや。
タグ 堂前くんも覚えてくれてたんやな。あのとき、ごめんなってすごい言ったんですよ。だから堂前くんって、ああ見えて、すごい男気あるコなんやなって。
真べぇ お笑いがいちばん。常におもろいか、おもんないか、だね。
タグ 兎が「僕らがホントに無名の若手だったとき、いちばん最初に面白いって言ってくれた先輩です」って書いてますけど、めっちゃ覚えてます。まだ「カレー」というコンビ名やったときで、ネタおもろいなぁって声かけて。でも、すでに東京にカレーさんっているから「コンビ名を変えて、ポトフにしたら?」とおすすめしたら、ああそれいいですねと言っていて、次に会ったら「ソテー」になってたんです。さらに次に会ったら、ロングコートダディに。ぜんぜん関係ないやんって。
タグ 気がついたら劇場メンバーになって、みるみる結果を残していったんで、すごいですね。
真べぇ ロングコートダディも、いまイベントをレギュラーで2つ一緒にやってます。
120人全員が既読スルーする「パパ真キングダム」とは!?
――「大阪若手の兄貴的存在」だという真べぇさんですが、「パパ真キングダム」というライングループもあるとか。
真べぇ 僕が後輩とやってるライングループで、ゴハン行くときとかに誘うグループなんです。それが、いま120人くらい。ゴハンとか映画とか、誰か行けへん?って。
タグ それ、1人もおれへんかったら、めちゃくちゃショックじゃない?
真べぇ ありますよ。
タグ あるんや!? 120人おって120人全員に断られんの!(笑) めっちゃ寂しならへん?
真べぇ メシと映画は、みんな来るんですよ。でも、僕がダイエット始めてウォーキング行こうとかやったら、全員が既読スルーですね。だってゴハン食べられへんの確定やから。
――今年のM-1グランプリは3回戦に進出しましたが、今後の目標を教えてください。
真べぇ 賞レースとかもちろんそうですけど、全国の芸人さんもお客さんも認める、おもろい芸人になりたいですね。目標としては賞レースの決勝とか、ネタ番組で賞獲るとか、何かで1番になりたいです。
タグ 僕はひとつ夢があって。サンガリアのラムネがめちゃくちゃ好きなんで、CMに出たいですね。ぜひ僕たちをCMに使ってください。お待ちしております。ギャラなんかなくていいです。真べぇ、なんか出たいCMないの?
真べぇ やっぱり、いちばん出たいのはケンタッキー。
タグ めっちゃ王道やん(笑)。ケンタッキーうまいよなぁ。めっちゃ好きやわ。
真べぇ そんだけケンタッキー好きやのに、この間、ライブでカーネル・サンダースのことを、白い社長って言うてました。
タグ 名前が出てけえへんかってん。ケンタッキーは2人とも大好きなんで、出られるようにがんばりたいですね。
インタビューでは、ほかにも、タグが親よりも先に真べぇに芸人になることを打ち明けたという話や、ロングコートダディ・兎との早朝4時のジンギスカン、ラインライブでの彼女との復活劇など、貴重な爆笑エピソードが次々と。そんなダブルアートの魅力の続きは、YouTubeの「FANYマガジンチャンネル」で!ダブルアートを慕う後輩の1人、ポートワシントン笠谷翔平が撮影・編集した特別版を公開中です。
「FANYマガジンチャンネル」はこちらから。