こんにちは! FANYマガジン・芸人ライターのコメディ髭おじさんこと、5GAPクボケンです! 11月11日(金)に吉本興業のライブ配信サービス「FANYオンラインチケット」で生配信された無料特番『THE 10ミニッツ!』ですが、その内容がお笑い史上、最強にとんでもないことになっていましたので、さっそくリポートさせていただきます!
あり得ない! 無料サービスの限界突破!
3月に配信されて人気を博した『THE 10ミニッツ!』が今回、さらにパワーアップして帰ってきました。その“最強にとんでもないこと”の1つ目は、「無料とは思えない豪華さ」。まずは出演者をご覧ください。
【MC】小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、川島明(麒麟)
【サポーター】久保田かずのぶ(とろサーモン)
【キャンペーンボーイ】5GAP
【出演】インポッシブル、カベポスター、ケビンス、コットン、すゑひろがりず、テンダラー、ハイキングウォーキング、ビスケットブラザーズ、プラス・マイナス、令和ロマン、笑い飯 (五十音順)
最強MC陣を筆頭に若手からベテラン、そしてキングオブコント2022の優勝・準優勝という旬な芸人などなど、多くの芸人が出演しているのでした(お気付きの方もいるかと思いますが、筆者の僕もちゃっかり出演しておりますよ)。
さらには、華やかな舞台セット、多数のカメラ群に観覧のお客さんが60人。そして裏には緊張感が走るくらい多くの業界関係者の方々。この状況を見ると、「これは生配信というより、地上波ゴールデン特番かい?」と錯覚してしまうほど無料サービスの“限界突破”をしているのでした。
そして“最強にとんでもないこと”の2つ目は、「テレビでは見られないネタ時間」。テレビのネタ時間は通常1〜4分ほどですが、ここではタイトル通りの10分。しかも編集なしの生配信1発勝負。一見すると「10分ネタやるだけでしょ?」と思うかもしれませんが、実はそう簡単ではありません。それこそが、この後に起こる伝説の始まりなのでした。
視聴者からの金言コメントにスタジオ沸騰!
トップバッターを飾ったのは、M-1ファイナリストであり舞台経験も豊富なすゑひろがりず(南條庄助、三島達矢)。自ら10分ネタを“束の間”と豪語するだけあって、登場からずっと爆笑につぐ爆笑でさすがの展開でした。しかし、最後のオチ前で不安そうな顔になった三島が突如、つぶやいたのでした。
「10分いってんのかなぁ?」
その瞬間、会場は爆笑。笑うMCの2人から「あと1分」との声。そして、いつも冷静なはずの南條もついに口を開きました。
「もう汗が止まらんのよ!」
その顔には大量の汗が流れていました。そして残りの1分も無事にカバーして、すゑひろがりずのネタは「9分57秒」で見事に10ミニッツが完了。
「なんか、いつもより長く感じました、10分が」
ネタの感想を求められて、そう答える南條でした。
そうなのです。これなのです。ふだんから10分ネタをやっている百戦錬磨の芸人でも、この地上波ゴールデン特番並みの豪華さと1発勝負の空気感で体内時計が狂ってしまうのです。つまり、この『THE 10ミニッツ!』とは10分ネタを安心して見る楽しみ方と、10分に届かないかもしれないときの芸人の苦悩を楽しむという別の側面も持っているのでした。
その証拠として、とろサーモン・久保田かずのぶが読み上げた視聴者コメントのなかに1つの金言がありました。
「残り1分で人間性が見えた」
会場のお客さんも納得の爆笑でスタジオが沸いた瞬間でした。と、同時に舞台袖でスタンバイしている芸人たちの体温もグッと上がったように僕は感じました。
その後も続々と芸人が10分ネタに挑戦。ほぼ10分ジャストで終わる者、まさかの20分40秒もやり続ける者。そして最後に登場してきた2人――ここで“あの伝説”が生まれるのでした。
“Mr.10ミニッツ”と賞賛される男
前回の『THE 10ミニッツ!』で、10分ネタに挑戦したものの大幅に時間が余り、単独ライブかと思うほどにネタを詰め込んで、観客の心を掴んだコンビがいます。今回、大トリとして登場した“Mr.10ミニッツ”、それがインポッシブル(えいじ、ひるちゃん)の2人です。
赤のTシャツに黒ズボン。まるで全盛期のタイガー・ウッズを想起させる王者の風格でした。
「10分やり切ります!」
しっかり言い切ったインポッシブルの10ミニッツがスタートしました。まずは、名作「必殺仕事人2022」で爆笑の嵐。続いても名作「失格シリーズ」で会場が爆笑の渦に。この名作2本で10分を乗り切りに来た2人に、MCの麒麟・川島さんから非情なアナウンスが。
「あと4分です」
会場には拍手と笑いが起こりました。これぞMr.10ミニッツ。汗だくで息を切らしながら全力でやり切った6分間。しかし、あと4分も余っている。何をするのか? 何を見せるのか? 全員の視線がインポッシブルに注がれるなか、えいじが発しました。
「インポッシブルのデッカい昆虫と戦おう!!」
スタジオ中が拍手喝采でした。ここに来て、全身をフルパワーで使うおなじみの超大作ネタ。体力は残っているのか? 声は出るか? 果たして2人はデッカい昆虫を倒せるのか? 10ミニッツを達成することができるのか? その結果は、皆さんの目でぜひお確かめ下さい!
3時間超えの生配信が終わって、僕が楽屋のドアをノックして開けると、そこには赤いTシャツが信じられないほどの汗で濡れて、真紅に染まっていたインポッシブルの2人がいました。楽屋の畳にぐったり座り込み、まだ肩で息をしている2人。あまり多くを質問するのも野暮なので、僕は1つだけ「インポッシブルにとって10ミニッツとは?」と質問をしました。すると、息を大きく吸って2人で声を揃えて言いました。
「命の危機!」
自らの命を懸けてまで笑いと向き合い続けている。疲れた表情のなか、Mr.10ミニッツは少し笑ったように見えたのでした。
この配信番組の模様は、11月20日(日)18:00までオンラインで見逃し視聴できます(チケット販売は当日正午まで)。
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。