創作落語の名手、桂文枝が300作目を発表「まだまだやらなあかん」

12月24日(火)、大阪・吉本興業株式会社にて、『六代桂文枝創作落語No.300発表記念落語会』概要発表会見が行なわれ、桂文枝が出席しました。

出典: FANY マガジン
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2020年3月4日(水)、なんばグランド花月で開催される同イベント。創作落語を手がけていよいよ300作目を披露することになった文枝が、その心境を語りました。

学生時代から創作落語の手腕を発揮!

文枝が最初に落語を作ったのは学生時代。日本で初めて横浜に出来た“アイスクリン屋”を題材にした、その名も『アイスクリン屋』だったそう。「今、考えると稚拙なものでしたが、アイスクリンとはどんなものかわからん者に説明するような落語やったと思います」と振り返ります。

テレビで初めて披露したのは、大学生がお化け屋敷でアルバイトをする『アルバイト幽霊』。これらは当時、マスコミで注目を集めたと言います。

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創作について、これだけ続くとは思っていなかったと続ける文枝。「桂枝雀師匠のように60本、70本とか決めて、それを磨いていくような形にしようかなと思っていた」そうですが、大阪市24区それぞれをテーマに落語を創作する『大阪市24区創作落語プロジェクト』がスタートし、現時点で10区まで完成。1月に都島区で披露する落語が299作目になる中、「まだまだやらなあかん」と気合を入れます。

「切羽詰まって落語を作らないかんという状況がどんどん出てきて、どんどん落語が増えていきました。はじめにやったような流れでちょっとずつやっていたら、なかなかそうはいかなかったと思いますが、作る機会があったのでこれだけ増えたと思います」と、さまざまな出来事が後押ししたことで、ここまで来ることができたと続けます。

1982年に作った『ゴルフ夜明け前』が翌年の文化庁芸術祭大賞を受賞。以降も、すき焼きを焼きながら作ったという『スキヤキ』や、立って口演した『嗚呼、懐かしの歌がよみがえる』、ぬいぐるみを使った『ワニ』など、趣向を凝らした作品を生み続け、『鯛』や『妻の旅行』、『宿題』『読書の時間』などは弟子や後輩が今も高座にかける人気作となりました。文枝は、「もっともっと弟子たちに受け継いでもらって、作品を残していただいて、作品で上方落語に貢献できればと考えています」と展望も語りました。

300作目は楽しくハッピーな噺に

出典: FANY マガジン
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300作目のタイトルは『ハッピーエンジェル』。

「この頃、『新婚さんいらっしゃい!』(朝日放送テレビ)でも、再婚の方が多いんですね。再婚するお父さんとお母さんは、仲人さんが入ってとか、見合いで見つかるんですけども、お互いに1人ずつ子どもがいると。だから、まず子どもに見合いをさせようという、子どもがお見合いするという、そういうところから幸せな家族ができていったらええなあという想いを込めています」と作品のテーマを語ります。

文枝は続けて「お母さんが連れている小学校3年生ぐらいの子どもと、お父さんが連れている小学校5年生ぐらいの男の子のお見合いという内容で、みんなが楽しくなるようなものを考えています」と話しました。

弟子の分まで生きていきたい

出典: FANY マガジン
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2019年は桂三弥、桂三金と2人の弟子を立て続けに亡くし、文枝にとってつらい1年となりました。一方で『大阪市24区創作落語プロジェクト』に“天王寺区住みます芸人”として出演したミルクボーイが『M-1グランプリ2019』で優勝するという嬉しいニュースもありました。

「私が天王寺で落語会をやったときに、前説をやっていただいた天王寺区住みます芸人のミルクボーイが優勝して、本当に嬉しかったですね。ネタもよく出来ていましたし、元々落研出身と聞いています。落語で言う“根問いもの”のようなネタを漫才でしかできない形にして、よくやったなあと。そういう活躍を見ると、もっともっと若い落語家の皆さんにも頑張ってほしいなと思います」と文枝は話します。

2020年には77歳、喜寿を迎える文枝。「『新婚さんいらっしゃい!』という番組が、私が1人の司会者として満50年になり、ずっと記念イヤーが続くと聞いております。頑張って長生きして、三弥、三金と彼らの分も生きていきたいなと思います。来年こそは良い年になるように頑張りたいと思います」と意気込みを語りました。

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