吉本人気芸人の学園漫画「よしもと虫学校」が配信! 原作のお〜い!久馬「コントと考え方がぜんぜん違う」

吉本興業の人気芸人たちがキャラクターになって登場する新たな漫画コンテンツ「よしもと虫学校(ちゅうがっこう)」の配信が、4月30日(日)からTwitterで始まりました。おなじみのよしもと芸人たちが虫になって登場し、笑いたっぷりの学校生活を送る作品です。作画を担当するのはコルク所属の新人漫画家・秋野ひろ。そして、原作をザ・プラン9のリーダーであるお〜い!久馬が手がけます。ファニマガでは、初の漫画原作となる本作品の見どころや、創作活動のモチベーションなどについて久馬にインタビューしました!

出典: FANY マガジン
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漫画で「間」を描くのが難しい

――今回のオファーをもらったときの感想を教えてください。

最初に聞いたのは、だ〜いぶ前で(笑)。なんか楽しそうやなって感じはありましたね。それで作り始めたんですが、なかなか形にならなくて。だから時事的なこととか、旬の話題とかも入れながらやってたけど、「これはアカンな」と。「いつ読んでもいけるようなものにしないといけないな」と思って内容を直しました。

――漫画の原作を書いてみた率直な感想は?

漫画の原作は初めてやったんですけど、空を飛んだり、姿が消えたり、壁を破ったりなんでもできる。そこはやりがいを感じられるところでしたね。4ページを最後まで飽きさせないようにするのもやったことがなかった。そして作った話を漫画家さんが漫画にしてくれるから、「こういうふうになるんや」っていうところもおもしろかったです。

――登場する芸人さんの実際のキャラクターやエピソードは意識しましたか?

なんとなく「実際のキャラに近い感じのセリフで」とかは考えました。そうしたほうがイメージして読みやすいかなと。あと、ちゃんとしたラインはないけど、一応、なんとなくここから上は先生、下は生徒とかはありましたね。

出典: FANY マガジン
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――どんなラインですか?

なんとなく、千鳥あたりまでが生徒。そこから上、だから東野(幸治)さんとか小籔(千豊)さんとかは先生、みたいなところですね。あとはやっぱり実際のエピソードも少し入っているので、たとえば、(蛙亭・)イワクラと(オズワルド・)伊藤(俊介)君には「幸せなままでいてほしいな」とかもちょっと思ったりします(笑)。

――キャラクターの描き方について提案などはしましたか?

たとえば、東野さんやったらミステリアスな感じで、目が笑ってないほうがいいんじゃないかみたいな、この芸人さんならこっちのほうがいいかもとかは伝えましたね。漫画家さんは何回も書き直したりされてて、申し訳ないですけど(笑)。
そして「間」とかを伝えるのはやっぱりなかなか難しい。コントやったらこれくらいのちょっとした「間」がほしいというところを、漫画やったらどうするか。その「間」のニュアンスも漫画には漫画のものがあるやろうし。きっと正解はないんですけどね。

出典: FANY マガジン
©吉本興業

――今後、登場させたい芸人は?

(発表するのが)Twitterということでやっぱり知名度、ある程度みんなが知ってる人を選んでるところはあります。だからこの人、使いたいから売れてほしいな、とか(笑)。たとえばプラン9はもちろん、大阪の芸人、新喜劇にもおもしろい人が多いし、出していいなら登場させたいですけどね(笑)。

――見どころやポイントを教えてください。

なんで虫なん? ていうのはあるかもしれないけど(笑)、そこは気にせず、東野さんはじめ、個性豊かなメンツがそろってるんで、通勤とか帰りの時間とかに読んでもらえたらうれしいですね。といっても、歩きスマホはやめていただいて(笑)、止まって読んでください。

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©吉本興業

映画鑑賞が創作のヒントに

――漫画の原作とコントの脚本を作るときの違いはありますか?

ぜんぜん違う考え方なんです。コントは日常のなかでちょっとここがおかしいな、みたいなことを広げることが多い。今回の漫画は基本的に学校あるあるなので、「どんなことがあったっけ?」ってところから始めます。「校庭に野良犬が入ってきてテンション上がるとか、いまはもうないかもしれん」とか(笑)。そこから漫画にできそうな設定を考えて、この設定ならこの芸人かなっていう順番ですね。どの世代でも共通して読んでもらえるものを考えるようにしてます。

――漫画のストーリーを作るおもしろさは、どのへんにありますか?

漫画は、あんまり絡んだことのない人同士もクラスメートとして遊ばしたりできるし、あまり現実的ではないところですね。コントは……本当に好きなことやってるだけなんでね(笑)。強いて言えば、「しょうもないことやってるとは思われないように」とは考えてますね。いい意味で「ええ歳して、まだこんなことやってるんや」みたいに思ってくれたら。それで、何も浮かばなくなったら終わりやなっていうのは、いつも思ってますね。

――ストーリーを発想するためのインプットはどうしていますか?

映画をよく観てます。観てるときに、いろいろ思いつくことが多い。でも、マジメな映画のときほど「こうしたら笑いになるな」って考えてしまうんです。死に直面してるとか、深刻なシーンでアイデアが浮かんでくると、もう早くメモしたい。「映画はよ終わらんかな」って(笑)。

出典: FANY マガジン
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――映画は自宅で? それとも劇場へ行きますか?

配信とかじゃなくて劇場に行ってますね。家やったら集中できないんですよ。冷蔵庫開けたり、時計見て「あと何分くらいやろ……じゃあ、この山場では終わらんな」とか考えてしまう(笑)。平均したら1カ月に10〜15本くらい見てますね。ミニシアターが好きなんで、空いた時間にやってるやつを予告編やらポスターやらで決めて観る感じです。

――「ジャケ買い」のように作品を選んでいるんですか?

そうですね。それと(ほかの人よりも)先に見てたらうれしいなぁっていうのはありますね。『カメラを止めるな!』も話題になる前に見てましたし、最近だと、この間、東野さんが『ベイビーわるきゅーれ』がおもしろいってつぶやいてたんですけど、それもだいぶ前に見てて「気づかれたか」って(笑)。

――映画以外に創作のために日常的に意識していることはありますか?

NSC(吉本総合芸能学院)の授業でも言ってるんですが、いまは歩いていても手軽に音楽が聞ける。でも、それより電車の中とか、近くにいる人の会話を聞いてるほうがおもしろいって。ヘンな会話からネタが広がったりするんです。だからお茶飲みに行って、(脚本を)書きながら、まわりの人の会話を聞いたり……。ユーミンみたいな感じ(笑)。

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©吉本興業

朝ドラや大河ドラマの脚本を書いてみたい

――コントや漫画の原作、NSCの講師など多方面で活躍していますが、そのモチベーションはどこからきてるんでしょう?

なんでしょうね〜、やっぱり「好き」が大前提ですね。もともと書くのが好きやったんです。作文とか読書感想文とか。
それと若手のころ、いろんな芸人がユニットコントするっていう『すんげー!Best10』(ABCテレビ)って番組があったんですが、そこでちょこちょこ書いてて、大人数でコントするっていうのが楽しかったんですよね。それがプラン9のきっかけでもあるんですが、「こういうことずっとやっていきたいな」みたいなことですかね。

――もともと作る、書くということが好きだったんですね。

NSC時代から先生に「作家のほうがいい」って言われてました。でも、当時は自分で書いたネタやのに人が笑いとってるって、なんかイヤで……。「これは久馬が書きました」みたいなことを言ってくれたらいいんですけど(笑)。いまは「この人たちが自分では気づいてない面白さを引き出したいな」「いままでやってなかったネタをやらせたいな」みたいに思ってます。

出典: FANY マガジン
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――書くことに注力していくきっかけはありましたか?

いちばんデカいのは(千原)ジュニアさんですね。若手のころ、トークイベントにゲストで来てもらったら、僕らのイベントやのにジュニアさんの独壇場で。それで「こんなにスゴいんや」って思って、そこからもっと頑張って、何年かしてもう1回イベントに出てもらったんです。でも、やっぱりおんなじで。そのとき「大阪のこんな小さな劇場でもこんなスゴい人おるのに、全国はもっとスゴいんやろな〜」って(思いました)。
まあ後々考えれば、ジュニアさんがスゴかったってことなんですけど(笑)。でも、そのときは、もっとどえらいバケモンがおると思って……。(自分は)トークとかは無理やし、作るほうやったら、まだなんとかいけるかもしれんなって。
去年、(吉本興業の)110周年のとき、(特別公演「伝説の一日」で上演された)「さんまの駐在さん」を書かせてもらったんですけど、自分のセリフをさんまさんが言ってるとか、不思議でしたよね。見ていてもっと台本関係なくなっていくんかなって思ってたら、遊びはされますけど意外とちゃんと台本に戻してくださるっていうのに感動しました。

出典: FANY マガジン
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――今後、やってみたいことはありますか?

う〜ん、なんでしょうね。プラン9で、コントはずっと続けていきたいというのと……プラン9の映画とかやりたいですね。映画脚本もいくつかやらせてもらってますが、これまでは原作があったことが多いので、完全オリジナルとか。
あと欲をいえば(NHKの)朝ドラとか大河とか書いてみたい。(プラン9メンバーの)浅越(ゴエ)が出てたんで、自分が書いてメンバーが出るとか憧れです。でも怖いですけどね、毎日、評判をいろいろ言われながら(笑)、毎回15分で明日も見たいって感じで終わらせないといけないし。

――久馬さん自身が出演は?

いや、それは(笑)、話がくれば全然ありがたいですけど、どっちかといえば書きたいっていうほうで。出れば親は喜ぶと思いますけどね。

出典: FANY マガジン
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東野幸治、千鳥、かまいたちなど人気芸人がキャラ出演する学園ギャグ漫画「よしもと虫学校」は公式Twitterで好評連載中!

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