長年、関西のお笑い界で活躍した今いくよ・くるよが「第26回上方演芸の殿堂入り」名人に選ばれました。7月27日(木)に大阪市中央区のシティプラザ大阪で行われた表彰式では、上方演芸界への貢献に感謝の言葉が贈られ、代理人に表彰状などが手渡されました。
お笑い界への貢献を評価
大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)では、1996年度から上方演芸の発展振興に大きな役割を果たし、府民から広く愛され、後進の目標となる演芸人を「上方演芸の殿堂入り」名人として表彰しています。今回は、いくよ・くるよのほか、落語家の桂吉朝が選出され、これまでに表彰された名人の数がちょうど100人に達しました。
いくよ・くるよは、そのユニークで華やかなキャラクターが評判を呼び、早くからお茶の間の人気者に。1981年には上方お笑い大賞・金賞を、1984年には上方漫才大賞・大賞を受賞しています。2015年5月にいくよが亡くなって以来、くるよがピン芸人として活動しています。
桂吉朝は1974年1月に桂米朝に入門。同年に初舞台を踏んで以来、人気落語家として活躍してきました。
表彰式は、大阪府の山口信彦副知事の挨拶からスタート。副知事は、いくよ・くるよの明るく華やかな人柄について触れ、多くの人を楽しませ、愛されたと同時に後輩の指導にも尽力したことに言及しました。
さらに山口副知事は、「上方演芸」は大阪人のアイデンティティであり、文化であると訴え、「2025年の大阪・関西万博に参加する150を超える国や地域の人たちにその魅力を感じてもらえるような取り組みを進めたい」と力を込めました。
殿堂入り名人100人のイラストを展示
この日は、いくよ・くるよの代理人として吉本興業の奥谷達夫副社長が出席して、表彰状と花束を受け取りました。奥谷副社長は、「なんばグランド花月ができて36年目、いくよ・くるよさんには開業時から引っ張ってもらった」と話すと、くるよからのメッセージを代読します。
くるよは100人目の表彰者となったことについて「どやさ!」とお馴染みのフレーズで喜びを表現したうえで、「天国にいるいくよちゃんも、きっとこの栄誉を喜んでくれていると思います。このような素晴らしい賞を頂戴し、心からお礼申し上げます。ありがとうございました」とコメントを寄せました。
殿堂入り名人に選ばれると、イラストレーターの成瀬國晴氏作によって似顔絵イラストが描かれます。今回の3人を加えて名人が100人になったことについて成瀬氏は、「どなたがというのは考えていない。とにかくまとめて100人目」と話して笑わせました。
成瀬氏は、いくよ・くるよと若いころから交流があったそうで、今回のイラストで描いたのはその若いころの衣装を着た2人だと明かします。そして、改めて「誰がということはないが、とにかく100人目ということでお受け取りいただいたら」と挨拶しました。
殿堂入り名人が100人に到達したことを記念して、これまでの名人たちのイラストが8月2日(水)から15日(火)の間、大阪府立中之島図書館で展示されます。
記念展示概要
日時:8月2日(水)~15日(火)
月曜から金曜9:00〜20:00(土曜〜17:00、日祝は休館)
場所:大阪府立中之島図書館 2階多目的スペース1
内容:「上方演芸の殿堂入り」100人(63組)のイラストパネルの展示