5月の初演が大好評だったノンタンのハッピーコンサート『ノンタンのわくわくピクニック』がこの夏、かえってきます! 8~9月にかけて千葉、東京、大阪、埼玉の4都府県での公演が決まり、脚本と演出を手掛けた「いしだあきら」ことNON STYLE・石田明と、歌のお姉さん役で出演するのだこころさんに意気込みを聞いてきました。
刊行から47年、シリーズ累計発行部数は3460万部という超人気ロングセラーの絵本「ノンタン」(キヨノサチコ作・絵/偕成社刊)。誰もが幼いころに一度は目にしている作品といえるでしょう。
そんな「ノンタン」の世界を、3児の父でもある石田が「いしだあきら」として脚本化し、演出を手掛けた舞台のコンセプトは、「うたって、おどって、あそんで、わらっちゃう」。5月の初公演でも多くの親子連れが歌って踊って楽しみ、大好評でした。
初演の手ごたえに「47都道府県をまわりたい!」と意気込んでいた石田でしたが、さっそくこの夏、千葉県野田市を皮切りに、東京、大阪、埼玉での公演が決まりました。
そして今回も、客席のお子さんも参加しながら楽しめる工夫が盛りだくさんの舞台となるようです!
吉本社員の心も「キレイ」に!?
――前回の公演の感想と、今回の意気込みを教えてください。
石田 前回の公演で、子どもたちの楽しんでいる声や風景を目にして、「こんなふうに楽しんでくれる子どもたちの存在で、このショーが完成したな」って感じたんですよね。だから今回も、前回の「遊び場」みたいに、会場に来た時点で楽しいことがたくさんある形にしたいなと。すぐ40度近くになる猛暑ですけど、その暑さを忘れて、思い出も作ってもらえたらなと思っています。
のだ 前回の公演で、子どもたちに楽しんでもらうことをいちばんに考えてやりましたが、終わってみたら、子どもたちだけじゃなくて予想外に大人の方々もみなさん、「すごく泣ける!」と楽しんでもらえたみたいで。主に吉本社員のみなさんですけど(笑)。
石田 そう! そうでしたよね。吉本の社員がみんな、「心がキレイになる」と口々に言うという怪奇現象が起きてましたから(笑)。
のだ 「涙活」になったという方もいて。子どもたちに楽しんでもらうのはもちろんですが、大人の方にも心の底から「良いものを見られたな」と思ってもらいたいと意気込んでおります!
――石田さんは初演の段階で「47都道府県をまわりたい!」と言っていたので、その第一歩が有言実行されたわけですね。
石田 本音を言えば、手あたり次第行きたいんですよね(笑)。なんていうか、いまは大きな会場でやらせてもらっていますが、児童館に歌のお姉さんだけで行くような、本当にミニマムな形もあっていいと思っていて。そのくらいに身近なものにしていきたい。ただ、そのためにもいま、大きな会場でのショーをたくさんの人に見ていただいて、「あのノンタンが街に来てくれたで」みたいになっていけばいいなと。
のだ 私は福岡出身なので、地元の福岡で舞台に立つことが夢のひとつ。ノンタンでその夢がかなえられたらいいなと思っています。
――今回、こんな部分に力を入れたということがあれば。
石田 意識したことは、ノンタンって子どもたちにとって身近な存在なので、ノンタンを演出するうえで、絶対に高貴なものにしないと決めていて。スゴイ演出は、なるべくぶち込まず。プロジェクションマッピングとか使うのは、いまの時代、簡単だし、そのほうが予算が下がるんですけど、やっぱりノンタンの世界のペタっとした色使いとか味わいを大事にしたくて。テクニックに頼らずに知恵を絞って作るようにしています。
ノンタンが好きすぎる愛娘から「ダメ出し」!?
――前回の公演を見た、石田さんのお子さんたちの反応は?
石田 いや、すごかったです。いまでもお風呂あがりに「ノンタンの音楽かけて」と言ったり、部屋で3姉妹の誰かが踊って歌っていたり、ほんまに楽しかったみたいです。何度も見過ぎてぜんぶ覚えているので、「あのシーン、なんであんなふうにしたの?」と僕の演出に言ってきたりしてます(笑)。3姉妹それぞれ“推し”も違っていたりして面白いですね。
――おふたりの“推し”は? ノンタンは主役ですが、くまさんやたぬきさん、そして、はちさんなど、絵本でおなじみのお友だちもたくさん出てきますが。
のだ どのお友だちを見ても飽きないので、すごく難しいんですけど、んー、でもタータンかな? ノンタンの妹ですけど。
石田 あーー! タータンかわいい!
のだ ノンタンにいつもくっついていて、たまにノンタンにイジワルされたりしちゃう。タータンは耳が聞こえないんですが、舞台でもその設定を活かしていて。そこに気づいてくださった方もいたみたいで。
石田 みんな本当にいいキャラなんですよ! だから“箱推し”かな(笑)。
ぶたさんのコミカルさ、たぬきさんのキレ、くまさんのやさしさ、うさぎさんのキュートさ、そしてはちさん! はちさんって、何気に絵本でもずっとノンタンのそばにいて。あの存在がすごく良いので、演出でも、けっこうこだわりましたね。その場に当たり前のように飛んでおいてほしいと。
それ以外でこだわったのは、ノンタンたちがいないときの、歌のお姉さんとダンサーのシーン。ノンタンたちにはどうしても勝てないけれど、脇役になってほしくないので。こだわって演出しました。
のだ いしださんの脚本のなかでは、ノンタンとその仲間たちはいつ見てもかわいいし、かなわない。なので、自分たちが全体のクオリティを下げてしまわないようにと意識しながら、たくさん練習しました。
――「みんなが主役」という意識なんですね。
石田 そうですね。それは会場にいる子どもたちも含めてそう思っています。
子どもに配慮した会場づくりを“お笑いライブ”でも
――会場には遊び場や子ども用の座席クッションなど、いろいろと配慮がなされていたのも、すごくよかったです。
石田 前回はロビーの椅子とかも、僕がほぼ勝手に並べてましたから(笑)。小さい子が公演の途中で泣いちゃうのも仕方がない。そのときロビーに遊び場があるだけで、親も子もすごく救われる。僕自身、子育てで体験して気づけたこと。会場によってその都度、できる限りやっていきたいなと。
それを吉本の社員が見て、お笑いライブでもできるようになると、もっとファミリーでのライブ参加がしやすくなるはずなので。
――今回の公演と、その先に向けた展望をきかせてください。
石田 「毎週末、どこかしらかでやっている」みたいになればすごくいいなと。これをきっかけにノンタンの絵本に改めて注目が集まって、舞台と絵本の相乗効果が生まれて、さらにノンタンの世界観が浸透してほしい。吉本のなかでも「お笑いライブだけでなく、こんなこともできるのか」と道が開けたらいいのかなと。
のだ 歌のお姉さんを始めたときから、子どもたちの心を豊かにできることをやっていこうと、心の中で大切にしてきました、日本の未来を担う子どもたちに、なにか良いものを届けたい。
石田 子どもたちが楽しんでいる姿、そして家族で楽しんでいる姿を見ると、こちらもめちゃくちゃ心がキレイになるんですよね。前回の『ももたろう』(石田作・演出・主演の舞台)では、ほぼ芸人しか出てなかったですけど、みんな心がピュアになりすぎて、ほかの舞台でスベるんちゃうかってほどで(笑)。
今回も、みんながキレイになりすぎて「いいコンテンツだ! 再演だ!」とチーム一丸となって4都市での公演に向けて動いてくれて。子どもたちが生の舞台に触れる機会が増えれば、その経験が財産になり、人も仕事も豊かになって……。そういう循環ができたら最高だなと思ってます。
――相方の井上(裕介)さんもこの舞台を見て、心をキレイにしてほしいと思いますか?
石田 井上さん、最近もTwitterで「御飯屋さんに行ったら嫌な気分になる店だった」と怒ってましたけど。やさしさとは真逆な井上さんですけど、でも、ある意味でピュアなので。ピュアすぎるし、意固地にもなりやすい。いうたら“中2”なんですけど。
のだ ……もしかしてノンタンに近いんですか? ピュアだし、ちょっと意固地になったりっていうと。
石田 あぁー、そうね……(しばし考えて)いや、似てへんわ! 1ミリも似てへんかった(笑)。でも、井上も結婚しましたし、子どもができたりしたら、またこういうのに興味が出る日が来るかもしれませんね。そのときは見に来てくれたらと思います。
公演概要
ノンタンのハッピーコンサート『ノンタンのわくわくピクニック』
【千葉県】
会場:野田ガスホール(野田市文化会館)大ホール
開催日程:
8月12日(土)
①09:45開場/10:30開演/11:45終演
②13:15開場/14:00開演/15:15終演
8月13日(日)
①09:45開場/10:30開演/11:45終演
②13:15開場/14:00開演/15:15終演
【東京都】
会場:杉並公会堂 大ホール
開催日程:
8月22日(火)
①10:15開場/11:00開演/12:15終演
②13:45開場/14:30開演/15:45終演
【大阪府】
会場:COOL JAPAN PARK WWホール
開催日程:
8月26日(土)
①09:45開場/10:30開演/11:45終演
②13:15開場/14:00開演/15:15終演
【埼玉県】
会場:熊谷文化創造館さくらめいと 太陽のホール
開催日程:
9月16日(土)
①09:45開場/10:30開演/11:45終演
②13:15開場/14:00開演/15:15終演
9月17日(日)
①09:45開場/10:30開演/11:45終演
②13:15開場/14:00開演/15:15終演
チケット:一般3,500円 グッズ付きチケット4,500円
FANYチケットはこちらから。