コント日本一を決める『キングオブコント2023』(TBS系)が、10月21日(土)に放送されます。厳しい予選を勝ち抜き、ファイナリストになったのは10組。今回は、初出場の隣人(中村遊直、橋本市民球場)の決勝直前インタビューをお届けします。
今年もダウンタウンがMCを務める『お笑いの日』内でフィナーレを飾る同大会。決勝に勝ち上がったのは、蛙亭、カゲヤマ、サルゴリラ、ジグザグジギー、ゼンモンキー、ニッポンの社長、ファイヤーサンダー、や団、ラブレターズ、隣人(※50音順)の面々です。
果たして、最後に栄冠を勝ち取るのはいったい誰なのか――ファイナリストたちの熱い思いを連続インタビューでお届けします。
大阪の劇場でネタを磨く!
ーー初の決勝進出です。率直なお気持ちを聞かせてください。
中村 このためにずっとやってきたんで「うれしい」の一言ですね。やっと「コント師」と言えるというか。やっぱり、決勝に行かないと言えないと思ってたんで。ほんまにホッとしました。
橋本 ビックリしましたね。本番でめっちゃミスって、準決勝初日で「もう終わったな」と思っていたんですよ。だから、うれしいというよりは「あ、良かったな」っていう感じです。決勝が決まったときは、普通に泣きましたし(笑)。(名前を呼ばれて)「やったー!」って座った途端からもう泣いておりました。決勝で戦えるという実感がまだないですし、ダウンタウンさんにも初めて会えますからね。
中村 まだ僕、(ダウンタウンが)いてないと思ってるんで。確認しに行きたいです。
橋本 あと、大阪の後輩たちから「僕らの分までお願いします」と言われていたので、それに応えられたのは良かったです。みんな「今年あるな」「今年行くやろ」と言ってくれてうれしかったんですけど、本番が始まった途端、僕はそれをプレッシャーに感じてしまって(笑)。「まさかそっちのプレッシャーあんのか」と。(ミスをしたあとも)「俺はこんなにもろいんか」と思いました。
中村 あんなかかってる相方初めて見ました。でも、もう信頼しきっていたし、ミスってもしゃあないわって感じでしたね。
ーー前回王者のビスケットブラザーズさんからアドバイスをもらったそうですが、どんなアドバイスだったんですか?
中村 原田(泰雅)さんから「5分間の中で、こいつら(キャラクター)の過去とか、未来が見えるコントって強いで」って聞いて「なるほどな」と思ったんですよ。それまではその(ネタの)5分しか切り取ってなかったんですけど、過去と未来を勝手に想像したら、自ずと出る言葉もあって……。それから結構ガラッと変わった感じがしました。
ーーアドバイスのほか、舞台を重ねるごとに進化していったかたちですか?
橋本 台本にはない、練習でやってなかったリアクションが舞台でウケることもあって「じゃあ、これは次回からしていこう」とか言ってましたね。
中村 これが大阪吉本の強いところで、(準決勝前に)3連休で11ステージもらったんですよ。お客さんには悪いんですけど、同じネタを永遠にやって。それでもウケは変わらず、拍手笑いもあったんで、これはいけると思いました。
ーー前年にくらべて、今回、手応えを感じていたのでしょうか?
中村 去年も準決勝に行かせてもらったんですけど、前回はもう旅行(気分)やったんですよ。準決勝がゴールで「わー出れたー!」っていう。仕上げなかったし、2本目も「これでええか」みたいな感じで。
橋本 今年ほどは詰めてなかったですね。
中村 去年の準決勝を見たときに、めっちゃニュアンスですけど、勝ち方が分かったというか。掴むものがあって。準決勝で負けた上で、だいぶ成長できた一年でした。
中村はバケモノ軍団に所属している!?
ーー今年のファイナリスト10組の印象はいかがですか?
橋本 (ファイナリスト発表会見で)山里(亮太)さんもおっしゃっていましたけど、激シブやなと思いました。
中村 ほんまに視聴率どうでもいいというか。テレビやったら、コットンとか男性ブランコさん入れてもええ中、めちゃくちゃおもろかったけど、カゲヤマさん入れんのかって(笑)。ガチやなって思いましたね。
ーー関係性が深いコンビはいますか?
中村 蛙亭はNSCから一緒でほんまに兄弟みたいな感じ。だから、一緒に決勝へ行けたのが何倍もうれしかったです。
橋本 (蛙亭とは)マジで12年の付き合いなんで。あと、ニッポンの社長さんは、特に気にかけてくれた先輩なんですよ。
中村 ネタのアドバイスくれたりね。(橋本は)辻さんに可愛がってもらっていて、僕はケツさんの方なんで……ちょっと外れは引いてるというか。
ーー(笑)。
中村 辻さんってすっごいカリスマやし、面白い。でも、僕はケツ軍団なんですよ。ケツ軍団と原田軍団に入っていて、バケモンに人気があるというか。「どんな先輩に囲まれてんねん」と。見た目めちゃくちゃ。サーカス団みたいな(笑)。本当、みなさんに可愛がってもらっています。
ーー決勝での目標を教えてください。
中村 僕ら多分唯一、1本目と2本目がつながってるおしゃれなストーリーなんで、それを見せられたらなと思います。(2本合わせた)ストーリー性のあるネタやった人ってまだおらんと思うし、でも1本目のネタが振りになっているわけではなくて、ボケがまったく違うし、それぞれ1本でも強いネタ。新しい戦い方を見せられたらなと思いますね。
橋本 お話がちゃんとしてるのでね。点が低いわけないやろなとは思いますが……。
ーー優勝したあと、コンビとしてどうなっていきたいですか?
中村 大阪所属なんで「いずれ東京」とは思っているんですけど、やっぱり大阪の劇場に世話になっているんで、恩返しがしたい想いがめっちゃ強いです。人気者になって、支配人泣かせたいですね。まだ全然決めてないですけど、恩返しをしてから東京に行きたい気持ちはあります。
橋本 僕ら漫才もできるので、「あのコントの人らやな」だけで終わりたくないです。大阪では、何かしら出られるよう下準備はしているつもりなので。もっと興味を持ってもらえるような大会にできればなと思います。