『京都国際映画祭2023』開催の結果報告

10月13日(金)~15日(日)の3日間にわたって開催された『京都国際映画祭2022』の主な結果が発表されました。

出典: FANY マガジン

開催期間中、視聴・来場者数は延べ11万5千人を記録

10月13日(金)~15日(日)の3日間、舞台挨拶やアート展示などの来場者とオンラインプログラムの視聴者の合計人数は、10月15日(日)時点で11万5千人を記録しました。

京都国際映画祭×京都市交通局コラボレーション企画『「#リオンダー越しの世界~田津原理音写真展」 in Kyoto』は11月5日(日)までの開催、10月24日(火)には『京都国際映画祭 後夜祭 ~きょうの寄席~ iU 学長くん推しVol.2』と題したイベントも、よしもと祇園花月で開催されるので、さらに視聴・来場者数の増加が見込まれます。
昨年に続いてリアルとオンラインでの開催となった『京都国際映画祭2023』は、オンラインでも、多くの方々が視聴、参加しました。

映画上映本数32作品、アート作品数71作品
参加アーティスト:22名、実施アート20企画

映画祭期間中の映画上映作品本数は32作品となりました。今年は、数多くの中島貞夫監督作品の中から、生前、監督自身が好きな作品に挙げていたタイトルを中心に、中島監督を偲ぶトークゲストなどを迎え、『中島監督追悼上映企画』が実施されました。

その他映画作品は、京都国際マンガミュージアムでの上映など、リアルとオンラインにて上映され多くの方が視聴しました。

また、アート作品数は、71作品となりました。京都市京セラ美術館にて展示された『澤田知子 Ripples』をはじめ、よしもと祇園花月、ヒューリックホール京都、その他の会場で連日、多くの方が鑑賞、体験しました。

牧野省三賞を阪本順治、三船敏郎賞を竹中直人が受賞!
授賞式・クロージングを有観客&生配信で開催!

10月15日(日)よしもと祇園花月にて授賞式・クロージングが有観客で行われ、またその模様は同時生配信されました。
『牧野省三賞』を阪本順治氏、『三船敏郎賞』を竹中直人氏が受賞。阪本順治氏は、授賞式・クロージングに登壇し、受賞の喜びを語りました。

※10月15日(日) 時点(オンラインの視聴者は翌日計測)

受賞者

『京都国際映画祭2023』の各受賞者は以下の通り決定しました。

●牧野省三賞:受賞者 阪本順治

<受賞者コメント>
恐れ多いとか、身に余る光栄という言葉はこういう時に使うんだなと思いました。京都という場所でこの賞を頂いて感慨深いです。中島貞夫監督に久しぶりにお会いしたかったのですが、それが叶わず、それだけが残念です。この賞は日本映画界の発展に寄与した方に贈られるということですが、僕はまだ寄与した覚えがないので、これから寄与します。

<授賞理由>
『どついたるねん』から『せかいのおきく』まで、独立プロの勢いの良さと元来の伝統的日本映画の骨太な演出、その両方を兼ね備えている、その意味で今や唯一無二の監督である。
そして、何よりも映画において人間讃歌する最大の武器は、映画ならではの自由表現力であることを熟知しており、登場人物は常に生き生きとしている。
今、表現力が史上どん底と言われる日本映画において、それを引き上げる底力を感じる監督である。

●三船敏郎賞:受賞者 竹中直人

<受賞者コメント>
とんでもない賞をいただいたみたいで、恐れ多すぎて何度も辞退をお願いしたものの、どうしてもということで受け取らせていただきます。本当に現場に行きたかったです、とてつもなく光栄な賞をありがとうございました。この賞をいただいたことを勇気に、映画の世界にしがみついていきたいと思います

<授賞理由>
大河ドラマ「秀吉」で俳優としての才能を確立し、その後、映画を中心に幅広いキャラクターを演じてきた。
中でも『RAMPO』での江戸川乱歩、『226』における磯部浅一中尉など、他にも松尾芭蕉、松本清張、岡倉天心と次々と歴史上の人物を演じるきる風格は、映画俳優としてインターナショナルに評価されるものとなった。
一方、『無能の人』に代表されるような繊細で弱々しく社会から落ちこぼれていく人物も得意とし、またコメディリリーフとしての脇役まで、演技の幅の広さは秀逸である。

中島貞夫監督追悼上映企画を実施、5作品を上映!
特別招待作品、特別上映作品、サイレント/クラシック映画、島ぜんぶでおーきな祭連携企画、地域発信型映画など多彩なラインナップを上映&オンライン配信!

京都国際映画祭2023 上映作品数 32作品(オンライン上映含む)

【中島貞夫監督追悼上映】
『893愚連隊』、『日本暗殺秘録』、『狂った野獣』、『序の舞』、『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』全5作品

【島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭:連携企画】
『陽いづる』

【特別上映作品】
『劇場版~にゃん旅鉄道』

【特別招待作品】
『侍タイムスリッパー』

【アニメーション企画】
『エンタニメ・トマト漫才グランプリin京都国際映画祭』
『オムニバスアニメーション特集「陰陽」「Birthつむぐいのち」「ξ(グザイ)」「switch/on」「冬の日」』全6作品

【地域発信型映画】
『なんでかね~鶴見』、『絆のものがたり~心と心を結ぶもの~』全2作品

【サイレント/クラシック映画】
『アリス・ギイ特集(世界初の女性映画監督アリス・ギイ生誕150年記念として作品上映とアリス・ギイ研究者による講演)』
『パテ・ベビー(9.5ミリ)渡来100年記念特集』、『海底王キートン』、『ロイドの落胆無用』 全9作品

【映画祭連携企画】
連携企画:京都大学東南アジア地域研究研究所<ビジュアル・ドキュメンタリー・プロジェクト>
『タイの「12人姉妹」伝承と映画『プラロット メーリー』~故ソムポート・セーンドゥアンチャーイ監督 追悼上映~』
連携企画:京都大学東南アジア地域研究研究所<混成アジア映画研究会(シネアドボ)>
『ライク&シェア』
連携企画:京都国際学生映画祭
『第25回京都国際学生映画祭グランプリ受賞作品 Lunchbox』
連携企画:京まちなか映画祭
『京まちなか映画祭 紹介チャンネル』
連携企画:おもちゃ映画ミュージアム
『小津安二郎と映画を楽しむ in 京都』
連携企画:別府短編映画祭
『別府短編映画「悪党と物書き」「大怪獣ブゴン」「ナンバのハンパな借金取り」』 全8作品

【クリエイターズファクトリー】
『子供向け活弁ワークショップ「片岡一郎弁士の子ども活弁教室」』,『子供向け演技ワークショップ「辻凪子と堀川絵美の子供演技教室」』、『京都国際映画祭2023 クリエイターズ・ファクトリー茶話会』全3企画

※オンライン上映を含む

3年連続京都市京セラ美術館にてクリエイターズ・ファクトリー作品展示、ワークショップを開催!
細辻伊兵衛美術館にて、永楽屋×COOKIE新作コラボ作品を展示
華道家元池坊とのコラボレーションも実施!

今年のテーマ『現象 その先へ』
激動の時代から生まれる、次の第一歩。

▼アート

【京都市京セラ美術館】
『澤田知子 Ripples』、『第10回 クリエイターズ・ファクトリー』全2企画

【よしもと祇園花月】
『KAORUKO、キシモトマイ 作品展示』

【京都国際映画祭2023×華道家元池坊】
『いけばなLIVE対決』、『いけばなアート展示』全2企画

【京都大学防災研究所アートイノベーション(凸版印刷)】
『Designer土佐尚子(京大教授)のNY Fashion Week 参加報告会と新しいファッション創造ワークショップ』

【コラボ企画】
京都国際映画祭×京都市交通局コラボレーション企画『「#リオンダー越しの世界~田津原理音写真展」 in Kyoto』
『鍵善良房×平野早依子コラボレーション』
永楽屋×COOKIE『京都国際映画祭2023コラボレーション新作発表会』全3企画

【オンライン配信】
『まるむし商店 磯部公彦のSDGsクレイアニメ劇場』他、全7作品
『芸人フォトグラファー、京都伝統工芸の職人を撮る!』

【連携企画】
『KOHEI NAWA | Sandwich「Cell Field」京都 蔦屋書店』
『嚆矢祭-其之百二十七-京都絵美展 絵画のまなざし』
『浜崎亮太・秋山珠里 二人展『乞うより遅く、光より早く ~風も吹かず、なにもない。なにかがある。』全3企画

クリエイターズ・ファクトリー

【映画部門】
第5回沖縄国際映画祭で創設された【クリエイターズ・ファクトリー】。京都国際映画祭でも映像文化における次世代を担う人材、才能を発掘する公募型プロジェクトとして実施されてきました。

今年は初めての試みとして、未来の映画監督や俳優の第一歩となるような期待を込めて、子ども達に向けてのワークショップが開催されました。

また、これまでにクリエイターズ・ファクトリーに参加した監督、俳優による『京都国際映画祭2023 クリエイターズ・ファクトリー茶話会』と称したコンテンツ(収録)もBSよしもとにて放送・配信されました。

映画部門では、京都ヒューリックホールにて子ども活弁ワークショップ、子ども演技ワークショップが実施されました。
『子供向け活弁ワークショップ「片岡一郎弁士の子ども活弁教室」』、『子供向け演技ワークショップ「辻凪子と堀川絵美の子供演技教室」』、『京都国際映画祭2023 クリエイターズ・ファクトリー茶話会』全3企画

【アート部門】
アート部門でも、映画部門と同じく昨年より公募形式から、次世代クリエイターの“発掘”と“育成”をテーマにし新たな企画を行ってきました。

今年は『作品展示とアートワークショップ ―身近なものからのアート体験―』と題し、京都市京セラ美術館にて、これまでに参加したアーティストたちの作品展示とワークショップが実施されました。

展示した作品は実際に触ることのできる作品も多く、新しいアート鑑賞の機会となりました。またワークショップでは、ダンボールや新聞紙など、自分たちの身近にあるものからアート体験の機会を生み出すことで、アート自体もより身近に感じるとともに、未来につながる次世代クリエイターの発掘につなげていく企画となりました。

『作品展示とアートワークショップ ―身近なものからのアート体験―』
・10月14日(土):美和いちこによるワークショップ「ダンボールでお面をつくろう! ~ダンボールアートを着て記念撮影もできる!~」
・10月15日(日):高田雄平によるワークショップ「新聞紙で巨大昇龍をつくろう!」
・10月13日(金)~15日(日):ワークショップに加え、参加アーティスト2名のアート作品を常設展示

「よしもとSDGs LIVE2023」を開催!
SDGs-1グランプリ2023はダブルヒガシが優勝!
よしもとSDGsアンバサダーとして1年間就任が決定!

第一部は今年で8回目を迎えた『SDGs-1グランプリ2023』。東西の人気芸人がSDGsの17の目標から1つ以上をネタに組み込み、いかに楽しく、分かりやすく伝えらえるかを競います。

今年のテーマは、「気候変動」に決まり、出演者はダブルヒガシ、ジェラードン(アタック西本・かみちぃ) 、滝音、田津原理音、ハイツ友の会、囲碁将棋、ネルソンズ、プラス・マイナスの8組によって争われ、 ダブルヒガシが優勝に輝きました。

副賞として、よしもとSDGsアンバサダーに就任、1年間SDGsに関する様々な仕事に取り組むほか、BSよしもとで冠特番放送の権利も獲得しました。冠特番は後日放送予定となります。

第一部イベントの模様はBSよしもとにて、11月19日(日)13:00~14:00に放送されます。

第二部は『よしもと新喜劇NEXT presents SDGsソング-1グランプリ』。様々な企業が行っているSDGsへの取り組みを、吉本新喜劇の松浦真也が作詞作曲、1つの歌として発表する番組の名物コーナーのスピンオフ企画です。

今回は松浦らが企業を取材し、オリジナルの『SDGsソング』を作成、その楽曲を新喜劇の人気座員と企業の社員がコラボパフォーマンスで披露し、審査員投票でグランプリを決定します。

審査の結果、グランプリは「ラパン」に決定しました。グランプリを獲得した 「ラパン」には、SDGsに取り組む大橋金属工芸が製作した、廃材を利用したサスティナブルな盾が授与されました。

第二部イベントの模様は、毎日放送「仮)よしもと新喜劇 NEXT特番」にて、11月15日(水)25:29~26:30の放送が予定されています。

スター食堂×木村祐一100周年コラボプロジェクト会見を実施!
京都精華大学では、OTAKU SUMMITを開催

▼その他イベント

【京都精華大学】
OTAKU SUMMIT Satellite in 京都国際映画祭~ オタクとコンテンツの未来~

【京都駅ビル】
京都駅ビル秋のKIDS DAY
「洋食惣菜 スター食堂 × 木村祐一」100周年コラボプロジェクト~京都洋食「昭和の味」を木村祐一が再現~
アート芸人たいぞう×京都市交通局塗り絵ワークショップ

【西本願寺聞法会館】
12人産んだ助産師HISAKOが新喜劇パパママ座員と子育てトークするんか~い!

【JRA京都競馬場】
JRA京都競馬場 x 京都国際映画祭2023コラボイベント

【京都タワーサンド】
京都タワーサンド×京都国際映画祭2023特別コラボイベント『ミルクボーイが仲ええ後輩と着物でおしゃべり』

【藤井大丸】
Rethink Life Market × 京都国際映画祭2023

【京都リサーチパーク】
KRP創発LIVE by Buckskin Vol.19

【イオンモール&河原町OPA】
京都国際映画祭×イオンモール スペシャルイベント

京都国際映画祭2023総括コメント

映画もアートもその他もぜんぶ、京都国際映画祭。
「よーい、スタート!」いつも中島名誉実行委員長の掛け声で幕開けだった、その掛け声が今年はありません。
中島貞夫さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
そのお力でこの映画祭、第10回を迎えました。
奇しくもそのタイミングで、文化庁が京都に来ました。
今年の映画祭、「ありがとう」を天国の中島貞夫さんに伝えるとともに、10回の歴史を踏まえて、未来の文化につながる節目にしたい。
いかがでしたでしょうか。おおきに ありがとうございます。
来年以降は新しい形を目指す所存です。
どうぞよろしゅうに お頼もうします。

京都国際映画祭実行委員会実行委員長 中村伊知哉

何事にも始まりがあれば終わりは必ず来ます。
中島貞夫監督との偶然の出会いから始まったこの映画祭も、今回の第10回で一区切りを迎えました。
この映画祭を支えてくださった全ての方々、ありがとうございました!

京都国際映画祭総合プロデューサー 奥山和由

今年の「京都国際映画祭2023」、10周年に相応しい展示となりました。私が100の展示のイメージを出しても、その遥か上をいく企画をアーティストの皆さんはご提案してくださいます。オンラインに関しても、映像、言葉、音楽、アイデンティティーの持つ限りない可能性を目の当たりにし、今なお興奮冷めやらぬ状態です。そういった意味では、この「京都国際映画祭~映画もアートもその他もぜんぶ~」も、この10年でレベルが上がっているということに他ならないと思います。今年のアートのテーマ “「現象 その先へ」激動の時代から生まれる、次の第一歩 ” としては、『守り』から『攻め』に転じるこの時期に相応しいテーマだったのかもしれません。
さぁ、この映画祭も来年は11年目。激動から躍動へ、また新たな気持ちで様々な企画に挑んでいきたいと思います。
直往邁進!♪よぉ~い スタートぉ~♫

京都国際映画祭アートプランナー おかけんた

10回目となる京都国際映画祭も、数多くの皆さまにご協力をいただき、無事終了する事ができました。名誉実行委員長を務めていただいた中島貞夫監督の素晴らしい作品の数々を、フィルム上映でご覧いただきました。
私も「序の舞」を鑑賞し、明治初期の京都の町の暮らしぶり、名優さんたちの気魄の演技、監督の熱く激しい演出を、沢山のお客様とともに堪能致しました。微力ではありますが、中島貞夫監督の追悼をさせていただけたと感じています。来年は11回目。新たな展開も計画し、京都に根付いて、京都から世界へ発信する映画祭として尽力して参ります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

京都国際映画祭実行委員会実行副委員長 泉正隆

開催概要

京都国際映画祭2023
日程:2023年10月13日(金)~15日(日)3日間開催(先行企画を含む)
主催:京都国際映画祭実行委員会
運営:株式会社きょうのよしもと
※京都国際映画祭実行委員会より運営を委託された会社です。