どうも芸人ライターの「てんぐ」の横山ミルです。
ジミー大西さんが今年の1月1日に60歳になり、還暦を迎えました。今回、それを記念して、画業30年を超えたジミーさんの、過去から現在までの貴重な原画や版画を展示販売する展覧会が開かれるという話を聞きつけました。それがどうやら、“人生最後”の原画販売展だとか……。1月24日(水)の初日を前に行われた内覧会に行ってきました!
「次にやるときは追悼展」?
「還暦記念 ジミー大西原画展」は1月24日(水)~29日(月)までの期間、東京の日本橋三越本店本館7階催物会場で開催されています。
下の写真の向かって左にある絵が、画家になった最初のころにスペインのバルセロナで個展を開いたときの作品です。「HIDEAKI」という署名があるのは、日本に持って帰ってくるときに税関を通さないといけないので、パスポートと同じ名前を書いたそう。
そして右にある絵は、北海道夕張市から依頼で夕張の野球場を書いた作品。
ジミーさんは会場でこう語りました。
「スペイン、イギリス、ニューヨーク、そして日本でやってきたなかで代表作を持ってきました。なんばグランド花月の舞台から飛び降りたつもりで、今回、原画を販売することになりました。今回の原画展は僕が生きている間にやる最後の原画販売展だと思います。次にやるときは“追悼展”です」
そして、「今回は、なにより額(縁)がすごくいいんです。もしかしたら、中身より額が高いのかもしれないです」と語って、集まった記者たちを笑わせました。
「60歳まで精いっぱい生きてきました」
会場では次のような質疑応答がありました。
――今回の原画展に対する意気込みは?
もし皆さんが今回、(作品を)買っていただけたら、65歳から老人ホームに入ることができます。どうか僕を老人ホームに入れてください!
(一同爆笑)
原画と版画を販売しておりまして、トータル約50点の作品となっております。
――そんなに老人ホームに入りたいですか?
(取材陣に)皆さんはまだ若いからいいですけど、僕は60歳まで精いっぱい生きてきました。誰にも迷惑をかけたくないので老人ホームがいいんです!
――まだ絵は描けるのでは?
描きますよ! だから、老人ホームに入ってもマネージャーに「キャンバスと筆だけは持って来いよ」って伝えています。自分が死んだときのためにキャッシュカードの暗証番号もマネージャーに伝えていますので……。還暦って、そういうふうに死んだあとのことも考えておかないといけないんですよ。
――老人ホームに入っても描く意思はあるんですね。
それはもちろん! 老人ホームに入っても、老人ホーム代は毎月かかるので、それを振り込めるように頑張らないと(笑)。
――創作意欲は衰えていないですか?
絵の具が出る間は描き続けようかなぁと思っています。死ぬまで描くつもりです。
1人でもファンがいるなら描き続ける!
――過去には一時期、絵から離れたこともありましたね?
絵を描く時給を計算すると「焼き鳥屋さんでバイトしていたときより安い!」と思って、筆を折ったこともありました。でも、いまは1人でもファンの方がいるなら描き続けないといけないんだなぁと思っています。
――そこから絵に対する気持ちは変わりましたか?
気持ちの変化もあったし、絵のタッチも変わってきましたね。30年間の代表作を見返すと、最後のほうの作品になると糸で塗ったりしているんですね。だからやっぱり、(中島みゆきの『糸』のフレーズで)♪縦の糸はジミー、横の糸もジミー……全部ジミーです!
(一同爆笑)
要するに頭がおかしくなって、リセットして、また、追い込まれて描くと「絵のタッチも変わるんだなぁ」って、自分で新たな発見をしました。
――新しい創作意欲も湧いてきますか?
いろんな作品をおカネかけて作りたいっていうのもあるんですが。たとえば造形もやりたいけど、おカネがかかるから……。でも、老人ホーム入るまでに1回は作りたいですね。今回の販売展が成功したら、吉本に言ってみようかと思います。
――今回の展覧会を日本橋三越でやろうと言ったのはジミーさんですか?
そうです。3年前くらいに言いに行ったんです。日本三大巨匠の作品が隣のフロアで展示されているんですよ。僕なんて138番目くらいですから。でも、並ばせていただけることがすごいですから。ちょっと待って! 向こうは世界や……。じゃあ、僕は138番目じゃなくて、1338番目くらいの画家です。向こうのフロアの人は世界、僕は町内会。
(一同爆笑)
入場も無料ですし、絵が好きな人が来てもらえたら嬉しいです。生きている間の最後の原画販売展なので、ぜひお越しください! 日本橋三越さんも「今回、最後やなぁ」って言うてましたし(笑)。
「還暦記念 ジミー大西原画展」の詳細はこちらから。