ザ・プラン9のお~い!久馬が毎月主催している人気イベント「久馬歩責任編集 月刊コント」。このイベントは2009年から始まり、出演する芸人の持ちネタのコントを、久馬オリジナルのブリッジコントで繋ぎ、最後の巻末コントで一つの物語になるというもの。
久馬の魔法にかけられたかのように、それぞれバラバラだったコントが見事に繋がっていくさまは圧巻です。
2024年の7月で15周年を迎えるという「月刊コント」のイベントレポートをFANYマガジンでは「月刊コント報告書」として連載を開始しました。
2月は吉本新喜劇の座員で芸人ライターとしても活動する𠮷岡友見が担当します。
ひな祭りじゃなく節分に開催された女だらけの紅号
2月3日(土)に漫才劇場で開催された久馬歩責任編集「月刊コント紅号」。“紅号”のタイトル通り、ザ・プラン9のメンバー以外ははるかぜに告ぐ(一色といろ、とんず)、ハイツ友の会(清水香奈芽、西野)、ダウ90000(道上珠妃、中島百依子、忽那文香、吉原怜那)、天才ピアニスト(ますみ、竹内知咲)、ゆりやんレトリィバァ、そしてNMB48から小嶋花梨、水田詩織といった女性ばかりの華やかな出演者です。
シンプルな舞台セットに女性2人。今から初めての映画出演となる女優・小嶋とメイクを担当する水田のやり取りから始まります。序盤からいきなり水田が小嶋の頭をはたくなど、アイドルらしからぬ軽快なやり取りで大きな笑いを生みます。
そして月刊コントお馴染み、シルエットで出演者が紹介され大きな拍手。それぞれのコントがスタートします。
個々の実力が光る爆笑コントの連続
まずはザ・プラン9の映画撮影現場のコント「待ち」から始まり、自転車を盗もうとしたと2人の女が揉めだすはるかぜに告ぐの「自転車」、西野演じるキツイ“ひとみお姉さん”と清水扮するぬいぐるみ“ムスリ”が工作に挑戦するハイツ友の会の「教育番組」、居酒屋で女4人の飲み会が開かれる中、フラれたばかりだという道上の自虐が止まらないダウ90000の「自虐」、おばさんが街中でキャッチをしていると思いきやまさかのオチを迎える天才ピアニストの「キャッチ」、柔道着と間違えてとんでもない物を着て試合会場に来てしまったゆりやんの「柔道の大会」と爆笑コントの連続です。
違う世界を同じ世界にする久馬マジック
そんなコントの間には久馬が描くブリッジコントが挟まれます。
プラン9の映画撮影に自転車で通り過ぎるはるかぜに告ぐ、ダウ90000の女の飲み会が行われている居酒屋はとんずのバイト先だったり、そこに訪れるひとみお姉さん(西野)、天才ピアニストのキャッチ現場にゆりやんやフラれた女(道上)が通りがかり映画撮影に協力することになり…。と徐々に登場人物たちがリンクし始め、全員大集合の巻末コントへと繋がります。
居酒屋にはといろが訪れまたもやひと悶着、撮影現場ではなぜかセーラームーンの撮影が行われ、コスプレした女子メンバーに混ざり久馬もコスプレして「ムーンライト伝説」を熱唱。ゴエはタキシード仮面になりきり、小嶋はおならをさせられたり…。はちゃめちゃな展開で最後はX JAPANの「紅」で大爆笑のなか幕を閉じました。
清々しいお笑いのセーラー戦士たち
エンディングでは久馬がアイドルである小嶋と水田に「変なことさせてすみませんでした」と謝ると「清々しかったです」と答え笑いを取る小嶋。
まだ芸歴1年目、数カ月前までNSCの生徒だったはるかぜに告ぐは、当時講師だった久馬のセーラームーン姿に「先生が変わり果てた姿に…」と嘆くと久馬は「これが先生の仕事や!」と叫び客席は大爆笑。
セーラームーン愛が強く、セーラームーンについて論文を書き大学を卒業したという道上はコスプレできて感無量。同じくセーラームーン好きのゆりやんは、変身シーンを体一つで再現して沸かせました。
可愛らしくて華やかで人間臭くて何より抜群に「面白い」女の子たちに笑いと勇気をもらえた今回のイベント。
芸人やアイドルとして舞台で輝く彼女たちを見ていると“どんなピンチのときも絶対あきらめない”と筆者の頭の中でセーラームーンRのエンディング「乙女のポリシー」が流れていました。
それぞれコントとして完成しているものが久馬の手によりすべてが繋がり、まるでひとつのコントだったかのような作品になる。
そんな「壮大な」イベントを毎月、そして15年間もやり続けている彼の頭の中を見てみたい…。筆者も出演させてもらったことがあるのですが、稽古では「?」だったものが本番で見事に繋がっていくのに鳥肌が立ちました。
自分が日々生活しているように、他の人も別世界で生活を同時進行していて、それが重なり合ったり離れたりしていくのが人生。コントを見ているだけなのに自分も登場人物になったような、コントの登場人物といつか出会えるような、人生を見ているような不思議な気分になるのです。
今イベント終了後、久馬に今回のイベントでの感想や次回の意気込みなどを伺いました。
──本日の『月刊コント紅』を終えていかがだったでしょうか?
初の試みでしたが、良い感じで終われたと思います。
客席もいつもと違う雰囲気で楽しめました。また違う紅達でやりたいですね。
──今回は「紅号」ということで女性ゲストのみで構成された回でした。今日のメンバーと実際にコントをしての感想を教えてください。
NMB48はいつもと違うコントという場でしたが、お2人とも達者で素晴らしかったです。あんな恰好までしてくれて感謝感謝です。ダウの4名もさすがで芝居に引き込まれました。
少ない稽古で完璧に仕上げていただきました。
──本日の『月刊コント紅』を作る上で困ったことはありましたか?
男性陣がプラン9のみだったのですが、女性陣が若い子ばっかりで、恋人役がつくれなかったので苦労しました。
コヴァンサンが彼氏でしたが、実際に会うと違和感が出ちゃうので、セリフのみにしました。
──最後に3/25(土)に行われる『月刊コント(3月号)』の見所や読者に伝えたいことがあれば、お願いします。
最近、岡山出身者の勢いがすごいので、岡山号をやってみようと思いました。幸い、うちにも岡山出身の浅越がいたのでちょうどよかったです。
それと、芸人以外の岡山出身者も出てほしいなと思ってダメ元でオファーしたら、スチャダラパーさんにOKいただき、めちゃくちゃ楽しみです。
「月刊コント」の世界、次回は3月25日(月)にルミネtheよしもとにて開催予定です。味わったことない人は是非お試しください!
公演情報
「久馬歩責任編集 月刊コント ルミネde 岡山号〜コントはブギー・バック〜」
会場:ルミネtheよしもと
3/25(月)開場19:00/開演19:30/終演21:00
出演:ザ・プラン9、次長課長、ロングコートダディ、空気階段、蛙亭、スチャダラパー
料金:前売3000円、当日3500円、配信2000円
チケットはこちら
「久馬歩責任編集 月刊コントピン号」
4/1(月)開場18:30/開演19:00/終演20:30
場所:阿倍野区民センター大ホール
料金:前売3500円・当日3800円(配信無し)
出演者:ザ・プラン9、佐久間一行、ヒューマン中村、兼光タカシ、今井らいぱち、らぶおじさん、田津原理音
ソマオ・ミートボール、真輝志、キャツミ、清川雄司、吉住(人力舎)
販売開始:3/10(日)