板尾創路、窪塚愛流の父・洋介から「天然なんでよろしく」と言われて…!? 沖縄国際映画祭が生んだ新人監督の初長編作品

新進気鋭の映画監督・宮嶋風花の新作『愛のゆくえ』の舞台挨拶が、3月2日(土)に東京・渋谷のシネクイントで行われ、主演の長澤樹、窪塚愛流、監督の宮嶋風花が登壇しました。宮嶋監督にとって商業デビューとなる今回の作品が生まれたのは、「島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭」のワークショップがきっかけ。そこで審査員を務めた板尾創路もゲストとして駆けつけ、公開を祝いました。

出典: FANY マガジン
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宮嶋監督は、「島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭」で開催されている、25歳以下の若手映像作家の発掘と支援を目的とした「クリエイターズ・ファクトリー」で、初監督作品の『親知らず』で2018年度にグランプリを受賞。『愛のゆくえ』は、北海道を舞台に、孤独な少年少女の喪失から再生までの姿を美しい自然と幻想的な世界観で魅せた、繊細な青春ストーリーです。

北海道で食べるあんぱんの味は…

脚本の制作から6年越しでようやく公開となったことに、宮嶋監督は感無量の様子。映画は、母を亡くした宮嶋監督の半自伝的作品となっていて、前作『親知らず』で表現しきれなかったものを描き、「再度、自分の過去と対峙して乗り越えるきっかけになれば」という思いで作ったものだと語ります。

監督自身を反映した主人公・愛を演じる長澤は、台本を読んだだけで「感想をぜひ監督にお伝えしたい」と思うくらい作品に魅了されたそう。「休憩中もずっと一緒にいて、監督を観察していました」と役作りの秘訣を明かしました。

出典: FANY マガジン
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窪塚は撮影前を振り返って、「監督と樹ちゃんと(愛の母親・由美役の)田中麗奈さんと一緒にカレーをつくりました」と、映画のなかでカギとなる“カレー”を使ったワークショップのような場を監督が用意してくれたというエピソードを披露。「お互い役名だけで呼び合って家族の雰囲気を味わえたので、撮影には不安を感じることなくのぞめました」と、監督の粋な計らいに感謝していました。

また、窪塚は北海道での撮影中、ある食べ物にハマったとのこと。

「いままで自分は絶対好きにならないだろうなと思っていた食べ物があるんですけど……あんぱんです! 毎朝、朝食に牛乳とあんぱんを買って撮影に行き、撮影が終わったら、またあんぱんを買って1日を締めるっていうことをやっていましたね」

出典: FANY マガジン
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あんぱんがすっかりルーティーン化した窪塚が、「東京で食べるあんぱんよりも、北海道で食べるあんぱんのほうが、なんだか美味しいんです。雪景色を見ながら、ちょっと牛乳を飲んであんぱんを食べてホッとするのが、すごくよかった」と楽しそうに話すと、長澤が「刑事ドラマみたいだよね(笑)」とツッコんでいました。

板尾創路「何回も見返した」

イベント後半には、宮嶋監督が「クリエイターズ・ファクトリー」でグランプリを獲得した際に審査員を務めていた板尾創路が花束を持って登場。宮嶋監督に花束を渡し、「おめでとうございます。デビュー作から渋谷のこんな立派な映画館で公開ということが叶う人はなかなかいない。これからも頑張って」と、祝福と激励のメッセージを送ります。

作品を観た板尾は、「宮嶋さんの個展に行ったような気分になる映画。断片的にシーン、シーンが記憶されていって、もう1回、1枚1枚見返したいという気になる、そんな不思議な感覚に陥る映画だなと思いました」と称賛。「DVDで観ていたんですけど、実際に何回も見たいシーンに戻って見直しました。いま、なかなかそういう楽しみ方ができる映画ってないですよね」と、すっかり宮嶋監督の世界観に引き込まれていました。

出典: FANY マガジン
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さらに、「長澤さんは何もしゃべらず立っているだけで伝わってくるものがある。窪塚くんもそうだけど、被写体として2人とも素晴らしい。北海道にすごくマッチしていました」とキャスト陣についても絶賛で、「美味しいもんでも食べさせてあげたくなるような(笑)。Suicaにおカネ入ってるかなとか、熱あるんちゃうかなとかいろんなことが心配になる」と、孤独で繊細な少年少女を演じた2人に、父親のような眼差しを向けていました。

ちなみに板尾は、長澤とは数カ月前に時代劇で共演、さらに窪塚の父(窪塚洋介)とは仲良しという、主演2人と縁のある間柄だそう。「お父さんに『息子さんに会うで』って言ったら『天然なんでよろしく』と言われたので、『僕もです』と言っておきました」とニヤリ。「親父も天然なんで、“お前もじゃ”って思ってましたけどね。やっぱり親子やね」と、仲良しならではの遠慮のないコメントで笑わせました。