ケンドーコバヤシと麒麟・川島明がMCを務める大型企画『会うもの全てを笑わせる!Everytime芸人』が、動画配信サービス「DMM TV」で全話独占配信中です。「芸人たるものいつ何時、どのような状況でも笑わせなくてはならない!!」というテーマのもと、24時間のなかで番組が仕込んだ8人の刺客全員を笑わせることができるか、という過酷なゲーム。今回は、まさにこの24時間ゲームに挑戦中のアタック西本(ジェラードン)にインタビュー。話を聞いている最中に、西本の前に最後の刺客が現れて……。
小道具使い果たして「投げやり状態」
今回、『Everytime芸人』に挑戦するのは、尾形貴弘(パンサー)、とにかく明るい安村、斎藤司(トレンディエンジェル)、アタック西本(ジェラードン)、稲田直樹(アインシュタイン)、ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)、植田紫帆(オダウエダ)、国崎和也(ランジャタイ)の8人です。
カメラは芸人たちに24時間密着。この間、接触してきた人のなかに番組から送り込まれた刺客が8人いて、刺客を1人でも笑わせることができなかった場合、あるいは気づかずにスルーしてしまった場合は、その時点で即脱落となります。見事、全員を笑わせることができた芸人たちに、賞金1000万円が山分けされます。
笑わすまでに与えられた時間は「1分間」のみ。誰が刺客かわからないなか、唯一の“攻略法”は、24時間、とにかく接触した人全員を笑わせること――。そんなサバイバルバトルに、最終局面まで勝ち残ったメンバーの1人が、アタック西本(ジェラードン)。直撃して心境を聞くと、こう語り始めました。
──番組のテーマは「芸人たるものいつ何時、どのような状況でも笑わせなくてはならない!!」ですが、これについてどう思いますか?
まず、言いたいのは「そんなことないですから」ということです! マジで番組が勝手に言ってるだけですから(笑)。だってこちらも仕事でおカネをもらってやっているのに、一般の方が「そういうものなんだ」と思っちゃったら危険じゃないですか!
──配信後、視聴者の人たちに声をかけられる可能性はありますよね(笑)。
そうですね。「このインタビューを読んだ方は、本当に勘違いしないでください。プライベートでガンガン来られても、冷たい態度を取るときもあります」と書いておいてください(笑)。
──今回オファーが来たときは、どんな気持ちでしたか?
不安でした。「24時間笑わせろ」とか言われると、芸人ってワクワクもしなくなるんですよ!
──かなりの数の小道具を用意していたようですが、これまでの戦いで消費したのでは?
めっちゃ用意したんですけど、使い果たしてしまって……。いまはいろんなものを組み合わせて錬金術みたいになっています(笑)。うまくいかなかったときは勢いしかない。なかば投げやりな状態でいきますね。
「こいつギリギリでやってんな」
──今回のゲームは、仕事で全国各地を回っているときと重なったそうですね。
大阪から始まって宮崎にも行ったんですけど、大阪は「ターゲット(刺客)みたいな人」だらけだったんですよ(笑)。最初に「飴ちゃんあげるわ」って近寄ってきたザ・大阪のおばちゃんが刺客だと思ったら違って、「これは大変そうだな」と思いました。
あと、蛙亭のイワクラが地元・宮崎で毎年やっているイベント「蛙亭のハッピーサマーライブ」に出させてもらったときに、この企画があったのでぜんぜん宮崎を楽しめなくて……。イワクラがめちゃくちゃカネをかけて宴会を開いてくれたのに、僕は街にターゲットを探しに行かなきゃいけないからツラかったですよ。ぜんぜんハッピーじゃないです!(笑)
──ご自身で、ここまで勝ち上がれた理由ってなんだったと思いますか?
早い段階でネタ切れはしていて、汗もメチャメチャかいていたんで「こいつギリギリでやってんな」というのが刺客たちにもバレていたんじゃないですかね。そこが、ひと押しになったと思います。
──この企画を通して得た学びはありましたか?
一般の方って「どんなものか見せてもらおうか」というスタンスの人が多いのかなと思っていたんですけど、「意外と笑ってくれるんだ」という手応えはありました。優しい方が多いなと思いましたね。
──芸人レベルは上がった気がしますか?
精神力のレベルは上がりましたけど、技はひとつも増えなかったですね(笑)。(RPGゲームでいう)スタートした村のままみたいな。
賞金は結婚指輪代の返済に…
──現在、勝ち残ったメンバーが2人で、残る刺客はあと1人ですね。西本さんだけが勝ち残れば1000万円、2人とも勝ち残れば山分けで500万円、脱落すれば0円……という状況です。賞金で何か買いたいものはありますか?
ふだん、お小遣い制で給料を自由に使えないんですよ。先輩の結婚式の余興で10万円をもらったんですけど、その封筒を玄関に置きっぱなしにしていたらバレて……。奥さんに事情を説明したら、「それ、もらうんだ」って言われたんです。そこで初めて「え? オレ、こういうのももらえないんだ」って気付いて。
──(笑)
だから、たとえば500万をもらったとしても使えるかわからないし、これを隠していると罪も重くなる。正直に言ったら何割かもらえるのか、それともマックス手に入るのか? いま(奥さんに)言うべきかめっちゃ迷ってて……。
──1000万円になると、また話が変わってくるのでは?
1000万って数字がでかいぶん、(ニュースなどで)奥さんにバレる可能性も高くなるじゃないですか。500万のほうがまだ目に届くことなく、まるまる貰えるんじゃないかな、と密かに思っています。
──奥さまから「1000万円使っていいよ」と言われたらどうしますか?
それは絶対ないっすね。オレ、結婚指輪を2回なくして、家に借金して分割で払っているんですよ。賞金で全額返済して、余ったぶんを全額くれるとかならありがたいというか……。「ありがたい」っていうのもおかしな話ですけど(笑)。
──またオファーがあったらこの企画やりますか?
やりますよ! やりますけど、マジでイヤです!(笑) 特に(小道具で)荷物が多いんで、今度やるなら都内がいいですね。大阪から宮崎をこの大荷物で移動するのが、めっちゃしんどくて。しかも雨が降っていて、傘もずっとさしていたんですよ。これは自分が悪いんですけど、途中でお土産を買っちゃったのも大変でした。
まわりが笑いを増幅させてくれる
──西本さんの芸人活動、芸人をするにあたっての胸中やエピソードについても聞かせてください。現在、どんな思いを持ちながら仕事をしているんですか?
やっぱり早くトリオに戻りたいなって思います(メンバーの海野裕二は休業中)。去年は「キングオブコント」も2人で出たんですけど、ウケが弱かったんですよ。
前回、キングオブコント側から「決勝経験があるので2人になっても準々決勝(シード)からでいいですよ」と言っていただいたんですけど、「1回戦から出ます」ってカッコつけちゃったんですよね。そしたら準々決勝で落ちました(笑)。今年も1回戦から受けたんですけど、ややスベりでめっちゃ恥かきましたね。
──テレビ出演も多いですが、収録ではどんなことを大切にしていますか?
「頼まれた仕事をただこなす」ですね。なので、頼まれたことができないまま終わりそうになったら、無理やり入ります。『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ)に出させてもらったときも、「流れ星☆のたきうえさんに赤ちゃん対決仕掛けてください!」と言われていたのに、思っていたのと違う流れになったんですよ。でも、そこで無理やり「ちょっといい加減にしてくださいよ!」って割り込みました。
芸人が多い場所だと、自分の力というよりも、まわりが勝手に増幅させてくれるんで、そういう現場のほうがありがたいし、楽しいですよね。
──芸人人生でどん底に落ちたエピソードを教えてください。
2022年に鎖骨折って、今年は左腕打撲して、その次に毒を持っている毛虫に刺されて……ケガが続いたときは「これ仕事できるの?」って本当にやる気が出なかったですね。お医者さんから「トーク系だったらいけます」と言われたんですけど、「いや、そんな仕事、僕にはないんすよ!」って(笑)。だからケガをしている間は、ほとんど仕事がなかったんですよ。
──感謝している先輩を教えてください。
GAGさん、すゑひろがりずさん、囲碁将棋さん、マヂカルラブリーさん、タモンズさん……大宮セブンの人はマジで感謝です。
特にGAGの福井(俊太郎)さんは、イベントに呼んでくださるし、YouTubeの個人チャンネルでもボケ役で呼んでくださるし……「こうしたらいいんだよ」といろいろ道筋をつくってくださいます。SJさんは仕事で一緒になったら毎回、車で送ってくれるんですよ。相談に乗ってくれるし、めっちゃ優しいです。
インタビュー中に刺客が突然登場
──10年前の自分に何を言ってあげたいですか?
「早く角刈りにしろ」って言いたいです。角刈りは8年前からで、それまではパンサーさんみたいになりたくて頑張っていました。パンサーさんは面白くて人気もあってリスペクトしているんですけど、「そこを目指していたら勝てないから、角刈りにしろ! 勝負しろ!」と言いたいです。
──当時は勝負しきれていなかったんですか?
そうですね。ずっと大喜利できるヤツの顔をしていました。ひな壇のいちばん後ろでお客さんをにらみつけて、ひとつも前に出ずに帰る……みたいなことをやっていましたね(笑)。当時、めっちゃプライドがあったんで、10年前の自分に言っても聞かないと思います。
──西本さんにとって「笑い」ってなんだと思いますか?
……脱ぐことですね。
──(笑)。では、この企画でも、けっこう脱いでいたんですか?
そうですね。「この場所ではやめてください!」って止められたこともありました。(裸になる)赤ちゃんで全部いこうと思っていたのに、できない場面もあったから、めっちゃキツかったです。
──今日も午前中からロケをしていますが、ずっとお笑いモードなのは疲弊するのでは?
そうですね。本当に早く終わらせたくて……。
──勝利で終わらせたいですよね。
できれば勝利で終わらせたいですね。もう持ち玉も全部なくて、ずっと同じことやってるんで……。
と……ここで最後の刺客が、インタビュー場所の喫茶店に来店! 西本は「うわー! びっくりしたー!!」と思わず叫び声をあげます。果たして最後の刺客はどんな人物だったのか。西本は、無事に最後の刺客を笑わせることができたのか……その結末は番組で!
取材・文=浜瀬将樹
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