かわいいだけじゃない、ひとクセあるスタイルが人気のアーティスト、モニョチタポミチの個展「モニョチタポミチ Solo Exhibition『モニョランドへようこそ!』」が、大阪・LAUGH & PEACE ART GALLERY OSAKAで10月11日(金)から10月21日(月)まで開催されています。その開催を記念して、さまざまなアートイベントで活躍中の“お絵描き芸人“らむね・岡昌平との対談企画が実現! その場でお互いの似顔絵も描いてもらいました。
モニョチタポミチは、1996年群馬県生まれ。「お絵描きのプロフェッショナル」として主に”クールで気まま、ちょっとだけゴキゲンな女の子”を描き、個展やポップアップイベント、グッズ制作など精力的に活動しています。
今回の展覧会は「モニョガール」をはじめ、ぎょうざの妖精「ぎょうざちゃん」や「きゃろろんばにーず」、絵本「のっけてみたの」シリーズ、宇宙人シリーズなど、モニョチタポミチのオリジナルキャラクターが大集合した「モニョランド」をコンセプトに、キャリアで最大規模の個展となります。
一方の岡昌平は、1986年三重県生まれ。同期の丹下中西とともにお笑いコンビ「らむね」として活動しながら、2016年からお絵描き芸人としての活動を開始。なんばグランド花月前で、地面に水で絵を描くミストアートパフォーマンスや似顔絵イベントを不定期開催しています。現在、よしもとエンタメショップ難波店でオリジナルキャラクター「ヒキコモンスター」のポップアップショップを展開中です。
あふれる想像力から魅力的なキャラクターを生み出し続けている2人に、自身の作品や活動に込めた思いについて語ってもらいました。
2人の原点は子どものころに見た漫画
——おふたりはお互いの作品を見て、どんな感想を持ちましたか?
岡 色使いや髪の毛の描き方など、似ている部分がたくさんあるなと感じました。僕は、自分のイラストの特徴がすぐわかるように、目の書き方を工夫したり、いろいろ考えながら描いています。モニョさんはどんなふうに、この作風にいきついたんですか?
モニョチタ 小さいころから絵を描くことが好きで、小学校高学年のときにお絵描き教室で、初めてキャンバスに絵の具で絵を描きました。そのころの作品を見返すと、いまのタッチとそこまで変わってないんです。目は違うんですけど、丸いフォルムや色とかポップな感じはそんなに変わってなくて。ほかのタッチで描いたこともあるんですけど、しっくりきたのは、いまの絵の感じ。それを突き詰めて、いまに至っています。
岡 何か影響を受けたものはありますか?
モニョチタ ちびまる子ちゃんが大好きです。小学生のころからずっと読んでいて。そのころは美術目線ではなく、面白いから読んでいたんですが、原点はさくらももこさんかもしれません。
岡 僕は最初、コロコロコミックとかジャンプなど男の子が好きな漫画雑誌に出てくるキャラクターの模写をしていました。だから、いまと全然タッチが違うんです。どうしてこんなふうになったのか……。
モニョチタ グラデーション的にいまの作風に辿りついたのか、なにか切り替わったきっかけがあったのか気になります!
岡 もともと絵は趣味だったのですが、美術系の学校には行っていません。芸歴10年目のときに、絵を使って何か楽しいことができないかと、“お絵描き芸人”として活動を始めました。そこからいろんなものを見て、作風が変わっていったんだと思います。存在しないバンドのライブのフライヤーを描いたりしてました。モニョさんは、美術系の学校に行っていたんですか?
モニョチタ はい。地元の美術系の短大に通っていました。基礎となるデッサンの授業などもありましたが、課題はいまのイラストのようなテイストで提出していました。先生も応援してくれていました。
岡 のびのびと作品づくりができたんですね! 僕は学校に行っていないので、絵の専門知識がないんです。パース(遠近法)とかアイレベル(目線の高さ)とかわからなくて……。
モニョチタ 私も全然わかってないです。
岡 モニョ先生に教えてもらおうと思ったのに!(笑)
モニョチタ いままで背景はベタ塗りをすることが多かったんですが、最近、背景を描きはじめました。私もパースとか全然理解できていないので、自分で撮った建物の写真を参考に描くことが多いです。(メインビジュアルの作品を見ながら) これも実際にある建物がモデルになっているんです。
岡 当てたい! ローソンですか? 何やろう!
モニョチタ 東京にある「夢の島熱帯植物館」です。携帯の画像フォルダに保存してある写真を見て、ドームみたいな外観が「ぎょうざちゃん」だったらおもしろいなって(笑)。
岡 なるほど! 形からインスパイアされているんですね。
“かわいい”に隠された繊細な感情表現とは
——グッズもかわいいものがいっぱいですね。
岡 「ぎょうざちゃん フィギュアコレクション」、めっちゃかわいいですね!
モニョチタ 「ぎょうざちゃん」は、学生時代から描いてきたキャラクターなんです。「まっすぐ」「ピースピース」などポーズが4種類あります。カプセルに入っているので、何が入っているかはお楽しみに。
岡 僕、1個購入します! モニョさんが選んでくたさい。
モニョチタ ありがとうございます! じゃあこれで。
岡 何が出るかな。ワクワクしますね!(さっそくカプセルを開けてみる)選んでくれたのはシンプルな「まっすぐ」! メインビジュアルにも描かれているポーズですね。かわいい! 部屋に飾ります♪
——なんともいえない表情がかわいいですね。モニョさんが描くキャラクターは表情が特徴的ですよね。
岡 確かに大きく笑っている顔はないですね。
モニョチタ 基本は真顔で描いています。参考にしているのは、子どもの純粋な真顔。子どもって、何を考えているかわからないじゃないですか。大人の真顔には、いろいろと含みが生まれてしまう。不機嫌だったり、笑わそうとしていたり。そうではない子どもの純粋な真顔を作品に映し込みたいと思ったんです。何を考えているのかは、見た人が考えてくれたらいいなって。
岡 ピースとか、ポーズで表情を作っているんですね。
モニョチタ そうですね。顔の角度とか、ふし目がちな目とか……同じようで微妙な違いがあります。真顔だけど内に感情はあって。喜怒哀楽や得意げな感じなど、いろいろなニュアンスを表現しています。
岡 僕が描くキャラクターは、目だけで口がないんです。漫画的表現では、涙やびっくりマークを描くだけで、同じ顔でも違いが出せるじゃないですか。そこが面白いと思っています。日本人は、目だけで感情を読み取れるらしいので、目だけで表情は伝えられるなと。涙やハートマークなどの記号があれば感情は表現できる。モニョさんの作品を見て、お話を聞いて、似たような感覚を感じました。
コンプレックスが気にならない似顔絵
——おふたりとも似顔絵イベントを不定期で開催していますが、似顔絵を描くときのこだわりはありますか?
岡 僕は「世界一ハードルが低い似顔絵」を描いています。顔は全部一緒で、髪型と服装だけでどうにかする似顔絵。僕は芸人なので、人とかかわることをしたいと思って似顔絵をはじめたんですが、僕、似顔絵描くの苦手なんですよ。
モニョチタ 似顔絵、難しいですよね。
岡 どうしようかな、と思ったときに、「全員、顔が一緒やったら描けるわ!」と思ったんです。
モニョチタ はははは(笑)。
岡 「世界一ハードルの低い似顔絵」を描いてますって言うと「何それ」って笑ってもらえる。全員顔が一緒なので、コンプレックスを気にせずに済むのがいいところ。そのかわりチャームポイントも全部消えますが(笑)。でも意外に髪型と服装を変えるだけで、その人らしさが表現できるんです。モニョさんの絵もフォーマットがあって、髪型や服装を変えることで、その人の個性を出していますよね。
モニョチタ 私は、展示会ごとに似顔絵イベントを開催しています。私の似顔絵も目の形はすべて一緒ですね。似顔絵というより、このタッチでお客さまっぽい人を描きます。いままでは、たとえば「ラーメンを食べているところ」とかお客さんにリクエストをもらって描いていたんですけど、それだとオリジナリティがないなと気づいて。最近はフォーマットを作ってやっています。
岡 今回の『モニョランドへようこそ!』の似顔絵のテーマは?
モニョチタ お客さんが「モニョランド」に遊びに来た“記念写真”風のイラストを描きます。某ランドみたいに耳や帽子などのかぶりものアイテムと、手に持ちたいぬいぐるみを各5~6種類のイラストから選んでもらって。
——では、いまから実際にお互いの似顔絵を描いてもらいます。
岡 じゃあ、アイテムを選びますね。何がいいかなあ。サングラスもいいなあ。迷う~! 楽しい! かぶりものは、ぎょうざちゃんの帽子にします。手に持つぬいぐるみはこれにしようかな……。
モニョチタ これは「ミョ~クシャ~・テリャ~」っていう宇宙犬です。
岡 これにします! 楽しみ。描きましょう!
「作家さんと似顔絵を描き合うのは初めて」
さっそくタブレット端末を使って、お互いの似顔絵を描くことに。岡は全身を描くため、モニョチタさんのファッションチェックも入念に。作業中は、画材や仕事部屋のこだわりなど、同業者ならではのトークで盛り上がりました。そして、約30分かけてついに作品が完成!
——完成した似顔絵を見て、どうですか?
モニョチタ 作家さんとお互いの似顔絵を描き合うのは初めて。緊張しちゃいました(笑)。
岡 僕も何か持たせたいと思って、モニョさんがお気に入りだと言っていた、モニョさんのキャラクター「モジャ犬」を持たせてみました!
モニョチタ わ~、うれしい。かわいい!!
岡 目の上のほくろも描いてくれたんですね! 何回か似顔絵を描いてもらったことはありますが、ほくろをちゃんと描いてくれた人は初めてです。
モニョチタ ほくろはやっぱり大事かなって。おひげも描きました。
岡 似てるなー。ちゃんと見てくれる。かわいい!
モニョチタ 花柄の背景もかわいいです。服の生地まで細かく描いてくれて、ありがとうございます!
——おふたりはそれぞれ、今後やってみたいことや、挑戦したいことはありますか?
モニョチタ 展示会は、引き続き頑張っていきたいです。これまでよりもサイズの大きい作品も描いてみたい。お仕事では、お菓子のパッケージやアーティストのジャケットイラスト、大きな広告も手掛けてみたいです。お笑いが大好きなんで、芸人さん関係の商品にも携われたら。
岡 いいんですか? ぜひ描いてほしいです! 売れそうですよ。
モニョチタ いつもは女の子の絵をよく描くので、お仕事では、ふだんあまり書かない男性のイラストも描いてみたいです。
岡 僕は海外で展示をやってみたいです。地面に水で絵を描くパフォーマンスアートは、海外で喜ばれるんじゃないかなと。芸人さんのグッズイラストや企業とのコラボもやってみたい。自分の絵をたくさんの人に見てもらえるようになることが目標ですね。
展覧会概要
モニョチタポミチ Solo Exhibition『モニョランドへようこそ!』
日程:10月11日(金)~10月21日(月)
時間:13:00~18:00(10月18日(金)、19日(土)は19:00まで営業)
休廊日: 10月15日(火)、16日(水)
※会期中に似顔絵イベントを開催。次回は10月19日(土)に6枠限定で実施予定。1枠30分、参加費6,600円 (税込)。
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らむね・岡の「世界一ハードルが低い似顔絵」イベントは、よしもとエンタメショップ難波店で不定期開催中!
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