「1回勝負をかけて東京に行かなあかんとずっと言われていた」 からし蓮根“上京後初”単独ライブは「ここからまた勝負」

『M-1グランプリ2019』ファイナリストなど多くの賞レースで結果を残し、人気と実績を積み上げてきた漫才コンビ・からし蓮根(伊織、杉本青空)が、この4月から満を持して東京進出を果たしました。5月17日(土)には渋谷よしもと漫才劇場で、上京後初の単独ライブ『火の国Start』を開催します。引越しもひと段落し、いよいよ新天地での“Start”に息巻く2人に、現在の心境やライブへの意気込みなどを聞きました。

出典: FANY マガジン
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僕らを知ってもらうチャンスに

――東京での初単独ライブが決まったとき、どう思いましたか?

杉本 東京へ来て、まずは一発、僕らのことを知ってもらうチャンスなので頑張ろうと思いました。

伊織 上京してきましたという……とりあえず挨拶です(笑)。

――事前情報では「特別に新ネタも多数ご用意」とありますが、ネタづくりの進捗は?

杉本 そうですね。100段階でいうと……ゼロ(笑)。東京へ来てやっと落ち着いてきたので、ここからっていう感じですね。ようやく引っ越しも完了しました。

――新ネタはどれくらい披露する予定ですか?

杉本 いつも5、6本はつくるので、できればそれくらいはと思っています。が、できなければ3本……と(笑)、ちょっと幅は持たせています。

――4月に東京進出を果たしましたが、どれくらい前から考えていたのでしょうか。

伊織 12月末までに決めないといけなかったんですけど、ギリギリに決まりましたね。

杉本 本当ギリギリでした(笑)。

出典: FANY マガジン
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東京へは“逆に行こう”

――東京進出を決めたきっかけは?

杉本 2年前くらいから、行こう、行こうっていう話をずっとしてはいたんですけど。

伊織 M-1の結果次第という気はしていて、決勝に進めたら行くつもりでいました。でも結局、準々決勝で負けて、負けて、というのが続いて、もう“逆に行こう”と。

杉本 本当そんな感じです(笑)。

――芸人仲間や先輩に相談はしましたか?

伊織 けっこうしましたね。東京に進出した芸人にも、大阪に残っている芸人にもしました。

杉本 そうですね。しっかり話しました。

――とくに印象に残っている相談相手はいますか?

杉本 オズワルドの伊藤(俊介)さんは「東京どうなの?」って声をかけてくれて、「行こうと思っています」と伝えたら、「いいね」って。
去年、一昨年の東京進出組が多くて、「いろいろ言われているけど、結局、(全体の)分母は一緒だからな。場所が違うだけで、東京にいても大阪にいても一緒」と言ってくれました。

伊織 東京進出した人も含め、みんなが口を揃えて言うのが「東京に来たほうがいいよ」と。仕事量とかも気にしていたんですけど、減ることはないと思うっていう意見が多かったです。

出典: FANY マガジン
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――伊織さんは、オール阪神・巨人のオール巨人さん経営するスナックで長年、アルバイトをしていたことでも知られますが、オール巨人さんにも相談しましたか?

伊織 師匠にも相談しました。師匠は昔から東京へ行けとおっしゃっていて、1回勝負をかけて東京に行かなあかん、それでダメやったら戻ってくればええ、という話はずっとされていました。

悲しいほど「行かないで」がなかった

――東京進出についてファンの反応はどうでしたか?

伊織 発表したときに、Xとかで見た限りは“賛”でしたね。「楽しみ」という声が多かったです。

杉本 そうですね。皆さん「おめでとう」という感じで、悲しいくらいに「行かないで」みたいな人はいなかった。1人もいなかったかもしれない(笑)。

――東京進出に不安はありましたか?

伊織 いっぱいありました。仕事量、住むところ……。

杉本 おカネ……。

――上京してきた芸人は、みんな東京の物価の高さに驚いている印象です。

伊織 家賃も3倍って聞いていたんですけど、本当にその通りでした。

伊織は出世部屋「益々荘」に入居中

――引越し先の近くに住んでいる芸人はいますか?

杉本 僕はまったくいないですね。

伊織 僕は4月までに家が決まらなくて、カゲヤマの益田(康平)さんの実家に住まわせてもらってるんですよ。「益々荘」です。すごく楽しいんですけど、練馬区のめちゃくちゃ遠い場所にあって、大阪で言うと(京都のよしもと)祇園花月に住んでいるみたいです。でも、楽しいですね。

出典: FANY マガジン
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――「益々荘」には以前、相席スタートの山添寛さんも住んでいたと聞きます。

杉本 出世部屋です。

伊織 益田さんの実家に入るときに、ご両親と面談があるんですね。そのときお父さまが「大阪芸人が東京に上京してきて、売れる人と売れない人の違いは何かわかるか?」っていう話をしてくださって。「ちょっとわからないです」と答えたら、「濁らないことだ」と。「東京の人はクールに振る舞うところがあるから、そうじゃなくて“大阪魂”をしっかり見せつけてほしい」っておっしゃったんです。
だから僕は、お父さんに「すみません、僕、熊本出身なんです」と言ったら、「そうか……」って。「じゃあ、大阪……熊本魂を見せつけてほしい」と言い直してくれました(笑)。寝ずに考えてくださったらしいです。5月からはまた別の芸人とルームシェアを始める予定で、いま審査待ちです。受かるかどうか……。

まずは“来るもの拒まず”の姿勢で

――東京でやりたい仕事はありますか?

杉本 いまは来るもの拒まずというか、何でもやらせてもらって、これが向いている、向いていないというのを見つけていけたらなと思っています。

伊織 そうですね。何でもやりたいです。惚れやすいタイプで何でも好きになっちゃうので、教えられたことは全部好きになる。生まれたてのひよこみたいなものです。教えられたら、それについていっちゃうし。

杉本 お母さんだと思っちゃう(笑)。

伊織 毎日、産み落とされています。

出典: FANY マガジン
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――共演してみたい人はいますか?

杉本 僕はラップが好きなので、HIPHOPの方とか。プロレスも好きだし、ハロプロも好きだし……。ただ、僕は好きな人を目の前にすると、ひと言もしゃべれなくなるっていう弱点があるんですけどね。

伊織 僕は西野カナさんが好きなので、一緒にいちご狩りとか行きたいです。それを番組にしてほしい。動物も大好きやし、(福岡ソフトバンク)ホークスを応援していて、野球もすごく好きやし、ケーキとかもつくるし、旅行も好きです。だから、旅行行きたいです! 最近、パスポートもとったので海外にも行けます。

「ここでまた真価が問われる」

――東京と大阪でウケ方の違いを感じることはありますか?

杉本 それは変わらないですかね。ただ、大阪だと一緒にやるメンバーや来てくれるお客さんも同じだったりしたんですけど、東京では初めて僕らの漫才を見る人の前でやるっていう感覚はありますね。

――M-1をはじめ、賞レースへの思いを聞かせてください。

杉本 ここでまた真価が問われるのかなと。大阪のときはある程度イメージがついていて、M-1の(予選を観に来る)お客さんにも「からし蓮根はこういうヤツら」だというのがあったんですけど、東京で(予選を)受けるとなると、また変わると思います。だから、フラットな目線で観てもらえる場所で、また勝負かなと思っています。

出典: FANY マガジン
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――2019年に決勝に進出して、そこからなかなか上がれていない状況ですが、その間の心境はどうでしたか?

杉本 逆に何で(2019年は)いけたんだろうというくらい難しいですね。よくいけたなって。

伊織 いままで、毎年そこ(M-1)に向かって漫才をやってきたので、東京へ来て心機一転! 何も考えずに……(笑)。もちろん、(決勝へ)いけたらいちばん嬉しいです。だから、いままではいけなかったときに落ち込んだりしていましたけど、よう考えたら別にネタを考えているほうでもないし。

杉本 よう考えたら!?

伊織 それやったら、あまりグッとならんでもいいのかなと。

杉本 そうやね。たしかに。

伊織 もちろん、いきたいのは、いきたいです。

――最後に単独ライブ「火の国」への意気込みをお願いします。

杉本 漫才はもちろん、それぞれの特技や個性も出して、この1本を観たら、僕らがどういうヤツらなのかわかるライブになると思いますので、ぜひ、観に来てください。

公演概要

からし蓮根単独ライブ「火の国Start」
日程:5月17日(土) 18:45開場/19:00開演/20:00終演
場所:渋谷よしもと漫才劇場
チケット:前売2,500円/当日3,000円/配信1,500円

FANYチケット(会場)はこちらから。
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。

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