伝説のゲームコーナーライブ『いそべのゲームワールド』が8月27日(水)に東京・ルミネtheよしもとで開催されます。30年以上の歴史を誇るまるむし商店・磯部公彦主宰のライブで、最近では大阪・関西万博の会場でも盛り上がりました。そんな、特に関西で高い知名度を誇るライブですが、東京の人たちにも『いそべのゲームワールド』の面白さを伝えたい! ということで、今回は“常連”のミキ(昴生、亜生)とちょんまげラーメン(田渕章裕、きむ)に、その魅力を語ってもらいました。

今回の『いそべのゲームワールド in ルミネtheよしもと~大阪芸人VS東京芸人で本気のゲームバトルや!~』は、大阪芸人チームと東京芸人チームが激突します。参戦するのは、大阪芸人チームがフースーヤ(田中ショータイム、谷口理)、パーティーパーティー(ひらかわ、きむきむ)、ツートライブ(たかのり、周平魂)、東京芸人チームがミキ、ちょんまげラーメン、ヘンダーソン(子安裕樹、中村フー)の計6組です。ミキとちょんまげラーメンの2組は「東京芸人」としての参戦ですが、過去に何度も『いそべのゲームワールド』に出演した経験があります。
「こっちはギチギチなんで…」
──『いそべのゲームワールド』の「ここが面白い」というポイントを教えてください。
昴生 吉本の若手が絶対に通るライブが『いそべのゲームワールド』です。これに出て、磯部さんに怒られて、やっと一人前になれます。
田渕 ゲームの内容も普遍的なんで、ベタなボケも覚えていけるんですよね。
昴生 見て楽しんでもらえるとは思うんですけど、こっちは(決まりごとで)ギチギチなんで……。
きむ そんなこと言われて、お客さん楽しめるかな?
昴生 (笑)。みんな楽しそうに見えるけど、フリーでボケるヤツなんて1人もいないですから!
亜生 “決まりごと”のオンパレード!
──(笑)
田渕 たまにフリーでボケても、磯部さんに「おもんない!」って言われます(笑)。
亜生 芸人になって初めて「おもんない」と「そんなんやめとけ」を言われる場所です。しっかり芸人が怒られるところを見られるのが、『いそべのゲームワールド』なんですよ。
田渕 そこが面白いところやね。
亜生 ヘンダーソン・中村(フー)さんなんて、4回くらい怒られてますから。
昴生 ルール説明のときにボケるヤツがおるんですけど、磯部さんが注意するのは勝手にボケるヤツ。気に入ってるヤツは褒めます。
──(笑)
亜生 気に入ってるヤツには先に「これを言え!」って仕込んでますから。
田渕 気に入られてないヤツは、ボケてもピッて笛吹かれて終わりなんですよ。
昴生 亜生はめっちゃハマってるからな。
亜生 ライブ前に「亜生、あれやるぞ。俺が言うたらあれやってこい」って打ち合わせがあります(笑)。
昴生 2月にNGK(大阪・なんばグランド花月)でもやったんですけど、『いそべのゲームワールド 』じゃなくて『いそべと亜生のゲームワールド 』みたいになってたよな(笑)。
きむ 「それありなんや!」っていう反則技みたいなくだりもあったし(笑)。
昴生 今回もあるんかな?
──ライブで新たな流れが生まれたんですね。
田渕 みんな悪ノリで同じくだりを何回もやってました。
きむ マジでそのくだり見るだけでも価値ある。“あれ”をルミネでもやるのか?
昴生 あんなんアカン笑いよな(笑)。
きむ めっちゃ面白いけど、テレビで見たらキレると思う(笑)。
亜生 でも、それをやると毎回爆笑で……。この間も磯部さんから「亜生、またあれやるぞ」って言われました。
きむ だいぶ手応えがあったんやな(笑)。

成功と失敗のタイミングの妙
──そんなNGKで行われたライブが大好評だったと聞きました。
亜生 磯部さんが「NGKの爆笑の記録を塗り替えた。あんなに(笑いで)揺れてたNGK初めてや」って言うてはりました。
昴生 あれから半年経ってんのに、まだ言うてはりますから(笑)。
田渕 まだ味するんや~!
──それだけ盛り上がったということですね。
亜生 「『いそべのゲームワールド』でツアーを回りたい」とおっしゃってましたね。ゲームのみでネタなし!
きむ 普通はネタやってからやろ!(笑)
亜生 それこそ前回好評だったのを受けてか、これから『いそべのゲームワールド』のライブも増えるみたいです。吉本も「これはウケるコンテンツや」って気づきました!
きむ でも、『ラヴィット!』(TBS系)に「パンツでジャパン」(チームでブリーフを脱ぎ履きしてリレーをしながら、郷ひろみの「2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」の歌詞の“ジャパン”に合わせて手をつなぎバンザイをする)の企画を出しているんですけど、1回も通ったことないです。
昴生 やってほしいな~(笑)。MCの麒麟・川島(明)さんも絶対にやったことあるゲームやから喜びはると思う!
──これまで参加してきたなかで、印象に残っているゲームは?
田渕 やっぱり「パンツでジャパン」、「パチパチセブン」(1から順に番号を言っていき、7の倍数と7を含む数字のときだけ「ワン」と犬の鳴き声をしなければならない)、「ポーズを合わせましょう」(目隠しをしてテーマに合わせたポーズをそろえる)、これは面白い。ハズレなし!
亜生 「ポーズを合わせましょう」で、ときどき2個目ぐらいで合うときがあるんです。たとえば「大谷翔平」のお題で全員が同じバッターのポーズをしても、磯部さんが「指が違う!」って。
きむ そんな厳しいんや(笑)。「パチパチセブン」も、僕とたぶっちゃん(田渕)がうますぎて、最後ずっとインディア……あ、ごめんなさい。ちょんまげラーメン2人で残ったことがありました。
昴生 「ちょんまげラーメン」にまだ慣れてないやん。自分らで変えたんやろ!?
きむ 喋っているのは、インディアンス時代の思い出やから(笑)。
亜生 「パチパチセブン」は、長く続いてしまうと、磯部さんから「うまい。おもんない!」って言われるんで、僕らもお客さんの空気と磯部さんの顔色をうかがいながら失敗しないとダメなんです。
田渕 そこやねんな~。成功と失敗のタイミングの妙。そこの絶妙さが面白い。

後輩から見た磯部は「全部独特」
──今回、ルミネでどんなゲームが開催されるのか楽しみです。
昴生 おなじみのゲームもあるんですけど、絶対に1公演に1個は新しいゲームを入れるんで、楽しみにしてほしいですね。アカンかったら捨てて、また新しいのを試して……の繰り返しなんで。
田渕 ゲームがうまくいかなかったとき、切るスピードがめっちゃ早いんですよ。
亜生 始まる前に「みんな、ゲームがおもんないって思ったら、俺にウインクしてくれ」って言うてくれはります(笑)。
田渕 ゲームが始まった瞬間、みんなバチバチッてウインクして、すぐに終わったこともありました。
亜生 ウケたら長いし、スベッたらめっちゃ短い(笑)。
──磯部さん自身もどんな人か気になります。
昴生 漫才師の大先輩で、ゲーム中も厳しいですけど、楽屋では僕らとも普通に喋ってくれる“ノリのいいおっちゃん”みたいな感じです。あと、歩き方、動き、喋り方、全部独特ですね。
亜生 僕は釣りが好きなんですけど、よく「あそこに行ってきたわ」って釣りの話もしてくれます。
きむ あと、宇宙一髪型ダサい。
昴生 それはええねん(笑)。
田渕 トイレが楽屋なんかな?と思うぐらいトイレにいます(笑)。トイレでめっちゃ会います。

──ライブが非常に楽しみになりました。最後に読者にメッセージをお願いします!
昴生 ナインティナインさんの世代もやったことがある歴史の深いゲームコーナーですし、芸人、お客さん全員が楽しめるライブです。僕ら正直、コーナーに出ることってあまりないけど、『いそべのゲームワールド』だけは、話が来たらすぐに「出ます!」って言うくらい楽しい。若手のころを思い出すんですよ。
亜生 磯部さんは、常に若手として接してくれる。この芸歴で“そんなスカされ方する?”ってこともあるし(笑)。
昴生 はっきり「おもんない」って言われるのは、あの現場だけです(笑)。
亜生 初心に戻れるんですよね。
昴生 そこで“まだまだ俺らはアカン”って思えるんです。いまは、慣れてるから自分たちの力で前に出られるけど、この現場でもう1回、『若手のころの恐怖』を思い出しますから。
田渕 足出えへんなるよな~。
昴生 そういうのも含めて、みんな、ほんまに楽しんでいるんですよ。
田渕 芸人があんな笑い転げるライブって数少ないと思います。わけわからんことがいっぱい起こりますから。
きむ 僕、コーナーとか舞台で自分がウケたのって、たぶん『いそべのゲームワールド』が初めてやと思います。このライブのおかげで芸人を続けられたって思えるんですよね。そもそも、ゲーム自体が面白いんで、誰が見に来ても楽しめるイベントだと思います。

(おまけ・インタビュー終了後)
亜生 取材でこんな盛り上がることってないですよね?(笑) みんな磯部さんのことが大好きなんですよ。ほんまに『いそべのゲームワールド』は楽しい。話してたら磯部さんに会いたくなってきたな~。
昴生 会いたくはならんやろ!
──(笑)
田渕 たまに寝る前に思い出すけど。
昴生 思い出すか!
文・写真:浜瀬将樹
公演概要
『いそべのゲームワールド in ルミネtheよしもと~大阪芸人VS東京芸人で本気のゲームバトルや!~』
日程:8月27日(水) 開場 18:30 / 開演 19:00
場所:ルミネtheよしもと
チケット:前売3000円(税込み)
FANYチケット:https://ticket.fany.lol/reception/13072/14119