“海洋生物好き”で知られるお笑いコンビ・ココリコの田中直樹が6月1日(火)、自身がアンバサダーを務める国際的な非営利団体「MSC(海洋管理協議会)」のオンラインプレスセミナーに登壇。イベントでは、乱獲などによって食卓の魚の値段が高騰する可能性も指摘され、海洋資源を守ることの大切さについて熱い議論が交わされました。
MSCは、将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度などを通じて、適切に管理された持続可能な漁業の普及に努める国際非営利団体です。
その日本事務所であるMSCジャパンは、6月1日(火)から7月31日(土)まで“小さな「海のエコラベル」を選んで、大きな海を守ろう”キャンペーンを実施。MSCの環境規格に適合した漁業で獲られた水産物に認められる「海のエコラベル」を広く知ってもらい、日々の生活のなかでそのラベルが付いた製品を選んでもらえるよう、期間中にいくつかのキャンペーンを行う予定で、今回のメディアセミナーもその一環として開かれました。
1000品目以上あるエコラベル水産品
セミナーの冒頭、MSCジャパンプログラム・ディレクターの石井幸造氏、そして広報担当マネージャーの鈴木夕子氏が登壇。エコラベルが付いた水産品は国内に1,000品目以上あるにもかかわらず、まだまだ認知度が低いこと、さらに日本の消費者1000人を対象にした意識調査の結果、サステナビリティへの関心は高まっているものの、行動に移せている人は4割弱にとどまっていることなどが報告されました。
日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科の大石敦志教授の基調講演では、アジやサバなど身近な魚の価格が、30年後には現在の1.3〜1.5倍になると予測。子どもをもつ主婦の約7割が「魚をおろしたことがない」という調査結果が出ていることも踏まえ、「魚料理離れを食い止めるためにできる活動」について紹介しました。
魚と一緒に「毛量も増えてほしい」
セミナーの目玉は、MSCアンバサダーの田中と、石井氏、大石教授によるトークセッション。「危機が迫る水産資源を、将来の世代に残していくには?」というテーマで、熱い議論が繰り広げられました。
2018年にアンバサダーに任命されたとき、この40年で魚が半数に減ったという事実を知ってショックだったと話す田中。「このままではどんどん魚が減ってしまうので、なんとかして増えてほしい」と真剣に語りながら、「海の生き物と同様、僕の毛量も増えてほしいです」と付け加えて笑わせます。
「僕ができることなんて、エコバッグを使ったり、プラスチック容器を洗ってリユースすることぐらいですが。“海のゴミ”の8割が“街のゴミ”であると認識してもらうことは、大きな意味で今後の漁業にも関係してくることだと思うし、これからもそういったことを発信していきたいです。僕は自分の子どもにも、そのまた子どもにも魚を食べてほしいし、人と同じような気持ちを魚に対しても持っていたい。魚を減らさないために何ができるか、引き続き考えていきたいです」
気になる動画の内容は!?
今回のキャンペーンでは、動画も制作されました。その気になる内容は、「MSC特殊調査員」に扮した田中が大石教授とともに、食卓で寿司桶を囲む家族の前に突然現れ、「いま3千円で食べられるこのお寿司、将来は3万円になっているかもしれませんよ!?」と問題提起し、エコラベル製品を選ぶことの大切さについて熱く語るというもの。
動画を見て、「私も出たかった」と笑う石井氏。魚が減少している理由について「過剰な漁獲もそのひとつ」と指摘したうえで、「エコラベル製品を買うことで、消費者も水産資源を守ることができる」と、その意義を説明します。
さらに、ヨーロッパでは「サステナビリティ」が新しい商品価値として定着していることを挙げ、「日本でもそうなっていくと思う」と将来の購買層でもある若者へ期待を寄せました。
サステナブルな社会の実現は、身近な行動から始まります。田中が、こう呼びかけます。
「僕がよく買うエコラベル製品は、マクドナルドのフィレオフィッシュやセブンイレブンの辛子明太子なんですが、ほかの水産品に比べて特別値段が高いわけでもないし、見かけたらぜひ手に取ってみてほしいです」
大石教授も「一人ひとりの行動が社会を動かします。『海のエコラベル』も、いかにファンを増やしていくかが大事だと思います」と、改めて認知度を上げることの重要性を説きました。
“小さな「海のエコラベル」を選んで、大きな海を守ろう”キャンペーンは、6月8日(火)の世界海洋デーに合わせて7月31日(土)まで開催中。キャンペーン動画をTwitterでリツイートした人のなかから、抽選でエコラベル製品などがプレゼントされます。また、MSCをさらによく知ってもらうための「MSC認証漁業」動画なども7月に公開予定です。
キャンペーン動画はこちらから。
MSCジャパン公式サイトはこちらから。
公式Twitterはこちらから。