大阪24区創作落語プロジェクト『参地直笑祭』が足掛け8年でついにフィナーレ! 最後は西成区「僕の落語家人生はここから始まりました」

桂文枝が大阪市24区それぞれの特色を盛り込み、創作落語で地域の魅力を発信するプロジェクト『参地直笑祭』が、スタートから足掛け8年を経て、12月14日(日)にフィナーレを迎えました。この日、西成区の区民センターで行われた「参地直笑祭in西成区」には文枝のほか、弟子の桂三語やハイヒール(モモコ、リンゴ)が登場。最後は大阪市の横山英幸市長も文枝をねぎらいに訪れ、大団円を迎えました。

出典: FANY マガジン
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文枝「最後に西成区に来ました」

『参地直笑祭』は、大阪市と吉本興業が締結した地域活性化などを目的とした包括連携協定に基づいたプロジェクトです。文枝は2018年3月のスタート以来、各区を訪れて“しあわせの”と冠した創作落語を作り続けてきました。

前説を務めたのは“西成区住みます芸人”のらいおんうどん(ガオ~ちゃん。しげみうどん)です。拍手の練習やガオ~ちゃんのギャグ“がおー”を全員で実演して客席を温めます。

幕が上がると、スーツ姿の文枝が登場。「『参地直笑祭』は、吉村洋文大阪府知事が大阪市長時代に企画が立ち上がり、住之江区から始まりました。そして最後に西成区に来ました」と挨拶し、これまでの歩みを振り返りました。

出典: FANY マガジン
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プロジェクトのスタート当初は80歳で終えたかったそうですが、コロナ禍もあって8年かかり、82歳でファイナルを迎えることに。文枝は「私の目標は90歳まで元気に舞台に出ること。先輩の黒柳徹子さんが92歳で頑張っておられるので、私も頑張りたい」と宣言します。

また西成区の落語を作るため、10回は足を運んだという文枝は「最後まで大いに笑ってください」と会場に呼びかけました。

続いて、出囃子に乗ってハイヒールの2人が登場すると、大歓声が上がります。13歳まで西成に住んでいたというモモコは「懐かしい」と話します。漫才では2025年を振り返り、今年の一文字や大阪・関西万博など多岐にわたる話題を盛り込んだネタで会場を盛り上げました。

文枝の弟子である三語は「人間は気の短い人間と長い人間がいる」という導入からネタへ。短気とのん気の対比を鮮やかに描きながら、「莨(たばこ)の火」を口演しました。

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横山英幸市長「本当にありがとうございました!」

そしていよいよ文枝が登場し、この日限りの創作落語「しあわせのウェストサイドストーリー西成」を披露。マクラでは「24区の最後が西成区というのも不思議な縁を感じている」と話します。いまから60年前、師匠である五代目文枝に入門。西成・玉出にあった師匠宅の住み込み時代のエピソードを明かしました。

創作落語を作るにあたって改めて西成を歩いたという文枝は、「人間にとって何が大事なのか勉強になりました」と話します。そして本題に入り、西成区を紹介するタウン誌の編集部員となった男性と編集長の目を通して、実在する喫茶店などの名前を挙げながら、西成区や区民の姿を生き生きと描いて客席を沸かせました。

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スペシャルトークでは、西成区の稲嶺一夫区長が登壇。「人情味のある町というところと、わりとリアルな話で演じてもらいました。西成のスポットも取り入れていただき、短い時間のなか、凝縮してくださりありがとうございました」と文枝に感謝します。

文枝は、三語と一緒に現地調査した際にカラオケ居酒屋にも足を運んだとか。噺のなかで昭和のヒット曲について取り上げたことについて、「実は前日に盛り込むことにしました」と明かしました。

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ここで、スペシャルゲストとして横山市長が登場。市長は「24区落語、本当にありがとうございました! 西成区は便利で、エリアごとにいろんな顔があると思いました」と創作落語の感想を語りました。

文枝は「24区、本当に大変でした。僕の落語家人生は西成区から始まりました。もう一度、西成区の楽しい落語を作ってみたいなと思いました」と『参地直笑祭』を振り返ると、最後に「みんなが集まれる寄席を作りたい!」と夢を語り、大盛り上がりのうちにフィナーレを迎えました。

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