学生を対象とした吉本興業の3DAYインターンシップ「よしもと冒険」が、今年も2月5日(木)~7日(土)に開催されました。今回、学生たちが体験したのは、昨年に引き続き吉本興業のビジネスの原点、根幹である劇場運営事業。今年も関東・関西の2カ所でインターンシップが実施され、それぞれ個性の異なる劇場の舞台裏を学生たちが体験! 吉本興業の社員やスタッフのほか、いぬ(有馬徹、太田隆司)やラフ次元(空道太郎、梅村賢太郎)といった人気芸人たちと交流しながら、 “笑い”を“仕事”にする現場を学ぶ3日間を過ごしました。

関東ワークショップのテーマは2つ
今回、関東のインターンシップに参加したのは、多数の応募者のなかから狭き門をくぐり抜けた11人(男性7人、女性4人)。
1日目は、東京・渋谷にある渋谷よしもと漫才劇場で、お笑いライブ「渋谷Kiwami極LIVE」「ド桜のコーナーライブ『桜会』」を見学したほか、公演の準備やリハーサルの様子を見学し、支配人から劇場事業についての説明を受けました。

2日目は、支配人の案内で渋谷よしもと漫才劇場の楽屋や小道具部屋など裏側を見学し、その後は劇場スタッフを交えて座談会を実施。プロデューサー3人を加えたグループトークや、音響、照明などの技術スタッフたちとの座談会で、学生からバラエティに富んだ質問が飛び交ったあと、最終日のワークショップのテーマが発表されます。
そのテーマは2つ。ひとつは、昨年4月にオープンしたばかりの「渋谷よしもと漫才劇場」のPR施策を考えること。そしてもうひとつは、渋谷よしもと漫才劇場の所属芸人である「いぬ」を人気者にしよう! というもの。
と、ここで最終日に向けて、いぬの2人が登場。インターン生たちは、いぬのパーソナリティや趣味、特技、企画へのこだわりや楽しかったライブについてなど、ワークショップの課題に向けてヒントとなるようなことを聞き出そうとさまざまな質問をしていました。


そして、迎えた最終日のワークショップ。初日に3つのチーム(「さぬきうどん」「残像」「DJ健康」)に分かれたインターン生たちがアイデアを出し合い、企画内容を詰めていきます。
もちろん、社員たちもインターン生をサポート。質問に答えたり、アドバイスをしながら、ワークショップが円滑に進むようチームをアシストします。学生たちは黙々とPCに向かって作業したり、活発に議論を交わしたり、ときには笑いが起きたりと、企画会議は終始、和やかに進みました。
プレゼンテーションはM-1形式!
会議後に資料作成、プレゼン準備を経て、いよいよプレゼンテーションがスタート!
ちなみに、今年のワークショップはこれまでと違い、M-1形式で行われることに。作家やプロデューサー、支配人らとともにいぬの2人も審査員として参加し、「笑神籤(えみくじ)」ならぬ「いぬくじ」が用意され、くじを引いて発表の順番を決めます。

最初に発表するのは「渋谷よしもと漫才劇場」のPR施策案。自称・審査員長の太田がいぬくじを引き「エバース!」と発表してインターン生を笑わせる場面もありつつ、くじでトップバッターをなったのは「DJ健康」でした。
「『1人来場』を『2人来場』へ」と題されたDJ健康の新規開拓案は、無料マッチングアプリ「Tinder」を使った施策。既存のファンを「最強の集客装置」と捉え、ひとりでお笑いライブに来ているお客さんに、Tinderを使って気になる人をお笑いライブ(デート)に誘ってもらい、ペア割でお得にお笑いライブに来てもらう、というもの。
「最初は基準点になるから難しいなぁ……」(支配人)と、かなりM-1寄りなコメントでインターン生を笑わせつつ、審査員6人が10点満点で評価した結果、DJ健康の点数は49点でした。

続いては「さぬきうどん」。さぬきうどんは「軍団作成オーディション on YouTube」と題した、劇場の公式Youtube上で芸人オーディション番組を作成し、渋谷よしもと漫才劇場発の軍団を作るという施策と、「とびだせ!渋谷劇場の森!」と題した、渋谷のハチ公前でドンデコルテが選挙風に漫才を披露し、チケットを手売りするという施策の2つを発表します。
こちらは、「劇場内でできる施策も考えてほしかった」という意見もありつつ、「自分の言葉で発表している感じはよかった」と、プレゼンそのものを評価する審査員も。結果は42点でした。
最後に発表した「残像」は「謎を解き明かし現代に戻れ!渋谷タイムトラベル」と題し、20年前の渋谷にタイムスリップして、人気芸人とともに渋谷の街を歩きながら謎を解くという謎解きゲーム形式の施策を発表。楽しみながら渋谷の歴史とともに劇場の場所を知り、お笑いライブを体験することで新規顧客獲得につなげたい考えを述べます。
「せっかくなら、笑いにあふれた吉本興業らしい謎解きだったらもっといい」などという意見もあるなか、結果は49点。DJ健康と並んで1位となりました。
「いぬ」を人気者にするライブ企画とは?
続いては「いぬ」を人気者にしよう!という施策を発表。
さぬきうどんは「Unofficial 髭男ディーズム」と題し、太田のような髭(自慢)の男たちが“Official髭ダンディー”を目指し、競い合うライブを企画。続いて残像は「伴犬(ばんけん)」という、ウケたら有馬がピアノを弾き、スベったら太田が韻を踏むという、2人の特技を生かしたライブ企画を発表。

そしてDJ健康は「いぬがちやほやされたいだけのライブ」と題した、最初の施策で提案した「Tinder」と再び連携し、女性人気のないいぬがモテを学び、若い女性を中心とした新規ファン層を獲得することを目的とした施策を発表しました。
そして、審査員がそれぞれいいと思ったチームを選んだ結果、いちばん多く票を集めた「残像」が優勝に輝きました。それぞれ個性的なアイデアに、いぬの2人も迷った様子でこう評しました。
「残像さんに入れさせていただいたんですけど、明日だったら違うチームに入れてたかも」(有馬)
「やるほうとしては、たくさんのお客さんに来てほしいし、ちゃんと集客のあるゲストに頼って、好きになってくれる人に好きになってもらうのがいいかなと思ったので残像さんに入れました。でも、さぬきうどんさんの企画のような、あまり見えてないほうがやってて楽しいかも」(太田)

参加した学生たちは、3日間の体験について、口々にこう語りました。
「(チーム名がさぬきうどんなのに)コシが固まってなかったと思うんですけど、こんなに自由な発想をさせてもらうインターンも初めてで、いぬさんにもお会いできて楽しかったし、考えるのも楽しかったです」
「自分がいちばん面白いと思ったことをそのまま言って評価してもらえたのが、恥ずかしかったけど嬉しかったです」
「劇場の家族感や、今日のワークショップでも社員のみなさんがよく笑っていたのを見て『ああ、お笑いの会社なんだな』と思いました。いぬのファンにもなりました」
「お笑いが好きでエントリーしたんですけど、お笑いを軸に好きをかたちに仕事ができるって本当にいいなと思いました。3日後、大学で漫才を披露するので『がんばろう』と思いました」
関西でもインターン生たちが大活躍!
一方、関西では学生8人(男性3人、女性5人)がインターンシップに参加し、大阪・道頓堀のよしもと道頓堀シアターをメイン会場に“お笑いの仕事”を体験しました。

初日、2日目は、よしもと道頓堀シアターの支配人から、劇場の特色などについて説明を受けるなどしたあと、今回のプログラムを通じて考える課題のテーマ発表も。
①「よしもと道頓堀シアターの認知度を高めるPR施策」②「外国人観光客を誘致するための施策」③「道頓堀シアターならではの企画立案」という3つのテーマです。
さらにインターン生たちは、吉本新喜劇の座員たちによるガチンコのネタバトル『寛平GM杯 ネタバトル〜吉本新喜劇記念日への道〜』、訪日外国人向けの公演『YOSHIMOTO COMEDY NIGHT』のリハーサルから本番までの見学もしました。

そして、いよいよ最終日の3日目! よしもと道頓堀シアターと吉本興業大阪本部を会場に、イベント観劇やラフ次元(空道太郎、梅村賢太郎)への企画案の中間プレゼン、そして3日間の締めくくりとなる課題発表が行われました。
道頓堀シアターでフードを堪能
インターン生たちは、まずは正午からよしもと道頓堀シアターの人気イベント「よしもとお笑いレストラン」を観劇。
開演前に、コントの立ち位置やきっかけを確認するリハーサルを見学したあとは、整理番号順の入場案内や電子チケットの読み取り、再入場パスの配布など、劇場運営のサポート業務を担当。緊張しつつも笑顔を忘れず接客に臨み、実際に来場者と直接ふれあう貴重な経験となりました。
公演はチケット完売で、開演前のフードカウンターには長い列が。インターン生もそれぞれ好みのメニューを選び、観劇しながら昼食を楽しみます。
オムライスやロコモコ、タコライスといったご飯ものが好評で、なかにはcacao考案のバレンタイン限定スイーツを追加注文した学生も。食事とお笑いを同時に味わえる、よしもと道頓堀シアターならではの魅力を存分に体感する時間となりました。

この日のMCを務めたのはラフ次元の2人。「レストランに来たら、たまたまお笑いをやっていた、というイベントです。お腹いっぱい食べて、たくさん笑ってください」と呼びかけ、会場を和ませます。
9組の人気芸人が漫才やコントで会場を沸かせたあと、2~3組ごとにMCを交えた試食会やゲーム企画を挟む構成で、最後まで飽きさせない内容が好評でした。プレゼントコーナーもあり、演者との距離の近さを感じられる120分となりました。
「SNS世代ならではの新しい発想」
観劇後は吉本興業大阪本部へ移動し、事前にチームごとに練り上げてきた「よしもと道頓堀シアターならではの企画案」を、ラフ次元に向けて発表する中間プレゼンの時間です。
ディナーショーやシアタージャックなど、多様なイベントに出演してきた2人に対し、「MCが進行しやすい企画とは」「事前にどのような準備をしているのか」といった実践的な質問が相次ぎます。なかには「演者が楽しむことと、お客さんの満足度は直結しているのか」という本質を突いた問いもあり、2人は一つひとつ丁寧に答えていました。

そして、3チームがモニターを使って中間プレゼンを行います。
1班は劇場専用の宣材写真撮影をライブとして楽しむ「よしもと道頓堀写真館」、2班は芸人がオリジナルドリンクを考案・発表する「ドリンクプレゼンバトル」、3班は例えば炎(タキノルイ、田上)をメインキャストにしたグルメ企画「炎の頂上決戦」を提案。
いずれも商品化や飲食促進、さらには後日の配信展開まで見据えた内容で、ラフ次元・梅村は「SNS世代ならではの新しい発想」と感心した様子。空も「企業とのタイアップが実現したら面白い」「本当に料理が得意なメンバーを集めた真剣勝負も見てみたい」と具体的なアドバイスを送りました。

アイデアいっぱいの課題発表
60分の休憩と90分の作業時間のあとは、いよいよ3日間の総まとめとなる課題発表会です!
テーマは「外国人観光客を誘致するための施策」「道頓堀シアターならではの企画立案」「よしもと道頓堀シアターの認知度を高めるPR施策」の3つ。各チームが工夫を凝らした提案を発表しました。
「外国人観光客の誘致」をテーマにした発表には、「YOSHIMOTO COMEDY NIGHT」出演者のぶよし、世界のこーぞー、シャルロットが参加。「日本語学校へのチラシ配布」「旅行プランへのパッケージ化」「SNSや居酒屋を活用した情報発信」など、実現性の高いアイデアが次々と飛び出します。

英語が堪能なのぶよしは、「コメディナイトが日本語学習の入り口になれば」と語り、SNS総フォロワー数500万人超のシャルロットは、「ロビーで大道芸を体験してもらうのはどう?」「スタンプラリー形式にするのもいいかも」と学生たちの着想を広げていきました。
先ほど中間発表が行われた「道頓堀シアターならではの企画立案」では、よしもと道頓堀シアターの支配人らが講評。演者目線の意見を取り入れてブラッシュアップされた企画はいずれも完成度が高く、特に「よしもと道頓堀写真館」では、イベント中に生まれた“奇跡の1枚”をプリントラテにするというアイデアが加わりました。
支配人らも「ぐうの音も出ないくらい素晴らしいライブ」「すぐに実現できそうなレベルまで詰められている」と高評価です。
最後のテーマであるPR施策では「劇場キャラクター『支配犬』の制作」「運試しガチャガチャの設置」「地上波番組での発信」など多角的な提案が披露され、発表会は熱気に包まれました。
締めくくりに支配人は、「どのテーマも具体的で、非常にクオリティが高かった。この経験は今後の就職活動や、社会人生活でも必ず活かせると思います。ぜひ自信にしてください。みなさんのこれからの活躍を期待しています」とエールを送りました。
関東・関西いずれも、インターンシップに参加した学生たちだけでなく、吉本興業の社員も多くの刺激を受けた、有意義な3日間になりました。

