銀シャリ鰻の「生き毛アート」がサステナブルな企画展でコラボ! 夢はレディー・ガガ、草間彌生に「髪の毛ください」

芸人であり、アート作品も手掛ける銀シャリ・鰻和弘による「生き毛(いきもう)アート」。描かれた本人の髪の毛を使い、似顔絵などの作品を完成させるユニークなアートとして話題を集めています。その「生き毛アート」が、6月5日(金)から8日(月)まで大阪・ LAUGH & PEACE ART GALLERYで開催されたOsaka Art & Design2026特別企画「モノとケの噺」で展示されました。最終日には鰻本人が会場を訪れて展示を楽しむとともに、「生き毛アート」に込めた思いを語りました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

鰻と著名プロダクトデザイナーとのコラボ展示

今回の企画展は株式会社博展が全体企画・空間デザイン・施工を手掛け、廃材や消耗品など役目を終えたモノを、アートやデザインとして再構築した作品を中心に展示。変化の過程や新しい姿から、サステナブルの可能性やおもしろさを伝えるというものです。

会場では、鰻の「生き毛アート」と、プロダクトデザイナーの横関亮太さんによる「OBJECT⇄FOREST(オブジェクト フォレスト)」がコラボしました。

この日、鰻は博展のデザイナー・丸山顕章さんと一緒に展示を見てまわりました。横浜市が実施する「REYO(リヨー)横浜市再利用材プロジェクト」で生まれた、廃校になった体育館床材をアップサイクルしたピクニックテーブルや、博展とwe+、セメダインが共同開発したという水ではがせる海藻由来の接着剤など、鰻は丸山さんの説明を聴きながら興味津々の様子です。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

ブラマヨ・小杉、トレエン・斎藤の髪の毛は軽くてふわっと…

その後、いよいよ鰻の「生き毛アート」の展示へ。「本人の髪の毛を使ったアートです」と説明する鰻に、丸山さんは驚きを隠しません。

「髪の毛は大事なものだと思うんですけど、切ってしまうと急に気持ち悪くなるという、ちょっとかわいそうな存在でもあります。美容室で切られた髪は産廃になってしまうので、新しい可能性はないかと取り組んでいましたが、われわれはどうしても正解を見つけられませんでした。でも、まさかの正解が鰻さんのアートだった」

これに「共感します」と応じた鰻は、「僕も先輩、後輩の髪の毛をもらった時点では……気持ち悪いです。正直、えづくときもあります」と率直に語って会場は大笑い。さらに、実際に芸人たちの髪の毛を扱うなかで、鰻はそれぞれの個性も感じるといいます。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

「人によって匂いも違うし感触も違う。言いにくいですけど、(ブラックマヨネーズ)小杉さんとか、(トレンディエンジェル)斎藤さんの毛は軽くてふわっと浮くし、反対に(見取り図)盛山とか(シャンプーハット)恋さんみたいに毛量の多い人はしっかり重みがある。やっぱり人それぞれ個性ってあるんやなって思います」

そして、「似顔絵に髪の毛を添えるだけで、存在感というか、本人に会えたような感覚に近いものがある」と作品の魅力を語りました。

マニー・パッキャオからも髪をもらう約束!

「生き毛アート」の原点は、自身の体毛を使った“体毛アート”。剃った体毛が排水口へ流れていく様子を見て「もったいない」と感じ、体毛で「鰻」の絵を描こうとしましたが、あまりのインパクトに断念したといいます。

それから2年後、切った髪の毛は産業廃棄物として処分されるという話を美容師から聞き、自分の髪の毛を持ち帰ることに。もともと似顔絵を描いていたこともあり、「似顔絵の髪の部分に本人の髪の毛を使ったらどうなんねやろ」と考えたことが現在の作品につながったとのことです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

記念すべき第1作目は、2022年ごろに制作したミルクボーイ・内海崇の生き毛アート。

「芸人さんって特殊な髪型が多いんです。内海は角刈りで、散髪屋の方もメディアに出てる方だったんで、『髪の毛くれへんか?』ってお願いしたら、『何でですか?』と。このやりとりを4回くらい繰り返しました。『散髪代払うからなんとか』ってことで、もらうことができまして」

それから数々の作品を生み出すこと、およそ35作品。そのうち新作は、今回も展示した吉本新喜劇の吉田ヒロと中條健一、シャンプーハット・恋さんの3作品です。

芸人だけでなく、俳優・八嶋智人の作品も制作し、現在はヴァイオリニスト・葉加瀬太郎にも髪の毛を依頼していると明かしました。さらにボクシング界のレジェンド、マニー・パッキャオからも毛髪をもらう約束を取りつけていて、作品が完成した暁には作品を本人に届けるという計画を明かしました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

どの作品にも「散髪情報」として、対象者の散髪に行く頻度や注文内容、料金など、生き毛アートがなければ知り得なかった情報が盛り込まれているのもポイントです。

誰もが気さくに毛髪を提供してくれるなか、池乃めだかには「なんで髪の毛ほしいんや?」「何に使うねん?」と警戒されたそうで、鰻は「『お前が怖い』とまで言われました」と明かしました。

「100年後、200年後に価値が出るアートかもしれない」

女性の作品について聞かれると、「お願いされたら作りますが、自分からは言いづらい」と苦笑い。「『散髪した髪の毛をください』って、やっぱりちょっと変じゃないですか」と会場を笑わせました。

制作期間については、「丸2日ほど」。似顔絵を油性ペンで描き、のりで頭部に毛髪を固定してからレジンを流し込むという工程はすべて独学。レジンが油性ペンを溶かしてしまうため、ニスでコーティングするなど試行錯誤を重ねてきたそうです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

今後、制作してみたい人物としては、レディー・ガガ、草間彌生、安藤忠雄、隈研吾の名前を挙げた鰻。その理由は「ふだん会えない人を集めに行きたい」からだそう。

「絶対に会えない方々ですが、生き毛アートにすると会えた気になるんで。お会いして『髪の毛ください』って伝えたいです」

また、鰻は生き毛アートを「100年後、200年後に価値が出るアートかもしれない」と語ります。「たぶん髪の毛は後世に残るので、もし僕が岡本太郎さんの髪の毛をいただいていたらすごいことですよね。未来に残る面白いアートだと思います」と自信をのぞかせました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

関連記事

関連ライブ配信

関連ライブ