大阪・大阪松竹座と東京・新橋演舞場で上演される女優・藤山直美の主演舞台『おあきと春団治 ~お姉ちゃんにまかしとき』に、タレントの西川きよしと、長男で吉本新喜劇の西川忠志が親子出演します。4月12日(月)に大阪市内で開かれた製作発表会見では、藤山と西川親子に加えて俳優の田村亮、金子昇が登壇。舞台にかける意気込みを語りました。
上方落語の「爆笑王」の異名を取った初代桂春団治。その破天荒な人生を題材にした作品は、これまでも多く発表されてきましたが、今回は春団治の姉・おあきをテーマに「姉弟愛」という新しい視点で描く新作舞台です。おあきを演じるのは藤山。そして弟の春団治を忠志、2人の父をきよしが演じます。舞台は5月21日(金)~6月6日(日)に大阪松竹座で、7月3日(土)~26日(月)に新橋演舞場で上演されます。
「こんにちは、西川ヘレンです」
製作発表では、まずは主演の藤山が挨拶。「皆さん、こんにちは。西川ヘレンです」ととぼけて笑いを誘い、こう続けます。
「私は若いときから、おあきもいいなと思っていました。春団治で男女の愛を描いたものはよくありますが、姉弟の愛情みたいなお芝居がすごくいいなと。春団治さんは女性に絡まれる話は多いですが、お姉ちゃんとか、家族の話があまり出てこないので、その辺をクローズアップして、また違う切り口で面白くなるのではないかなと思っています」
春団治役の忠志は、最初に配役を聞いたときに「怖いと感じた」と正直な心境を明かしつつ、「でも、やらせていただきたいという気持ちも同時に心に降りてきました。数々の諸先輩方が演じてこられた桂春団治というお役です。僕は僕なりのお役しかできませんが、精一杯、演じたいと思います」と意気込みを語りました。
おあきにほのかな恋心を寄せる巡査、通称「サーベル」役の金子は、藤山と2回目の共演。幕開けをいまか、いまかと楽しみにしていると笑顔で語り、「稽古をして、いい作品を作って、観に来てくださるお客さまに、この幸せな気持ちを感じてもらいたいと思います。一生懸命、やらせていただきます!」と呼びかけました。
また、初めての噺家の役だという田村は、藤山の舞台に欠かせない人物。今回は2代目桂文枝の役を務めます。昨年はコロナ禍で自粛の日々が続いただけに、「この舞台のお話をいただいて、飛び上がって喜びました。今回は千穐楽まで突っ走ることができますよう、われわれも毎日、感染に注意して舞台を務めさせていただきたいと思います」と気を引き締めました。
忠志なりの春団治を演じてほしい
一方、おあきと春団治の父親という役どころのきよしは、コブシを握ってこう語ります。
「(話があったとき)芝居はちょっと……と思いましたが、師匠、大丈夫ですと。台本を覚えなくていい、と。まさに副題の『お姉ちゃんにまかしとき』のとおりで、背中を押されました。受けた限りは最後まで、少ないセリフになるとは思いますが、間違わないよう、しっかり覚えて挑みたいと思います。こういう時期なので、1人でも多くお客さまの笑顔が増えて、大阪松竹座に足を運んでもらえるように心を一つにして頑張ります」
ところが、ここから話題はあらぬ方向に。破天荒な春団治の役作りについて問われた忠志が、きよしのこんな仰天エピソードを披露します。
「父は、むかしからいろいろなことで母を泣かせてきました。母の泣いている姿を何度も見ました。父が仕事の間、昼間に父がよく行く北新地のクラブのママに預けられて、父のボトルに兄弟で『これ以上、ママを泣かせないで』と書いたこともあります」
西川家の“知られざる日々”を打ち明け、「父は、大正から昭和にかけての、いわゆる大阪の芸人の雰囲気をどこかしら持っていると思います。父を見本にするのではありませんが、そんな父と、DVDなどを観させていただき、台本のなかからどんどん役を膨らませて自分のものにしたいと思います」と“身近”な役作りプランを明かす忠志。
思わぬ“暴露”トークに、きよしは「横山やすしさんによう言われました。芸人が宵越しのカネを持つようでは、おもろいものはできないと……」と語り始めると、「親の口から言うのもなんですが、忠志は愚直なほど真面目。春団治の役を息子がやりこなせるかなと思いますが、皆さん方にご指導いただいて、忠志なりの春団治を演じてほしいと思います」と、父親の顔ものぞかせながらエールを送りました。
公演概要
大阪松竹座 薫風喜劇公演『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』
出演:藤山直美、西川忠志、金子昇、いま寛大、大津嶺子、田村亮、西川きよし(特別出演)
脚本:寺田夢酔
演出:筒井庸助
【大阪公演】
会場:大阪松竹座
日程:5月21日(金)~6月6日(日)
チケット:1等(1・2階席)13,000円、2等(3階席)6,000円
【東京公演】
会場:新橋演舞場
日程:7月3日(土)~7月26日(月)
チケット:1等席13,000円、2等席9,000円、3階A席5,000円、3階B席3,000円、桟敷席14,000円
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