練られた構成の“ハゲ漫才”が特徴のシシガシラ(浜中英昌、脇田浩幸)。ひとひねりあるしゃべくり漫才は「新しいハゲ漫才」と高く評価され、芸人たちの間でも「ネクストブレイク」の声が上がっています。昨年12月には、所属する東京・ヨシモト∞ホールのレギュラー看板芸人に昇格し、ますます勢いに乗る彼らに、コンビ結成秘話やネタ作りの方法、今後の目標などを“丸ごと”聞きました!
2018年のコンビ結成以来、4年連続でM-1の準々決勝に進出するなど、その実力は本物。昨年12月には、東京・ヨシモト∞ホールで行われた『ムゲンダイユースカップ』で見事、優勝し、空気階段やオズワルドらが所属する∞ホールのレギュラー看板芸人に昇格しました。さらに今年2月からは、同ホールで定期トークライブ『トルコキキョウ』も始動させます。
千鳥さんに笑ってもらえてうれしかった
――ヨシモト∞ホールのレギュラー昇格、おめでとうございます。最近ではテレビ出演も増えてきていますが、自身でも「キテるな!」という実感はありますか?
脇田 あります!(即答)
浜中 早い(笑)。
脇田 ふふふ。だって、いままではまったくテレビに出られなかったんですよ。それが昨年はテレビにたくさん出られたので、不思議な気持ちで。それに、これまではテレビの仕事が決まっても、収録の数日前にバラし(キャンセル)になることが多かったのに、最近はバラしになることもなくなっているんです。
――特に記憶に残っている番組は何でしょう?
浜中 千鳥さんの番組(テレビ埼玉『いろはに千鳥』、2月1日放送予定)でネタができたのはうれしかったです。それまで面識はなかったんですけど、ノブさんが「何かで知ってるなあ、シシガシラ」と言ってくれていて、ネタにめっちゃ笑ってくれました。大悟さんも、「この感じでそのまま行ったほうがいい。M-1で優勝するんちゃうか」と言ってくれて。
脇田 1分ネタではなく、3分間のネタを千鳥さんの前でできたんです。それで笑ってくださったのは、めちゃくちゃ嬉しかったですね。
――おふたりのネタは芸人からの評価も高いですよね。千鳥以外でも、しずるの村上純さんが「インテリジェンス漂う、新しいハゲ漫才」と評したり、東京03の飯塚悟志さんも次の注目芸人に挙げています。ネタ作りは、どのようにしているんですか?
脇田 基本的に、喫茶店に行って2人で作っています。浜中はハゲていない側、僕はハゲている側から思うことを話していく。ハゲている側の僕が日常のなかで感じた違和感を伝えて、そこから組み立てていくことが多いです。
浜中 ハゲが面白く生きるシチュエーションを、2人で喋りながら探していきますね。ギャロップさんやトレンディエンジェルさんなど、ほかにもハゲ漫才師はいるので、その2組がやっていないしゃべくり漫才ができたらいいと思っています。ハゲ芸人界の“”スキマ産業”ですね。
仮結成で始まったコンビだった
――おふたりが芸人になろうと思ったきっかけを教えてください
脇田 高校が、全寮制の厳しい学校だったんです。その寮ではまったくエンタメがなかったんですけど、唯一持ち込めたのがラジオ。そこでナインティナインさんのオールナイトニッポンを聞き始めて、それが楽しみで芸人に憧れました。
浜中 僕は子どものころから目立ちたがり屋の性格だったんで、サッカー選手か芸人の2択で考えていました。サッカーは高校のときに上には上がいることが分かって諦めて、じゃあ、お笑いはどうなんだろうと思って、芸人を目指しました。
――コンビを結成した2018年当時、浜中さんは芸歴11年目、脇田さんは12年目でした。どんな経緯でコンビを組んだんですか?
脇田 前のコンビを解散して相方を探していたときに、先輩に組みたい人間のイメージを伝えたら「浜中だろ、それ」って言われたんです。それで浜中も当時はピンだったので、ステーキ屋に呼び出して美味しいステーキを食べさせて、「コンビを組んでください」とお願いしたんですが、1回断られました。
浜中 そのときは若い子と組みたいと思っていたんですよ。年齢(当時、浜中は34歳)的にも最後のコンビになると思っていたので、若い子と組んでラスト1発、頑張りたいと思っていたんです。
脇田 その1週間後くらいに「(仮)だったらいいですよ」と電話が来て、ユニットとして活動することになりました。
――(仮)と聞いて、どう思いました?
脇田 「ああ、キープなんだ」って。漫才やりたいときにだけ呼び出される関係(笑)。
浜中 漫才フレンド(笑)。
――では何がきっかけで、正式なコンビになったんですか?
脇田 (仮)でやっていたときに、1本いいネタができたんです。いまやっているハゲ漫才と同じ感じのものだったんですけど。そのネタを10組くらいの芸人の前で見せたら、「正式に組んだほうがいいと思います」という声をたくさんもらって。その3日後に浜中のほうから「組みましょう」と言ってきました。
浜中 覚悟を決める3日間でしたね。「最後のコンビは脇田さんと行くぞ」「最後の花火を打ち上げるぞ」という覚悟がようやく決まりました。
――コンビで本格的に活動を始めて、最初に手ごたえを感じた瞬間はいつですか?
脇田 コンビ結成の年に、M-1で準々決勝まで行けたときですね。もしもM-1でダメだったら、どこを目指していいか分からなくなる不安はあったんですけど、準々決勝まで行けたことで「ああ、合ってた」と思いました。もしも2回戦落ちとかになっていたら、解散していたかもしれないです。
浜中 そうかもしれない。分岐点でしたね。
誕生日にプレゼントを贈り合う仲!?
――相方のキャラについて思うことや、優れていると感じる部分を教えてください。
浜中 見たら分かる通り、耳が小さいです。
脇田 そういうことじゃない。身体的な特徴じゃないよ(笑)。
浜中 もともと、1個上の先輩なんですよ。コンビを組む前から一緒に旅行にいくような仲だったんですけど、そのころから本当に面白い人だなと思ってました。ワードが面白いのと、会話の「間」もほかの芸人さんにはない独特なもので、めっちゃ優れていますね。
脇田 浜中の優れているところは、相手の懐にグッと入るときがあるんですよ。怖そうな人にも急に「知らねえよ!」とか言える。僕はドキッとするんですけど、そのタイミングが絶妙で、言われた相手は笑っているんです。その距離感の見極めは凄いですね。
――逆にダメなところはありますか?
浜中 脇田さんのダメなところは、1個のことしかできないことですかね。喋ってたら着替えるのがめちゃくちゃ遅いとか。「いや、喋りながら着替えられるじゃん!」と思うんですけど。
脇田 集中しちゃうんです(笑)。浜中のダメなところは、計算がマジで苦手なところ。たとえば、「Tシャツを200枚作って、いま○枚売れているらしい」みたいなことをいうと、「じゃあ、残りが○枚だね」みたいなことを言ってくるんですけど、それがたいてい間違ってる。そのくせ、数字が出てくると率先して計算したがるんですよ。
浜中 なんか数字を見ると、苦手すぎて逆に興奮するんです(笑)。
――話している様子を見ると、おふたりは仲がいいですよね
浜中 まあ、もともと先輩・後輩だというのがいいんだと思います。コンビになってもその関係性は残ってますし、あえて残しておこうと思っていますね。ケンカもしたことないです。
脇田 うん。毎年、お互いの誕生日にプレゼントを贈り合ったりするしね。
――え、お互いに誕生日を覚えているんですか?
脇田 覚えてます。浜中は1月21日。
浜中 脇田さんは10月23日。
――すごいですね。プレゼントはどういうものを贈り合っているんですか?
脇田 たとえば浜中が革靴を買ったときは、革靴のオイルなどのケアセットを贈りましたし、逆に、いま僕が履いている靴下は浜中からもらったものです。
――真っ赤で可愛い靴下ですね。
浜中 おじさんの靴下ですけどね(笑)。
ハゲ漫才で目指す未来
――芸人としての目標を教えてください
浜中 僕は、舞台でずっと漫才をやり続ける芸人でいたいですね。テレビも出たいですけど、漫才は忘れずに続けたいと思います。
脇田 僕も一緒ですね。テレビなどに出させていただいて知名度を上げ、より多くの人に僕らのことを知ってもらえるようになれば、いろいろなところで漫才をする機会が増えると思います。
――2月から定期トークライブの「トルコキキョウ」が始まりますね。これはどのようなライブになるのでしょうか。
脇田 僕らは漫才のイメージが強くて、トークのイメージがまだあまりないと思います。だから、このライブでは“トークも面白い”というところを見ていただきたいですね。ムゲンダイでレギュラーメンバー入りしたこともあるし、思い切っていちばん大きいホールでやらせていただきます。
――楽しみです。最後にネクストブレイクを期待される芸人として、ファンにメッセージをお願いします
脇田 漫才のイメージが強いと思うんですけど、それ以外も面白いんで、目を離さないでください!
浜中 今後もぜひ期待していてください! 期待は裏切りません。愛しています!
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『いろはに千鳥』の予告編はこちらから。
公演概要
シシガシラトークライブ『トルコキキョウ』
日程:2月21日(月) 開場20:10 開演20:30
会場:ヨシモト∞ホール
出演:シシガシラ
ゲスト:カナメストーン(マセキ芸能社)
チケット:前売1,800円 配信1,200円
※見逃し視聴は2月23日(水)20:30まで(チケットの販売は同日12:00まで)
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