子どもたちのスゴすぎる発想にマヂラブ野田も驚愕! Pepperで社会課題を解決する全国コンテスト開催

子どもたちが人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を使って社会課題の解決に挑戦するコンテスト『STREAMチャレンジ2022』の全国大会が3月13日(日)にオンラインで開かれました。MCとして登場したのは、マヂカルラブリー(野田クリスタル、村上)の2人。「ここまでやれるんだ」と野田を驚愕させた子どもたちのスゴすぎる作品が次々と飛び出した、今回の大会の模様をレポートします!

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

「STEAM教育」に「R」を加える

この大会は、国が提唱する未来社会のコンセプト「Society 5.0」で実現されようとしている“ロボットと共生する社会”に向けて、自ら発見した社会課題を、Pepperを活用したクリエイティブな発想で解決することを目指すプログラミングコンテストです。

今回は「SDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)」をテーマに、全国からエントリーした小学生から高校生のうち予選を勝ち抜いた8チームがプレゼンを行い、それぞれにアワードが授与されました。

大会名にもなっている「STREAM」とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)を総合的に学習する「STEAM教育」に、Robotics(ロボット工学)、Reality(現実性)、Reviewing(評価)の要素を入れ、頭文字の「R」を加えたものです。

優秀賞は自動的に「患者の便」を記録

独学でプログラミングを学び、自作ゲームを開発している野田も「僕もプログラミングはやってるんですけど、ロボまでには介入していない」と期待を寄せるこの大会。審査は、課題を選定した着想・着眼点(課題の着眼点)や、Pepperを活用してどのように課題解決を行ったか(解決方法)、課題に対してどのような結果・効果が生み出せたか(効果)の3つを基準に実施しました。

ファイナリスト8チームにチャレンジ賞や特別賞などが贈られるなか、優秀賞に選ばれたのは、いずれも静岡県の掛川市立北中学校「掛川北中学校Pepper部」と、藤枝市立青島北小学校「青北募金サポーターズ」の2チーム。

掛川北中学校Pepper部が開発したのは、「医療現場の負担を軽減するPepper」。医療現場では、看護師が人手不足のため雑務も行わなければならず、専門的な仕事に専念できていないのが現状。そこで、体調のバロメーターとして重要な情報である「患者の便」を記録する業務を、自動化する仕組みを考えました。

現在は、患者がトイレの後に「便の状態」を紙に書き、それを看護師が電子化するという手順のところ、同チームが提案したのは、患者が直接記録してPepperに送るという方法。特にこのチームがすごいのは、プログラミングを用いてシステムを完成させるだけでなく、実際に病院に導入して実験も行った点です。

将来の夢を尋ねられたチームの生徒たちが、「人の役に立つようなプログラムを作りたい」「幼少期の教育にプログラミングを取り入れる仕事に興味がある」と答えると、「おそろしいな……。(自分は)そんな中学生じゃなかった」と野田。村上も「(肩パン(肩パンチ)しかしてなかった」と感心した様子でつぶやきました。

村上「どういう指導をされたらこんな子どもに…」

一方の青北募金サポーターズが開発したのは「Pepperで募金サポート」。この作品は、オンラインで募金ができるようQRコードをPepperのタブレットに表示させたり、入金があればPepperがランダムで感謝の言葉を伝えてくれたりするもの。現金でも募金ができるようにPepperの隣には募金箱が設置され、さらに、募金の送り先(災害、コロナ、貧困など)を選ぶことができるうえ、社会問題をPepperが紹介してくれるプログラムまで実装されています。

チームのメンバーたちが「名誉ある賞をいただいて本当にうれしいです」「賞品の一部を募金に使いたいです」と語ると、スタジオから感嘆の声があがります。野田は「泣いちゃうよ……。オレだったら、絶対ゲーム買ってたよ」、村上も「どういう指導をされたら、こんな子どもになるんですかね。(将来の)日本は大丈夫ですよ」と驚いていました。

最優秀賞は「給食の食べ残し」に着目

栄えある最優秀賞に輝いたのは、静岡県浜松市の私立浜松聖星高等学校のチーム「エコンキスタドール」による作品「フードロス削減計画」でした。

同チームは、“フードロスに対する意識を身近なところから変えたい”という思いから、給食の食べ残しに着眼。給食の食べ残しが起こる原因には「フードロスの知識や現状を知らないこと」があるため、Pepperを活用してフードロスに関するクイズを出題することで課題を解決しようと構想しました。

Pepperには、声を聞き取りやすく調整したり、喋る速さや高さを変えて飽きさせないようにしたりするなどの工夫が凝らされています。そのPepperで実際、中学生に授業を行うなどした結果、給食の食べ残しは大幅に削減され、プロジェクトの成功が確かめられました。

チームメンバーが受賞の喜びを語ります。

 「好きなマヂカルラブリーさんが司会をする大会で、名誉ある賞をいただけてうれしいです」

「まさか名誉ある賞をいただけるとは思っていなかったので感激しています。信頼関係が深い3人だったからこそいただけた賞なのかなって実感しています」

「中学生のころからフードロスを意識してほしいと思っていたので、このプロジェクトを実施してよかったです」

「なぜ?」を突き詰めて高いクオリティに

一方、コメンテーターを務めたCANVAS代表で慶應義塾大学教授の石戸奈々子氏は、エコンキスタドールの作品についてこう総評しました。

「細かいところを妥協せず、真摯に取り組んでいたことがすべてにおいて見受けられたので、そこが高く評価されたのではないかと思います」

両チームとも、社会課題に対して「なぜ?」を突き詰めた結果、高いクオリティのものが生まれたと賞賛した石戸氏は、生徒たちに「今後、どんな分野に進んだとしても、その思考方法はみなさんの役に立つものではないかと思います」とエールを送りました。

この日のプレゼンに感動しきりだった野田は、最後にこう語りました。

「中高生、ましてや小学生が、プログラミングを打ち込むだけじゃなく、世のためになることを考えていることにビックリしました。楽しむだけじゃなくて、ちゃんとまわりのことを考えたプログラミングをしてるってスゴいことだと思います」


大会の模様はYouTubeチャンネル『ソフトバンクロボティクス』でアーカイブ配信中です。

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