4月16日(土)、「島ぜんぶでお~きな祭 第14回沖縄国際映画祭」の中で、那覇市の桜坂劇場ホールBにて『夫ちょっと離れて島暮らし』の特別上映と舞台挨拶が行われました。
加計呂麻島での島暮らしドキュメンタリー映画
この作品は、結婚4年目に夫を東京に残し、単身で鹿児島県奄美群島・加計呂麻島に期間限定で移住したイラストレーター・ちゃずさんを追った“島暮らしドキュメンタリー映画”です。幼い頃から東京で暮らし、仕事に追われる毎日に息苦しさを感じていたちゃずさんが、都会を抜け出して訪れた島で出会う集落の人々との交流や美しい自然を映し出しています。
上映終了後の舞台挨拶には國武綾監督と本作の主人公・ちゃずさんが登壇しました。國武監督は映画撮影をきっかけに現在奄美に移住しており、奄美から沖縄に駆けつけたそうです。壇上にはちゃずさんが海を描いたタペストリーも飾られていました。
映画制作のきっかけについて國武監督は「偶然聞いたラジオをきっかけにちゃずさんを知って、島暮らし体験が綴られたちゃずさんのInstagramにアップされた漫画を読んだんです」と説明。その後、ちゃずさんのInstagramで「島での生活があと2ヶ月」という投稿を見た國武監督は「ドキュメンタリー映画を撮りたい!」という衝動に駆られて初めてカメラを手に取ったそうです。撮影されることになったちゃずさんは「すごくびっくりしました。一応変な人じゃないかなというのは調べましたけど(笑)」とおどけ気味に答えていました。
加計呂麻島の魅力について問われた國武監督は「行ってみて心がほぐされた経験をそのまま映画にしてます」と前置きし「人を信じられるようになったし、自分たちの力だけではどうにもできない自然に対峙することも多いので、助け合う精神も感じられるのも島の大きな魅力だと思います」と撮影を振り返りながら答えました。
移住を考える人へのアドバイスは
ちゃずさんは「2年半しか住んでいないのですが、住む前に住んだ方が安くなるんじゃないかというくらい交通費をつぎ込んで通っていたんです(笑)」と告白し、会場の笑いを誘います。続けて「永住はせず、期間限定で住みますということを先に集落の人たちに伝えていたことも大きかったかと思います」と、移住を考えている人たちへアドバイスを送りました。
一方、現在奄美に住んでいる國武監督は「撮影で長く滞在したことで『住めるな』という実感を持てたから、移住に踏み切れました。何はなくとも、まずは実際に行かないことには始まらないと思います」と話しました。
最後の挨拶では「島の人の温かさと島の良さを色んな人に知ってほしいので、お友達やご家族に知らせてほしいです」と呼びかけ、國武監督は「4月20日までコザのシアタードーナツで上映してます!ちゃずさんの原画の展示もあります!」とアピール。「映画で心をほぐしてもらえたらと思います。そして島の人も、今日観てくださった人も本当にありがとうございました」という感謝の言葉で締めくくると、会場から温かい拍手が鳴り響いて舞台挨拶は幕を閉じました。
島ぜんぶでお~きな祭 第14回沖縄国際映画祭は2022年4月16日(土)、17日(日)の2日間、開催されています。
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