『M-1グランプリ2021』予選のネタ動画で、常人離れした大ジャンプと底抜けに明るい漫才でネットを騒がせたケビンス(仁木恭平、山口コンボイ)。世間的にはまだまだ知られていない2人ですが、5月1日(日)に開催される初の単独ライブのチケットは、すでにほぼ完売。カルト的人気を誇る“ネクストブレイク”の呼び声も高い注目コンビです。ということで今回は、仁木とコンボイに“知られざるケビンスの魅力”を語ってもらいました!
ケビンスは、それまで別のコンビで活動してきた仁木とコンボイが昨年1月1日に結成。結成1年目でM-1準々決勝に進出したほか、仁木は2年連続で『R-1グランプリ』準決勝に残るなど大躍進の彼らが、5月1日(日)にヨシモト∞ホールで初単独ライブ『頭がわるいんだ』(オンラインチケットも発売中)を開催します。今回は、結成の経緯から活躍のきっかけ、そしてコンビとしての未来まで――2人の実像に迫ります。
口説き文句は「スターになれると思う」
――まずは芸人になろうと思ったきっかけから教えてください。
コンボイ 小学4年生のとき、品川庄司(品川祐、庄司智春)さんをみて芸人になろうと思いました。品庄さんがテレビに出てきて、ブレイクするまでをリアルタイムで見ていたんで、“カッコいいな。芸人さんいいな”って。すでに小学校の卒業文集には、「芸人になりたい」と書いていましたね。
仁木 僕は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)のトークを見たのがきっかけです。鍛える前の坊主の松本さんのギラギラした姿を見て、“めちゃくちゃカッコいいな”って思いました。松本信者でしたね。
――では、芸人になったときはトガっていたんですか?
仁木 そうですね。マジで甘い考えで始めました。かなりナメていたんで、全員のことを見下していましたし、学生芸人とかは目の敵にしていましたね(笑)。
――コンボイさんは、日本一おもしろい高校生漫才師を決める大会『ハイスクールマンザイ』に出たことあるそうですね。
コンボイ 1度は予選を勝ち上がったんですけど、準決勝でネタをぜんぶ飛ばして「あー!」って顔しちゃったし、お客さんに「ごめんなさい」って謝りました。終わったあと、膝から崩れ落ちましたね。しかも、飛ばしたことにしたくないから「めっちゃ噛んだ!」ってごまかして(笑)。当時の相方が優しくて、「めっちゃ噛んでたな」って声をかけているところが、いまでもYouTubeで見られます!
――コンボイさんはNSC(吉本総合芸能学院)に入ったそうですが、仁木さんは別の事務所に所属していたんですよね。
仁木 しばらくフリーでピンやコンビでやったあと、「ひみつスナイパー健」というコンビを組んで、サンミュージックに入りました。その後、解散してしまいましたが……。
――NSCのような養成所に行こうと思わなかったんですか?
仁木 それも“トガり”で、入らなかったですね。
コンボイ (笑)
仁木 学ぶことなんてないと思っていたんですけど、フタを開けたら学ぶことだらけでした。だからいま、シワ寄せがすごいです……。まずは学校に行って、自分より面白い人を見つけて、プライドをへし折る作業が必要なんですよね。
――そんな2人はどのようにして知り合ったんですか?
仁木 オズワルド・伊藤(俊介)の紹介ですね。僕がルームシェアしている家(芸人たちが住むマンション「カサグランデ」)のYouTubeチャンネルで173時間生配信をしたとき(2020年3月)、いろんな芸人が来て繋いでくれたなかの1人でした。僕ら、住所を公開しているので、いろんな人から差し入れが届いたんですけど、その日、僕が6時間くらいアルバイトして帰ったら、コンボイが1人で差し入れの酒1ケース(24本)ぜんぶ飲み切っていて、むかしの名俳優みたいなエピソードだなって(笑)。
コンボイ ご馳走様でした!
仁木 その後、一緒に住んでいるヒワちゃん(ママタルト・檜原洋平)に「山口(コンボイ)くん、(相方に)ええんちゃう?」って言われて、初めて“コンビを組む目的”で家に呼びました。そこで何も知らないコンボイは、オレらを笑わそうとしたのか、パンツ一丁で走り回って……別にこっちは笑わないですけど(笑)。当時は(人としての)“パワー”のある人間を探していましたし、心意気やパッションがあるなって思って。ある草野球の銭湯終わりで「頭の隅に入れといて」って誘いました。
コンボイ ドキッとしましたね。
仁木 前のコンビで『M-1グランプリ』の予選を1回戦で落ちた日に、『キングオブコント』の準決勝進出発表があったんですよ。そのとき一緒に住んでいた男性ブランコ・平井(まさあき)、サンシャイン・坂田(光)とママタルトが3組とも準決勝に行って、パニック状態。ツラすぎて人に会いたくて、(コンボイを)コンビニ前に呼び出し、いろいろ話しました。
コンボイ 僕もそのとき、コンビを3つ解散していて、個人的にコンビは向いていないと思っていたんですよ。次やるときはピン芸人か、もしコンビをやるのが許されるならボケをやってみたいな、って思っていました。じつは、長いこと僕は“ネタを書けるツッコミ”だと思っていて(笑)。そういうときに仁木くんから誘いがあったんですけど、コンビに向いていないと思っていた僕が「そんなにいい男じゃないよ?」って言ったら、仁木くんが「山口はスターになれると思うから」って。その一言でコロッと落ちましたね。
――ツッコミからボケへの転換はどうでしたか?
コンボイ いまのほうが断然ラクですね! 前に組んでいたコンビは僕がネタを書いて、相方を面白くみせようっていう気持ちでいたんですけど、プロデュースが下手すぎたし、ツッコミの立場なのに、めちゃくちゃ目立ちたかったんですよ。しかも、わかりづらければ、わかりづらいほうが面白いという時期もあって、めちゃくちゃだったんで(笑)。
コンボイの大ジャンプがバズッた!
――その後、コンビとして吉本に。活動を始めて1年あまりがたちましたが、お互いの魅力はどんなところですか?
仁木 まずは顔面ですね(笑)。華があってアイコンとしてめっちゃいいなって思います。あとは“パワー”。
コンボイ 小耳に挟んだんですけど、仁木くんは僕を“ジャケ買い”したらしくて、嬉しかったですね。仁木くんと組んで思うのは、慢性的に面白いなぁと。ピンネタでも『R-1グランプリ』準決勝に出て結果も出してくれましたし。
――ネタは仁木さんが考えているんですか?
仁木 そうですね。僕らのネタ合わせはまず、僕が考えたボケを伝える作業から始まります。「次のボケはこれ」って言ったらコンボイが自分のスマホに打ち込んでいく。コンビ組みたてのころは笑ってくれていたんですけど、最近、慣れてきたのか「うんうん」って言いながら打ち込むことが多くて。そのときはめちゃくちゃキレます(笑)。
コンボイ 必死に打ち込んでいるだけです(笑)。
仁木 (コンボイは)動きはできるんだけど表現がめっちゃ下手。でも、“こういうふうにして”ってやってもらったときはめっちゃ面白いですね。
――衣装も魅力的ですね。
仁木 パッと決めたことなんで、変えてもいいかなって思っています。代わりの案がないので続けているんですけど、なにせ(コンボイの)色合いがMr.シャチホコさんがマネする和田アキ子さんと一緒なんで……(笑)。
コンボイ 前までは、当たり障りのないネイビーのセットアップを着ていたんですけど、その様子を見た仁木くんから「なんてもったいないことをしているんだ。白ジャケットで(漫画『シティーハンター』の)冴羽獠みたいにカッコつけていけ!」って言われて、目からウロコでした。
――昨年、M-1予選で披露したジャンボイ(コンボイの大ジャンプ)がネットで大ハネしました。バズったときはどう思いましたか?
仁木 コンボイを覚えてもらえれば、いろんなところをショートカットできるコンビだと思うので、(自分たちのなかで)大きな出来事でした。あそこから山口コンボイ自身の意識も変わった気がしますね。
――コンボイさんのジャンプはもちろん、お笑いファンのなかではギャグも広まりつつあります。
コンボイ 「チョキピース」と(ご飯を食べて)「ウーマイリトルガール」は、僕のなかでの2大巨頭ですね。ピン時代に作ったギャグなんですけど、ケビンスを組んで“僕の要素”として残っているのはこの2つだけです。
仁木 あってもなくてもいいかなってことで、好きにやってもらっています(笑)。
――結成してから短いですが、結果が出ているように見えます。自分たちでは、どう分析していますか?
仁木 いままでやってきたコンビのときとは景色が違うなとは思います。ただ、ここからズレてくるので、いろいろ想定していかなきゃなって。思い通りにいかないこともあれば、準備していなかったステージに行けてしまう場合もあるので。
目標は「笑点」の演芸コーナー!?
――ケビンスの名刺代わりとなるのがYouTubeチャンネル(コンボイファンクラブ【ケビンス】)。初めて見る人におすすめの動画は?
仁木 『漢・山口コンボイ、魂の素手料理!の巻』ですね。僕らの関係性が見えると思います。
動画はこちらから。
コンボイ 『【ロケ】二子玉川の土手をお散歩したよ!の巻』など、ロケをいろいろやっているので見ていただきたいです。やっぱり、外は楽しいですね!
動画はこちらから。
――今後、どんなキャラクターで世に出ていきたいと思っていますか?
仁木 とにかくコンボイは人に好かれるので、ロケ芸人になりたいですね。僕らのYouTubeチャンネルでもロケをしているんですけど、ここである程度、経験を積んでおいて、呼ばれたときに即戦力になれればなって思っています。
コンボイ 僕はフィジカルエリートになりたいです。ヒマさえあれば公園で懸垂をしたり、筋トレしたりしているので、マイムやジェスチャーにもっとキレを出していけたらなって。
――コンビとしての今後の目標は?
コンボイ 「山口はスターになれるから」って言ってくれた仁木くんを男にしたいです。たとえばテレビに出て人気者になったり、『M-1』の決勝で“とんでもないコンビが現れた!”ってなったりすると、仁木くんの思いが叶えられるのかなって思います。
仁木 売れたいですけど、極端にバラ売り(ソロ活動)はイヤですね。コンビとして活動していきたいです。いまのところ、バラ売りになるのは想像できないですし、そういうのは寂しいなって思います。
――出たいテレビ番組は?
仁木 僕、親の反対を押し切って北海道から東京に来たので、芸人をやるうえで“親孝行したい”というのが頭にあるんですよ。地元は、関東ローカルもほとんど観られないですし、TVer(民放公式無料配信サービス)の使い方もわからないでしょうから、田舎に住む主婦が気軽に見られる『笑点』(日本テレビ系)の演芸コーナーに出られたら、胸を張って帰れるのかなって思います。
コンボイ 僕は無人島に行きたいですね。ああいった厳しい環境にぶん投げられたいです。停船していた船を切り離されて「勘弁してくださいよー!」ってジャンプしたいですね。
――コンボイさんは、そういった光景が見えるキャラクターですね。
仁木 かわいそうに見えないんですよ。それがいいなって思います。
――芸人になってみて、改めて尊敬した先輩は誰ですか?
コンボイ あばれる君さん、パンサー・尾形(貴弘)さんですね。とにかく、かわいそうに見えないのがうらやましいです。ああいう人たちはたくましい!
仁木 ヘコまないし、何か言われても「おい!」って絶対言うもんな。
コンボイ (自分は)落ち込んでるとき、「ちょっといまは黙ってて」って手で制したりもするんで。
仁木 (笑)。僕は山ほどいますけど、FUJIWARA(原西孝幸、藤本敏史)さんですね。ヨシモト∞ドームでライブをやられていたんですけど、マジでどの若手よりも声が出ているんですよ。あれだけ売れたら、ネタとかライブとか「もういいじゃん」ってなると思っていたのが、現場に来てくれるお客さんを笑わせるために、パッションを持ち続けていてスゴイなって。おふたりの舞台は、全芸人が見たほうがいいなって思います。僕らレベルでボソボソやってちゃダメだなって思いました。
――5月1日(日)の初単独ライブのチケットがほぼ完売したそうですが、オンラインチケットが発売中です。PRコメントをお願いします。
仁木 たくさんの人に観てもらって、配信延長を繰り返したいです。初めての単独なんですけど、ネタや映像など“こんなにも大変なんだ”ってことばかりで……。でも、その労力以上の出来になっていると思います。いまケビンスのことが気になっている人が、もっと2人のことを好きになってもらえるように頑張ります。盛りだくさんです!
山口 新ネタをたくさんやるんで……。
仁木 いや、そんなに多くはやんないよ? なんで公式の場で不確かな情報を言っちゃうんだよ! 新ネタいっぱいやるって言ってないだろ?
山口 あ、そうか。何本かやる予定の新ネタを覚えて、ジェスチャーや動きを見やすくします!
公式YouTubeチャンネル「コンボイファンクラブ【ケビンス】」はこちらから。
公演概要
ケビンス初単独ライブ『頭がわるいんだ』
日程:5月1日(日) 開場19:10 開演19:30
会場:ヨシモト∞ホール
チケット:前売2,000円 配信1,200円
FANYチケット(会場)はこちらから。
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。