野沢直子による「老い」をテーマにした荒々しくも鮮烈な人生再出発小説『半月の夜』10月11日発売!

10月11日(火)KADOKAWAより、野沢直子のおよそ5年ぶりとなる書き下ろし小説『半月の夜(はんげつのよる)』が発売されます。

出典: FANY マガジン
©吉本興業

『半月の夜』は、2021年に行われた吉本興業×ブックオリティによる「作家育成プロジェクト」にてKADOKAWAが出版権利を獲得し今回の刊行に至りました。「老い」をテーマに執筆された本作は、夫も子供もおらず周囲から〝孤独〟だと思われていた50代の女性が、ある偶然の再会をきっかけに自分自身の幸せや「第二の人生」に向き合っていくストーリーです。

著者 コメント

仕事や子育てが一段落して、ふと足を止めて人生を振り返る五十代。
これまでの人生、振り返れば誰にだって、頑張ってもどうにもならなかったことも後悔していることもあると思う。
そんなことを背負って、でも、それでもまだ人生は最終章へと続いていく。
どうせ生きていくなら、今からでも幸せを求めたって悪いことじゃないよね?
そんな気持ちで書きました。
だめな自分も全部受け入れて、それでも生きていくんだという気持ち。同世代の、足を止めて自分を人生を見つめ直している方に手にしていただければと思っています。

また、10月5日(水)には、株式会社ダイヤモンド社より『老いてきたけど、まぁ~いっか。』というエッセイの刊行が予定されている野沢。文筆家としても活動が続く著者にご注目ください。

小説『半月の夜』について

私よ、走れ。走るんだ。
今度こそ幸せになるために……。
スーパーのレジで働く立花カオル。50代になった今、瞼はたるみにたるんで足は象のようにむくみ、転がるように醜くなった。何を見聞きしても感情の針が動くことはなく、すべてのものが灰色に見えるようになった。寝るためだけの六畳間の自宅とパート先のスーパーを往復するだけの味気ない生活だったが、家に帰るといつも「灰色のハイエナ」がこちらを見ているような幻影に悩まされていた。
一方、商店街で亡父が営んでいた弁当屋を引き継いだ誠。脱サラして20年以上父親の味を守り続けてきた誠だったが、幼少期を過ごした海の見える街で体験した「淡い初恋」の記憶を今でも引きずっていた。

すれ違っていた二人の人生が交わるとき、止まっていた時が動き出し、いまふたたび輝き始める――。野沢直子が「老い」の入口へ立つすべての人へ贈る、人生再出発ストーリー。

【もくじ】
灰色の世界
十四歳
予感
奇跡

半月の夜

書籍概要

半月の夜
著者名:野沢直子
発売日:10月11日(火)※電子版同日配信
定価:1,430円(本体1,300円+税)
頁数:200頁予定
カバーイラスト:西川真以子
装丁: 大久保伸子
体裁:四六版並製 単行本
ISBN:9784041121610
発行:株式会社KADOKAWA
初出:書き下ろし

作品情報ページ

著者について

野沢直子(のざわ なおこ)
1963年、東京都生まれ。高校時代にテレビデビューし、吉本興業に入社。『トゥナイト』『夢で逢えたら』出演などで人気を集める。91年、日本での芸能活動休止を宣言し、単身渡米。現在はアメリカ在住で、一男二女の母。主な著書に『アップリケ』『笑うお葬式』。