現代絵画の青枢展で優秀賞を受賞した新世代アート芸人、キシモトマイの個展『バロメーター75』が、9月21日(水)から東京・銀座三越本館7階ギャラリーで開催されています。これを記念して開催初日には、キシモト本人に加え、キシモトを若手時代から可愛がってきたという椿鬼奴とボルサリーノ・関好江が登場! 若いころの話からアートにまつわる話まで、気の置けないトークで盛り上がりました。
「バスキアを彷彿とさせる」
キシモトは芸人活動をしながら、アート作品を生み出し続けている現代アーティスト。アクリル絵具を使って指で描く個性的な作品は、アート関係者から「バスキアを彷彿とさせる」という声も上がるほどの高評価を得ています。
今回の個展では、そんなキシモトが自身の“パッション”と“エネルギー”を余すところなくキャンバスにぶつけた作品を展示。会場では原画と複製画の販売もあわせて行われています。
「まさか銀座三越で(個展を)できるとは思っていなかったです」
トークショー冒頭、自らの華やかな絵が飾られたギャラリーに登場すると、キシモトは感無量の面持ちで語りました。
「小さい劇場でネタをしていたころから見ている」という関と鬼奴も、「すごい。感動しちゃった」とキシモトの晴れ舞台を、目を細めて祝福しました。
3日間寝ずに作品を作ることも
トークでは、キシモトの“才能”を絶賛する2人に、キシモトが意外な幼少期を明かします。
「小学校の時、美術は最高で『2』で、いつもは『1』でした。私の学校の人たちはびっくりしていると思います」
これには、鬼奴も「ほんとに?」と驚きの表情。関も「なんでしょーね。教育ってね……」と疑問を口にして、会場に笑いを誘いました。
さらに話題は、アーティストならではの悩みについても。キシモトは、3日間寝ずに作業することもあるので、帯状疱疹ができたり、腱鞘炎になったり、体調管理がたいへんだとこぼします。
「指で塗っていると、人差し指は10時間くらいいけるんですけど、小指は重労働に向かない……」
そんなキシモトの“苦労話”に、鬼奴は「すごいわ、やっぱり。それに懸けている感じ」と感心していました。
「ネタのときとやっていることは変わらない」
キシモトの若手芸人時代の話になると、関が当時の芸風を振り返ります。まわりの芸人が「コント」や「漫才」を披露するなか、そのころからキシモトの感性は独特で、舞台で「ファッションショーをやっていた」とのこと。
キシモトは笑いながら、「それがこうなっちゃいました。ネタだとキョトンとされることが多かったんですけど、アートだと調和がとれた」と説明する一方、「でも、ネタのときと(やっていることは)変わっていない。芸人魂は忘れていません」と、芸人としての矜持ものぞかせました。
こうして30分間のトークショーは終了。最後に、すでにキシモトの絵を3点購入しているという鬼奴が、集まった人たちにその魅力をアピールします。
「パワーがあるし、華やかなのが気に入っている。アーティストっていうのは一夜にして(値札に)0が増えることがありますから、いまのうちにぜひオススメです」
関も「部屋が明るくなるよね」と勧めると、キシモトは笑顔で「(最終日の)26日までは昼過ぎから毎日17時前後までいると思いますので、ぜひ声をかけてください」と頭を下げました。
個展概要
キシモトマイ個展『バロメーター75』
日時:9月21日(水)~26日(月)
営業時間:10:00~20:00(最終日は17:00まで)
会場:銀座三越本館7階ギャラリー
入場料:無料
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