ルミネ20周年で歴代M-1王者ズラリ! 中川家「チャンピオン大会やったら面白そう」

今年4月に開場20周年を迎えた東京・ルミネtheよしもと(以下、ルミネ)。そのメモリアルイヤーを盛り上げるスペシャルな企画が続々と登場します。その先陣を切るのが、4月20日(火)に開かれる『ルミネtheよしもと20周年記念公演 漫才チャンピオン寄席』。中川家を筆頭に、笑い飯、パンクブーブー、とろサーモン、トレンディエンジェル、マヂカルラブリーと歴代のM-1チャンピオンが出演します。そこで今回は、ルミネと同じく20年前に初代王者に輝いた中川家(剛、礼二)に、この20年を振り返ってもらいました!

出典: FANY マガジン

初ルミネは村上ショージとコント

――ちょうどルミネがオープンした2001年に、おふたりも東京進出しました。ルミネには、そのときから出演していたんですか?

礼二 いや、すぐには出られなかったですね。初めてルミネに出たのは、村上ショージさんと3人のコントで。最初は出演組数が少なかったんですよね。僕らはその枠に入れなかったので、ショージさんとのコントやったらとりあえず出番はもらえる、という感じでしたね。

――そうなんですね。時系列を振り返ると、2001年に初代M-1チャンピオンになった翌年、コンビ結成10周年を記念して、8月にルミネで『兄弟喧嘩〜中川家芸能生活10周年記念イベント〜』を単独開催しています。いま、最初はルミネに出ていなかったと聞いて、そのスピード感はすごいなと思いました。

礼二 それは、M-1のおかげですね(笑)。

出典: FANY マガジン

――おふたりは来年、コンビ結成30年。ざっくりと分けると、最初の10年間とM-1チャンピオンになってからの20年になると思います。

 M-1までの10年も濃かったですけどね。どっちかというと、前の10年のほうが楽しかったかな。なんか、遊びまくっていたので(笑)。M-1を獲ってからは、なかなか遊べず……。1日に取材が6本とかあったんですよ。1時間ずつ。6時間、雑誌の取材(笑)。まったく質問も一緒で。それまで、そんなことはまったくなかったから。まず「兄弟なんですか?」から聞かれて……(笑)。

――どっちがお兄さんなんですか、とか。

 そうです(笑)。そればっかりでしたね。なにかあったら合間に雑誌の取材が入っていた感じ。雑誌も、まだすごくあった時代でしたしね。

出典: FANY マガジン

――そうしておふたりの活動が忙しくなると同時に、ルミネの出番も増えていったんですか。

礼二 そうですね、徐々に。

4分間ネタは「年齢に合ってない」

――初めてルミネの寄席に出たときの印象は?

 すごい活気がありました。それはすごかったです。

礼二 ルミネはちょうどいい広さなんですよね。個人的には、ルミネはやりやすいです。ネタの伝わり方が違うし、後ろのお客さんも見えますし。

 本当、やりやすいですね。漫才、コント、トーク……何するにせよ、ちょうどいい箱です。照明も。すべてにおいて、やりやすいです。

――いまは「ホーム」という感覚はありますか?

礼二 それはありますね。だいぶ定着したんやろうなって思います。吉本はNGK(大阪・なんばグランド花月)以外、なかなか劇場が定着しないイメージやったんですけど(笑)、ルミネはもう20年ですもんね。めちゃくちゃ長いですよ。

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――4月20日(火)に開かれる20周年企画の第1弾『漫才チャンピオン寄席』の出演者は、中川家さんをはじめ、皆さんM-1チャンピオンです。2001年の初開催からM-1戦士が東西問わずどんどん育って、こうして記念の寄席ができることをどう感じていますか?

礼二 いいことですよね。僕らがルミネに出だしたころはまだ「西」「東」の区別がありましたけど、いまはその垣根もないので。逆に東京のお客さんどうですか、大阪のお客さんどうですかと聞かれても、そんなに変わりがないくらいになってきていますね。

 もう1回、チャンピオンだけで大会やっても面白そうですよね。チャンピオン大会(笑)。

――それはいいですね。審査員は誰にしてもらいましょうか。

 めちゃくちゃ後輩にしてもらう(笑)。

礼二 たとえば霜降り明星。

 EXITとか。彼らにしてもらいたいですね。

礼二 ネタも4分では無理やと思う。1組7~8分はいただかないと。

 30歳までですね、4分でできるのは。

出典: FANY マガジン

――それは体力的なところで?

 もし、いまやったとしたら、スピードと体と顔が合ってないやろうから、気持ち悪いことになると思う。

礼二 年齢に合ってない(笑)。

 年齢と合ってないから、早口でわーっと4分は厳しいな。せやな……8分くらいもらえたらいいですね。

礼二 それでちょうどいい。

テレビで見るより劇場のほうが面白い

――芸歴の話にもなりますが、約30年、漫才を続けてきて、いまどう感じていますか?

 いまは早いですよね、いろいろ。サイクルが早いから、いまからデビューしていく子とかは、しんどいやろうなって思います。いろいろ知っていないとあかんし、いろいろやっとかなあかんし。僕らは、“めちゃくちゃやな”って言われたM-1の第1回目に出られたことは本当に感謝ですね。M-1がなかったら、もう辞めてんちゃうかなって思うことが、いまでもありますから。当時のM-1予選だけで、だいぶ辞めていきましたもんね、芸人。

――そうなんですね。M-1の審査はふるいにかけられるような感じがありますよね。

礼二 そもそも、M-1はそれが目的の大会やったんでね。(島田)紳助さんがそうおっしゃっていたので。10年やってあかんかったら、もうあかんねんでっていう。そういう大会でもありましたから。

――一方で、世間に認められるのも10年くらい必要というか。

 そういう形になるのが、ちょうど10年なんじゃないですかね。後で思うことですけど……。

――間もなく芸歴30年、ルミネで20年ということについて、礼二さんはどう感じていますか?

礼二 そうですね、あっという間といえばあっという間ですけど、何に満足しているわけでもないです。まだ先もあるので、先のほうが大事ですから。

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――現状には満足していない。

礼二 まあ、そうですね。

――中川家の漫才も完成されていない?

 いや、ぜんぜんですね。

礼二 完成せんまま終わるんでしょうね。そんなもんや思いますよ、ほんまに(笑)。

 ほんまの理想を言えば、舞台に出てきてため息ついただけでウケるくらいになればいいんですけどね。それは年齢もありますよね。

――理想に近づくためにも、年齢を重ねながら漫才を続けていくと。

 そうですね、もっともっと。

――最後に、中川家さんの劇場に対する思いをお聞きかせください。

 自分が子どものころから実感していることですが、劇場はテレビで見るよりも何十倍も面白い。それを体感してもらいたいですね。実際に最近、「テレビで見るより劇場のほうが面白い」って言われて、そう言ってもらえるのがうれしいですね。

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――いい言葉ですね。そのためにもずっと劇場に立つ。

礼二 そうですね。ルミネもずっと続いてほしいですね。劇場は芸人の本音が見られる場所です。ネタもテレビでやってるときよりも楽しくやってますので(笑)。のびのびやってます。

――その楽しそうな姿は、劇場だけで目撃できるわけですね。

礼二 そうですね。そのほうが面白いと思います!

公演概要

『ルミネ the よしもと20周年記念公演 漫才チャンピオン寄席』
日程:4月20日(火)
会場:ルミネ the よしもと
時間:【1回目公演】開場12:30/開演13:00/終了予定14:00
   【2回目公演】開場14:30/開演15:00/終了予定16:00
出演:中川家、笑い飯、パンクブーブー、とろサーモン、トレンディエンジェル、マヂカルラブリー
チケット:前売2,800円

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