「コロナ禍で見つけた原点回帰」 新感覚「ダンス×パントマイム」の実力派GABEZが語る

ダンスとパントマイムが融合した「DANCE & Mime Comedy」を展開するMASAとhitoshiによる2人組ユニット、GABEZ(ガベジ)。コロナ禍のなかで久々の公演となった『パントマイムな生活』は、より誰もが楽しめることを意識して、パントマイムの「原点」に戻った、新たなサイレント・コメディに仕上がりました。この間にいったいどんな心境の変化があったのか、公演直後の2人を直撃しました!

出典: FANY マガジン

コロナ禍で「このままでいいのか」

実力派のパフォーマンスユニットとして知られる彼らは、これまで中国で130以上の公演を開催するなど、日本はもちろん海外でも数多くのステージを行ってきました。

ところが、2020年は新型コロナウイルスの影響で公演が軒並み中止に。そんななか、2020年12月20日(日)に東京・渋谷のヨシモト∞ドームで開かれた久々の公演が、『パントマイムな生活』でした。

出典: FANY マガジン

――まずは、おふたりのことを初めて知る人のために、自己紹介を兼ねてGABEZの魅力を教えてください。

MASA もともと僕らが出会ったのはダンスがきっかけです。僕がバレエとジャズ、相方はストリートダンスをやっていたんですけど、お互いパントマイムというものに興味があってユニットを結成しました。2人のなにがいちばん合うのかというと、笑いの感覚、趣味、感性。そこはお互い信頼できるところだと思っています。(魅力は)踊れて、面白いパントマイムができるということですかね。あとは僕が大食い……。

hitoshi って言うほどでもないです(笑)。

――今回のイベントは、コロナ禍もあって久々の公演でした。

MASA とにかく楽しくて、あっという間でしたね。基本は相方が構成・演出をしているんですけど、いつもなら(扮装などもして)“セリフのないお芝居”をやるところを、今回は僕らのまんまでストーリーを展開していきました。パントマイムの手法は使うんだけども、それだけじゃなく、お芝居・物語もやるっていう。

hitoshi 僕らの公演を初めて観た人もいらっしゃると思うんですけど、今回はいままでの公演と違っていて、皆さんが思い描くパントマイムに僕らが近づいた……という感じです。お客さんが楽しむことがいちばんなので、それをやってみようと決意しました。

これまでは、僕らが勝手に違う方向に行って、ただ“やりたいだけ”のことをしていました。じゃなくて、お客さんを引き連れて行くのが本当だと思うので、今後もこういうことを続けて、たまに「言っておくけど、上級者にしか分からないよ?」みたいなパフォーマンスをしていければなと思っています。

出典: FANY マガジン

――なぜ今回、言わばパントマイムの原点に戻ったのでしょうか?

hitoshi ありがたいことなんですが、僕らの公演って基本的に同じお客さまに来ていただいていて、その反面、なかなか広がっていかない。そのことに気づいてはいたんですけど、それでも、僕らのやりたいことを貫くのがいちばんだと思っていました。

でも、こういう時期になって、いつかコロナ禍から脱したときのための作品作りをしようとなったときに、「いまのままでいいのかな?」と。せっかくだったら、自分たちが持っているものを全部ぶっ壊して、新しいものを作ってみようという思いになったのがきっかけでした。

――hitoshiさんの考えを聞いたとき、MASAさんはどう思いましたか?

MASA コロナ禍になったとき、「このままではいけない」というのは僕も思っていました。そして、いろいろと試行錯誤するなかで、僕らは大きな壁に当たっていたんですよ。そのとき、hitoshiが「もう一度、パントマイムと向き合おう」と。実は、それは僕もやりたいと思っていて。ある作品を相方が持ってきたときに、可能性が広がるなと思いました。

出典: FANY マガジン

僕らがやったらどう面白くなるのか

――今回、枠を使ったパフォーマンスや、水中を表現する新しい試みもありました。

hitoshi 実は、それらっていままでやってきた公演のなかで捨ててきたものなんですよ。気付いたら(捨てたもので)足元がいっぱいになっちゃっていたので、コイツらだけで形を作ってみようと考えました。

水中とか枠のパントマイムってよくあるものだから、あえてやらなかったんですけど、そういうものを全部やる。僕らがやったらどう面白くなるのか、っていうことに挑戦しました。ずっと“やろう”という構想はあったんですけど、こういう時期にならなかったら、一歩踏み出せなかったかもしれないですね。

――コロナ禍で公演ができないという状態は、辛い部分もあったのではないでしょうか。

MASA しんどかったですね。「僕らの仕事って、いるのかな?」って思っちゃいました。リモート公演もやったんですけど、ネット環境とか音の誤差とかでストレスを抱えて。でも、絶対日常に戻るって言い合いながら頑張ってきました。2020年内の公演は無理かなって思っていたんですけど、スタッフさんに言ってみると「やろうか!」って答えてくれたんで、そのおかげで前向きになれました。

hitoshi 今回の感じは続けていきたいですね。お客さんの前でやったことなかったパフォーマンスだったんですけど、次はもっと面白くなると思います。やっぱりお客さんがいると違いますね!

出典: FANY マガジン

――最後に2021年の目標を教えてください。

MASA 3カ月に1回公演をやる。そして即完売。それを目指していきたいです。どんどん大きいところでやるんだけど、そこでも即完! GABEZの目標ですね。

hitoshi 大きいところでやりたいよね。

MASA そう。いつも観てくださる方々が、100人、200人になっていったら最高ですね。

hitoshi 自分たちが楽しんでいる空間を皆さんも楽しんでくださる、っていうのがいちばんだと思うので、そこだけはブレずにやりたいです。いつも言っているんですが、「現象・物」を見せるんじゃなくて、「その物を使って遊んでいる僕たち」を感じてほしいなって思います。

出典: FANY マガジン

GABEZの公式プロフィールはこちらから。

公式Twitterはこちらから。